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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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画家の聖書

 


ギリシア神話について記事で触れた折りに思い出したのがルーベンス展が東京で開かれたときに読んでみた本で、ギリシア神話についてまとめたの詩人のオウィディウスの『変身物語』が「画家の聖書」とされていたことでした。


NHKカルチャーラジオ 文学の世界 ギリシャ神話―ルネッサンス・バロック絵画から遡る (NHKシリーズ)NHKカルチャーラジオ 文学の世界 ギリシャ神話―ルネッサンス・バロック絵画から遡る (NHKシリーズ)
(2011/03/25)
逸身 喜一郎

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2年前になりますがNHKカルチャーラジオで『変身物語』を通してルネサンスバロック絵画を読み解く番組がありました。はじめにの一節をご紹介します。

ルネサンス・バロックの絵画には、ギリシャ神話が題材になっているものが少なくない。単純化を承知でいえば、聖書とギリシャ神話の知識なくしてこの時代の絵は理解できない。(中略)

神話改変の積み重ねの歴史にあって重大な役割を果たしているのがローマの詩人のオウィディウス、とりわけ『変身物語』である。この作品は神話をあれこれ採集し、自分の語り口で「書き直した」ものであるが、その後のヨーロッパ世界にとって「ギリシャ神話決定版」のような役割を担った。今日の人々がなんとなく知っている、たとえば子供の頃に読んだギリシャの神話の元をたどれば、たいていオウィディウスの『変身物語』にたどりつく。


絵画をギリシャ神話に絡めて丁寧に読み解いていくもので、へえ~って感じで当時の絵画をよりよく理解出来ます。特にギリシャローマ神話と英語名称がごっちゃになりがちですが、このテキストではそのあたりも整理して書いてくださっているので大変助かります。

『変身物語』は岩波文庫で出ていますが、英語ならグーテンベルクで無料で読めます。

THE METAMORPHOSES.
Ovid


今回の記事を書く時にたまたま発見したのが以下のサイトなんですが、オウィディウスの『変身物語』の影響の大きさを実感できます。

オウィディウスの『変身物語』––––16・17世紀の挿し絵本とフランス絵画

新畑泰秀

 水面に映る自己の姿に恋い焦がれて憔悴し、水仙へと変身したナルキッソス。女神アフロディテに愛されるも、狩の途中野猪に襲われ、太股の傷口から溢れでる血潮よりアネモネに変身したアドニス、太陽神アポロとの遊戯のさ中、不運にも円盤が頭部にあたり、同様に傷口から流れ出る血潮からヒアシンスに変身したヒアキントス・・・。遠い昔日より西欧世界の文芸にはかり知れない霊感を与え続けてきたローマ詩人オウィディウスがうたう神々の世界の愛と変身の物語。このひろく知られた古典文学が、具体的な姿をもって世に流布し、かつ一般的なイメージとして定着したのは、いったい何時の頃のことであったのだろうか。
 このサイトは、16世紀中頃から17世紀にかけて、ヴェネツィア、パリ、フランクフルトをはじめ、ヨーロッパ各地で出版されて流行し、ニコラ・プッサン、ペーテル・パウル・ルーベンスらバロック期の巨匠たちに多大な霊感を与えた『変身物語(メタモルフォーセス)』の挿し絵本をテーマとするものであり、それらに掲載されたイメージを公開するものである。今回はその第一段として、日本大学芸術学部図書館が所蔵する、1651年にパリの出版社オーギュスタン・クールベによって出版された版『オヴィディウスの変身物語−フランス語韻文による翻訳』(1)を紹介する。


ただ、ルネサンス・バロックの絵画には、神話だけでなく寓話や歴史も入り混じっているようです。英語のmythには神に限定されるものではないそうです。

日本語の「神話」は「神」という字を含んでいるから、「神話」とは神々が起こす出来事の話のように読めてしまう。しかし「神話」とは、英語でいえばmythであり、mythの語源はギリシャ語の「ミュートス」mythosである。mythosとはそもそも「お話」の意味であって、必ずしも神々に限定されるわけではない。
カエサルが星となって神となるように、神話は同時代の権力を顕示するためにも使われる。ルーベンスの絵は、対象こそ「新世界」であるがその伝統を受け継いでいる。紀元前一世紀にやられたことを紀元後一七世紀に繰り返している。




例えば以下のように「四大陸」という寓話画を説明してくれていますが、これが女神がいるというだけでなく、世界を描いており、「世界全体の宥和」さらには「宗教改革に対するカトリック側の反攻」が込められているなんて想像できないですよね。

この絵の四人の裸婦は、ヨーロッパとアフリカとアジアとアメリカの四つの大陸を―「大陸」(総じて「地名」)は女性名詞だから女で表される―、そしてそれぞれの女の傍らにいる男は、ドナウ川とナイル川とガンジズ川とラプラタ川を表している(「川」は男性名詞)。ナイル川は頭に小麦を、ラプラタ川は頭に唐辛子をつけている。虎といいワニといい、すべて「目印」の役割をはたしている。そして画面全体から、世界全体の宥和とみるか、むしろ世界全体を支配する意欲とみるか、いずれにせよ寓意をみてとることになろう。宗教改革に対するカトリック側の反攻である。

今回の展覧会の目玉の一つ「ロームルスとレムス」について、このテキストで簡単にですが登場していました。



ルーベンスには「ロームルスとレムス」という作品もある(図43)。双子が狼の乳を飲んでいる、それを羊飼いが発見するという場面である。ロームルスの建国神話はローマ神話であってギリシャ神話でない、というのは屁理屈になるだろう。この絵は、神話を題材にした絵にいれてよいだろう。

天秤が公正、オリーブやハトが平和を象徴するなどくらいは日本人でもわかりますが、他にもいろいろな象徴があるようです。個人的に興味深いと思った視点は、このテキストの最後にあった以下の部分です。

神話と寓意との間の境界線がひきにくいように、神話と歴史との間にも境界線はひきにくい。絵画の上でこれらが交じり合うということは、実は概念の上でこれらが交じり合うことの反映である。
私はオウィディウスが、個々のギリシャ神話に新たなヴァージョンを加えることでギリシャ神話を発展させたように、ティツィアーノやルーベンスやベルニーニがやったことも、ギリシャ神話に新たなヴァージョンを加えること、つまりギリシャ神話を発展させる営みであった、と考える。アンドロメダやダフネ―は、彼らのおかげで永遠の姿をえた。しかし対象は既存の神話に限らない。これまでギリシャ神話でなかったものが、あたかもギリシャ神話であるかのように描かれる。神話の題材そのものが、つねに膨張するのである。

ルネサンスやバロックの画家たちは、単にギリシャ神話を再現したのではなく、ギリシャ神話を自分なりに発展させて、ギリシャ神話を人類の共通の財産にしていったのですね。ルクレティウスの書『物の本質について』がルネサンスで再発見されて大きな影響を与えていったという本がありましたが、ティツィアーノやルーベンスの試みもそのような流れと近いのかもしれません。


一四一七年、その一冊がすべてを変えた一四一七年、その一冊がすべてを変えた
(2012/11)
スティーヴン グリーンブラット

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(続)ユニクロのグローバル展開

 
今週のアジア版TIMEはユニクロがカバーストーリーとなっていました。下記の写真を見れば分かるようにアメリカ、ヨーロッパなどは違う表紙を選んでいます。グローバル企業としてのユニクロを取り上げている内容ですが、そこまでグローバルではないということが伺えるかもしれません。

130513Time.jpg
カバーストーリといっても、5,000語を超える長いものではありません。日本人の我々にとって特に目新しい部分はなく、知っている内容なので英語も読み進められると思います。

What They'll Wear to the Revolution (Japan)
Uniqlo's well-made, well-priced casual clothing has become a global retail phenomenon. Can its iconoclastic CEO bring some of that magic to Japan?

Words checked = [1666]
Words in Oxford 3000™ = [81%]

最初のパラグラフを丁寧に読めば、記事の基調が浮かび上がってきます。日本の将来を憂慮した異端の経営者像としてユニクロを描こうとしていると感じ取れます。

The strangeness of Tadashi Yanai is best appreciated in his natural element. Among the gray suits of corporate Japan, the head of Uniqlo stands out like beefsteak on a plate of sushi. In a business culture where senior executives tend to speak in soft monotones, stick to carefully vetted talking points and shuffle uncomfortably at personal questions, Yanai, 64, is as colorful as the T-shirts and sweaters in his stores. Talking so loudly that he drowns out his translator, Yanai is bracingly blunt on subjects ranging from the state of the Japanese economy ("We are on the edge of a cliff") to the lackadaisical attitude of the country's youth ("The younger generation relies too much on their parents"). He dresses casually in a plaid shirt and brown pants--his own label, natch--and underlines his brand loyalty by unbuttoning himself mid-interview to show his Uniqlo underwear.


この記事はユニクロの世界展開、経営者としての柳井氏、ユニクロの経歴を取り上げています。ユニクロの世界展開については安かろうではなく、新技術の採用によってひきつけていることを伝えています。

How has Uniqlo managed to sneak up on long-established rivals during a global economic slowdown? It's not just about low prices and marquee stores: walk a block or so to either side of its Fifth Avenue store and you can buy a cheap T-shirt at the Gap or H&M. On a recent afternoon, shoppers emerging from the Uniqlo store told TIME they were drawn by the Japanese brand's reputation for innovative textile technology. "I could have got this color from Marks & Spencer," said Kasturi Nagarajan, a software engineer visiting from New Delhi, as he fished out what looked like a white standard men's polo shirt. "But I've got two of these at home, and I know they dry quicker and don't stain as much as my other shirts."

経営者としての柳井氏をこの記事ではソニーや松下などの日本を代表する経営者と同列に置いています。"Each one of us needs to embrace the concept of 'change or die,' [or] there will be no future for us."という言葉を経営哲学として紹介しています。

Inevitably, success has made an icon of the iconoclast: Yanai is one of the best- known Japanese business leaders since Akio "Walkman" Morita, Sony's charismatic CEO during the country's economic heyday in the 1980s. It has also made him the loudest advocate for change in Japan Inc., one who exhorts other companies to rediscover their entrepreneurial zeal by sweeping away the consensus-based decisionmaking and social niceties that sap initiative and creative thinking. "Other Japanese companies advocate globalization, but some of them want to retain their conventional practices," he says. "Each one of us needs to embrace the concept of 'change or die,' [or] there will be no future for us."


この対極にあるのがリスクを嫌うサラリーマン経営者でしょう。

Yanai's call to action isn't very welcome in the halls of the major corporations, where managers who slaved their entire lives crawling up the corporate ladder are deeply invested in the current bureaucratic systems. Unlike the go-getters of the 1960s, Japanese have become terrified of taking the risks crucial to rebuilding their businesses. "The obstacle is that losing face is a terrible thing culturally," says Kenneth Grossberg, a marketing professor at Tokyo's Waseda University. "One reason Japanese culture is so risk-averse is that they are ridiculed for their mistakes. I think it will prevent companies from globalizing successfully."

個人的に見習いたいのは、失敗したらいさぎよく撤退して、再度また挑戦する姿勢でしょうか。米国進出は今でこそかっこいいキャンペーンを打てていますが、2005年の最初の挑戦は認知されずに終わってしまったそうです。

While Uniqlo's growth at home progressed apace, Yanai stumbled in some of his early forays into foreign markets. In 2005, Uniqlo launched its first three U.S. outlets in shopping malls in New Jersey, where nobody had heard of the brand. By 2006, all three were shuttered. Yanai tried again in 2011, this time choosing prime real estate like New York City's Fifth Avenue. A high-visibility advertising campaign featuring Orlando Bloom and Charlize Theron ensured that the brand was no longer unknown. Uniqlo now has seven outlets in the U.S. and is aiming for 200 by 2020.

ブラック企業に関するトピックは記事の最後に取り上げられていました。

Not everyone regards Yanai as an enlightened employer. Japanese media have run stories saying his workers complain about long hours, exacting standards and high stress. Such reports have given Uniqlo a reputation as a "black company" that mistreats workers. Masahiro Watanabe, a journalist who has written extensively on the labor practices at Fast Retailing and other firms, says the way Yanai treats his staff is simply un-Japanese. "Traditional Japanese companies treat their employees as family," he says. "Uniqlo thinks employees are only parts and something replaceable."

Yanai is unsympathetic. Japanese workers, he says, "never work long hours. That's the problem." It's a symptom, he adds, of a larger malaise, which stems from Japan Inc.'s successes of the 1980s: "Japan got rich, then it got spoiled." If they don't change, there's a sign outside his office he'd like them to read.


法律違反はいけないと思いますが、言われたことしかやらない、評価に入る項目しかやらないという風潮があるような気がします。TOEICブームはスコアが高いと褒められるというインセンティブがあるからですよね。TOEICだけでいいじゃないかという態度も評価に入る項目しかやらないという態度そのものですよね。だから5年経っても、10年経ってもTOEIC学習者もTOEIC講師もTIMEやPBが読めない人ばかりじゃないですか。。。。

まあ、駄目な人にどうこういってもしょうがないのでやる気のある人がやるしかないのでしょう。今回TIMEのウエブサイトでおっと思ったのが、記事の脇にFacebokやTwitterと合わせて、Send to Kindleというボタンがあったことです。早速試してみましたが、以下のようにKindleでテキストだけが送られるというサービスのようです。

130513TimeCover.jpg


Screenshot_2013-05-04-08-49-45.png

PCのディスプレイで読むよりもやはりKindleやタブレットの方が読みやすいですし、オフラインでも読めますから便利ですね。
 

Double, double toil and trouble

 
The Royal Shakespeare Company increased attendance by 30% with 0% toil and trouble.
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは、辛苦と勞苦もなく観客を30%増やしました。

アクセンチュアのロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの支援事例として上記の表現が使われていました。まあ、ここでのtoil and troubleはシェイクスピアの有名な語を使うことで雰囲気を出すだけで、手間をかけずに導入できたことを伝えているだけでしょう。

ただ、恐らくこのtoil and trouble元ネタであろう『マクベス』の第四幕第一場の場面は結構印象的だったのでご紹介します。double / trouble / bubbleと音で遊んでいるのもいいですね。音の楽しさを伝えているものは河合先生の訳になるでしょうか。

Double, double toil and trouble
Fire burn, and cauldron bubble.

(坪内逍遙)
辛苦も勞苦も、倍増し、倍増し。
くわつくわと燃えろ、ぶつ〜煮えろ。

(大場建治)
ふえろ、ふくれろ、悩みに苦しみ、
燃えろ火の釜、ぐつぐつ煮え立て。

(河合祥一郎)
増やせ、不幸を、ぶつぶつぶつ。
燃やせ、猛毒、ぐつぐつぐつ。

以下は、河合祥一郎さんのマクベスから引用させてもらいました。難しく考えずに、高尚な文学と身構えずに、音の楽しさに浸りたいですね。



ACT IV
SCENE I. A cavern. In the middle, a boiling cauldron.
Thunder. Enter the three Witches
First Witch Thrice the brinded cat hath mew'd.
三度鳴いたよ、虎猫が。

Second Witch Thrice and once the hedge-pig whined.
四度鳴いたよ、針鼠。

Third Witch Harpier cries 'Tis time, 'tis time.
時間が来たぞと化け物鳥

First Witch
Round about the cauldron go;
In the poison'd entrails throw.
Toad, that under cold stone
Days and nights has thirty-one
Swelter'd venom sleeping got,
Boil thou first i' the charmed pot.
釜のまわりをぐるぐる回り、
毒の腸、放り込め、
まずはこれなるヒキガエル、
冷たい石の下に寝て
ひと月かいた毒の汗、
魔法の釜で煮込みましょ。

ALL
Double, double toil and trouble;
Fire burn, and cauldron bubble.
増やせ、不幸を、ぶつぶつぶつ。
燃やせ、猛毒、ぐつぐつぐつ。

今回Youtubeでいろいろ見比べてみて、改めていろいろな演出方法があるのだなと感心しました。







ナタリーポートマンが映画『マクベス』に出演するようですが、この映画ではこの魔女の場面はどのように演出されるか楽しみですね。



マイケル・ファスベンダー主演「マクベス」、妻役にナタリー・ポートマン
2013年5月3日 12:00共有
[映画.com ニュース] ウィリアム・シェイクスピアの戯曲「マクベス」をマイケル・ファスベンダー主演で映画化する新作に、ナタリー・ポートマンが出演することがわかった。

「マクベス」は、中世のスコットランドを舞台に、妻と共謀して主君を暗殺し王位に就いたマクベス将軍が、やがて破滅していく姿を描く、シェイクスピアの四大悲劇のひとつ。米ScreenDailyによれば、ポートマンはマクベス(ファスベンダー)の妻を演じる。

 

ユニクロのグローバル展開

 
アメリカで放映しているCMも日本のものと基本的に変わりはなさそうですね。楽天ではなくユニクロの柳井氏がTIME100人に選ばれたのは全米進出して、ニューヨークの5番街に出店したりと、ユニクロの方が米国で存在感を出しているからかもしれませんね。







従業員を安く、こき使うだけで世界的な企業になれるわけではないですよね。以前紹介したアクセンチュアのユニクロの事例をみてみます。英語と日本語で同じ内容になっていますので、表現も学べそうです。

Accenture-uniqlo-retail-growth-business-transformation-larger.jpg


We’re helping UNIQLO grow by 350%. Now that’s a fashion statement.

Aggressive expansion is key to UNIQLO’s goal to become one of the largest apparel retailers in the world. We helped them completely transform and standardize their entire global business — from merchandise and supply chain, to inventory and store management — fueling expansion into major markets including China, the US, the UK and France. So far, sales have more than tripled, making Fast Retailing, with its flagship brand UNIQLO, the 4th largest private label in the world. That’s high performance, delivered.



アクセンチュアはユニクロの350%の成長を支援。今やファッション・トレンドの発信者に。

世界有数のアパレル・小売企業に、というユニクロの目標達成のためには、意欲的な拡大が鍵を握っています。 アクセンチュアはマーチャンダイジングからサプライチェーン、在庫、および店舗管理にいたるまで、グローバルビジネス全体の徹底的な改革・標準化を支援。中国、アメリカ、イギリス、フランスを含む主要マーケットへの拡張をさらに加速させました。 ユニクロをフラグシップ・ブランドとするファーストリテイリングの売上高はこれまでに3倍以上の拡大を記録して、持株会社で世界第4位の自社ブランドに成長しました。 ハイパフォーマンスの実現へ。

英語を使う人にとっては、文法的側面も大事なんですけど、相手にどう伝わるかの方がずっと重要ですね。他の企業の支援事例のタイトルでも、tangleとかmountainとか支援した企業に関する言葉を絡めていますね。

€1 billion in savings for Unilever. Without any tangles.
業務の“ほつれ”なくユニリーバの10億ユーロを削減。

Each day, we help bring the Starwood Hotels experience to 3 million guests long before check-in.
1日300万人のゲストがスターウッドホテルのおもてなしをホテルに到着するはるか前から体感できるよう、アクセンチュアは支援しています。

Over 300% growth in Asia Pacific and a mountain of success for Caterpillar.
キャタピラー社のアジア太平洋地域における300%を超える成長と、 成功の山を築きました。

The Royal Shakespeare Company increased attendance by 30% with 0% toil and trouble.
ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは、辛苦と勞苦もなく観客を30%増やしました。


ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーは分かりづらかったかもしれませんが、toil and troubleがマクベスに登場する魔女のせりふから取ったのではないでしょうか。

Double, double toil and trouble
Fire burn, and cauldron bubble.
(苦労も苦悩も二倍にするぞ、
火を焚きつけろ、釜をぐらぐら煮立たせろ)

ユニクロはアパレルメーカーなので、それに絡めてfashion statementを使ったわけですね。

We’re helping UNIQLO grow by 350%. Now that’s a fashion statement.
アクセンチュアはユニクロの350%の成長を支援。今やファッション・トレンドの発信者に。


英語のNow that’s a fashion statement.に関しては、350%の成長を遂げたのだから誇らしい業績だよね、という意味も込められているのではないかと思います。

(ロングマン)
fashion statement [countable]
something that you own or wear that is considered new or different, and that is intended to make other people notice you:
Mobile phones make a big fashion statement.

(オックスフォード)
fashion statement
something that you wear or own that is new or unusual and is meant to draw attention to you
This shirt is great for anyone who wants to make a fashion statement.


基本的に英語版を忠実に訳していましたが、アクセンチュアの支援内容の最初の部分は英語版と日本語版で多少の差がありました。

We built a global infrastructure that unifies processes and information systems. Accenture collaborated with executives across a broad spectrum of functions, cultures, customs and languages to assess and determine the best practices required for a global business structure.


(アクセンチュアの日本語版)
アクセンチュアは業務プロセスや組織、さらには情報システムを統合するためのグローバルな経営管理インフラの構築を支援しました。さまざまな文化、習慣、言語の壁を越えて、業務遂行の上で模範となる事例の評価と選定を行い、グローバル展開に必要な経営構造の構築に取り組んできました。

(Yutaのざっくり訳)
当社は業務プロセスと情報システムを統合するグローバルインフラを構築しました。アクセンチュアは役職、文化、習慣、言語が多岐にわたる経営陣と連携して、グローバル業務体制に必要なベストプラクティスの評価と選定を行いました。

これは広告ですから、表現の違いよりも一番大切なのはメッセージの内容が等価であることです。日本語として伝わりやすいように多少組み替えたのでしょうね。英語の資格検定ではないのですから、そういうことは大切だと思います。

For example, teams in Japan, Asia, North America and Europe worked closely to address the various challenges created among different geographies.
具体的には、日本、アジア、北米、欧州のチームが、緊密に連携を取り合い、地域間で生じるさまざまな溝を埋める努力を重ねています。

We have implemented a project titled “Global One” that:
「グローバルワン」と称される同プロジェクトでは以下を実施しました:

Supports the group’s transformation in various areas, including business management, merchandise design, inventory and distribution management, and hiring and training personnel.
経営管理、商品計画、在庫・物流管理、採用・教育に至るまで、ビジネスのあらゆる領域にわたる業務変革を支援

Standardizes business procedures by creating integrated infrastructure at the group and global level.
業務プロセスや組織、さらには情報システムを統合するためのグローバルな経営管理インフラの構築を支援

こういうのを読むと世界規模で業務を変革していくのは大変だなと思ってしまいますね。

 

Rock And A Hard Place / Catch-22 / Scylla and Charybdis

 
(ロングマン)
damned if you do, damned if you don't
spoken used to say that whatever you say or do will be considered wrong

先ほどの記事で取り上げたジレンマを表すくだけたイディオム、日本語でもたくさんの表現があるように英語でもいろいろあるようです。

行動・実態上などでのジレンマ
動きが取れない ・ ニッチもサッチもいかない ・ 針の穴を通るような ・ 進退きわまる ・ 挟み撃ち(に遭う) ・ 股裂き状態 ・ 宙ぶらりんの状態 ・ 痛ましいジレンマ ・ どっちつかずの~ ・ (やっかいな)問題 ・ 苦悩の選択 ・ 厳しい選択 ・ 苦渋の選択(を強いられる) ・ 悪魔の選択 ・ 「どっちを選んでもイバラの道だ」

個人的にすぐに思いついたジレンマを示すイディオムを記事にしてみました。どれもロングマンやオックスフォードに載っているものでした。最初のものは学生の頃、やたらCMで流れていたため刷りこまれてしまった曲です(苦笑)



(ロングマン)
be (stuck) between a rock and a hard place
to have a choice between two things, both of which are unpleasant or dangerous

(オックスフォード)
(caught/stuck) between a rock and a hard place
in a situation where you have to choose between two things, both of which are unpleasant

Catch 22という表現はまさにキャッチーに表現できて、使い勝手が一番いいのではないでしょうか。



(ロングマン)
Catch-22 [uncountable]
an impossible situation that you cannot solve because you need to do one thing in order to do a second thing, but you cannot do the second thing until you have done the first:
It's a Catch-22 situation - without experience you can't get a job and without a job you can't get experience.

(オックスフォード)
Catch-22
a comic but serious US novel (1961) about the madness of war. It was written by Joseph Heller (1923–1999), and a film version was made in 1970. The story is about a US Air Force pilot during World War II. He hates the war and tries to avoid having to fly planes. The book was a great success with US students in the 1960s. The expression Catch-22 has now entered the English language, meaning an unpleasant situation from which you cannot escape because you need to do one thing before doing a second, and you cannot do the second thing before doing the first

We’re in a Catch-22 situation.
There was only one catch and that was Catch-22, which specified that a concern for one’s own safety in the face of dangers that were real and immediate was the process of a rational mind … Orr would be crazy to fly more missions and sane if he didn’t, but if he was sane he had to fly them. If he flew them he was crazy and didn’t have to; but if he didn’t want to he was sane and had to.


最後のはギリシア神話からきたもので、これを言い換えたbetween the devil and the deep blue seaという表現もあるようです。Weblioでは中国の故事「前門の虎、後門の狼」という訳語を当てていました。中国の故事をやたら引き合いに出すと微妙な空気が流れてしまうと思いますが、Scylla and Charybdisにしても普通の日常会話で引き合いに出したら同じようなことになりそうですね(汗)



(ロングマン)
Scylla and Charybdis
used to refer to a situation in which an attempt to avoid one danger increases the risk from another danger
From ancient Greek stories in which a female sea creature (called Scylla) tried to catch and eat sailors who passed between her cave and a whirlpool (called Charybdis).

(オックスフォード)
Scylla and Charybdis
between Scylla and Charybdis
in a situation where you have to choose between two possible actions, but both are dangerous or unpleasant. The phrase comes from the ancient Greek stories of Scylla, a monster, and Charybdis, a whirlpool (=water that spins around and pulls things down into it), that killed sailors in the sea between Italy and Sicily. People sometimes also use the phrase "between a rock and a hard place" to mean the same thing.


怪物スキュラって何だという感じになりますが、ホメロスの『オデュッセイア』ではセイレーンの次に出てくるエピソードなんですね。

第12歌 [編集]
オデュッセウスの航海と冒険の話の続き。キルケーの館より出て、仲間達と船を進ませる。途中、セイレーネス(セイレーンたち)という人の顔を持ち鳥の身体を持つ怪物がいる島の傍らを船は通過する。セイレーンたちの歌を聴いた者はすべての記憶を失い、怪物セイレーンに近づきその餌食とされる。しかし、オデュッセウスはその歌が聞きたく、仲間たちの耳は蜜蝋で塞ぎ、自分は帆柱に縛り付けもらい、身動きできないようにして、無事通過する。オデュッセウスは、セイレーンの島に進むのだと叫ぶが、仲間たちは歌もその言葉も聞こえないので、そのまま無視して進んだ。

次に、怪物スキュラのいる岩の横を通過するが、スキュラは、六本の頭で仲間たち六人をくわえて捉えむさぼり食うが、オデュッセウスを初め、他の仲間は何とか無事にスキュラの岩の傍らを通過できた。

それから更に、ヘーリオスの家畜がいる、トリーナキエー島に一行は上陸する。オデュッセウスはあらかじめに警告を受けていたので上陸を止めたが、仲間たちが上陸すると云って聞かず、やむをえず上陸する。やはり凶事は起こり、部下がヘーリオスの家畜をみだりに殺し食用にしたため、家畜を世話していたヘーリオスの娘ラムペティエーはそのことを父に知らせた。ヘーリオスは怒ってゼウスに訴えたので、ゼウスは船に雷を落とした。彼らの船は再びスキュラの岩とカリュブディスの近くに流され、今度は、大渦巻きですべてを飲み込むカリュブディスの岩の下の海に吹き寄せられたので、船は仲間を含めて渦巻きに飲み込まれたが、オデュッセウスだけは助かり、カリプソーの島に流れ着いた。

ホメロスの『オデュッセイア』や『イーリアス』を読めというとなんか腰が引けてしまいますが、知らず知らずのうちになじんでいるものですよね。ポップカルチャーにたくさん触れることは、その文化にある程度なじむことになるんですよね。ただ、ギリシア神話の場合も、英語と日本語での名称が変わることがあるので気をつけないといけませんが。。。

(オックスフォード)
odyssey
(literary) a long journey full of experiences
From the Odyssey, a Greek poem that is said to have been written by Homer, about the adventures of Odysseus. After a battle in Troy Odysseus had to spend ten years travelling before he could return home.



 

口は災いのもと

 
今の日本のメディアの状況で、口は災いのもといえば某知事のことになりますが、オバマ大統領がシリア情勢で使ったred lineという言葉も独り歩きして、自らを縛るものになってしまっているようです。



August 20, 2012
Remarks by the President to the White House Press Corps
James S. Brady Press Briefing Room
1:27 P.M. EDT

I have, at this point, not ordered military engagement in the situation. But the point that you made about chemical and biological weapons is critical. That’s an issue that doesn’t just concern Syria; it concerns our close allies in the region, including Israel. It concerns us. We cannot have a situation where chemical or biological weapons are falling into the hands of the wrong people.

We have been very clear to the Assad regime, but also to other players on the ground, that a red line for us is we start seeing a whole bunch of chemical weapons moving around or being utilized. That would change my calculus. That would change my equation.

Q So you're confident it’s somehow under -- it's safe?

THE PRESIDENT: In a situation this volatile, I wouldn’t say that I am absolutely confident. What I’m saying is we’re monitoring that situation very carefully. We have put together a range of contingency plans. We have communicated in no uncertain terms with every player in the region that that’s a red line for us and that there would be enormous consequences if we start seeing movement on the chemical weapons front or the use of chemical weapons. That would change my calculations significantly.

オバマ大統領のシリア情勢への対処について触れたフォーリンポリシーの記事がありました。a cautionary tale against articulating public positions that may seem correct and convenient at the time, but that can pose serious challenges down the roadと、8月の時点では米国の介入を避けるための便利な言葉だったが、いざ化学兵器が使われてしまうと行動を求められてしまうことになっている現状を問題視しています。政治家や経営者は具体的な目標や数字を挙げた方が分かりやすいですが、実際に口に出してしまうと結果責任を問われてしまうので大変ですよね。

Obama's Syria Dilemma
Damned if he does; damned if he doesn't.
BY AARON DAVID MILLER | APRIL 26, 2013

Barack Obama has a real problem. It's self-inflicted, really -- and it's a cautionary tale against articulating public positions that may seem correct and convenient at the time, but that can pose serious challenges down the road.

Obama has been confronted with evidence from a variety of credible sources -- including from his own intelligence community, with some caveats -- that Assad used sarin gas against his own people. Ever since August 2012, Obama has held that Syrian use of chemical weapons constituted a "red line" for the United States, and that crossing it would be a "grave mistake" for Assad. The president is now faced with a dilemma: Defending his red line could undermine his carefully crafted strategy of steering clear of direct military involvement in the Syria crisis.

サブタイトルでオバマ大統領の苦境をDamned if he does; damned if he doesn't.という表現で表していますね。やってもやらなくても批判されてしまう進退きわまった状況を指すカジュアルな表現で、ロングマンには載っていました。

(ロングマン)
damned if you do, damned if you don't
spoken used to say that whatever you say or do will be considered wrong

この記事では、以下のようなトピックで現状を分析しています。

No more red lines
Syria isn't an opportunity
Obama's reluctance has been justified by events
Iran, Iran, Iran
This time we're stuck


乱暴な抜粋になりますが、個人的に気になった部分をいくつか紹介します。今回問題になっているのは言葉と行動、gap between the president's words and his deedsになりますが、中東の民衆にとっては米国大統領の言行不一致はおなじみのものだと筆者は冷静にみています。

U.S. street cred is already at all time low in the Middle East. We don't need what remains of U.S. credibility to be lost in the gap between the president's words and his deeds.


There are no good options in Syriaといっていように、シリア介入の難しさを十分に理解しているようですね。ただし、red lineを示して、それが越えられた以上、何かしらの介入が必要だと考えているようです。

There are no good options in Syria. Choices run the gamut from unacceptable (do nothing) to ineffective (provide non-lethal assistance) to risky (arming the rebels or establishing a no-fly zone). Caution is still the order of the day.


米国にとって中東での大きな懸念事項は、現在はイランでしょう。シリアに介入してしまうと、イランで問題が起きた時に中国やロシアの支持を得にくくなるという視点はなるほどなと思いました。

Still, the president knows there's a pretty good chance the Iranian issue may come to a crisis, and the United States may be forced to respond militarily. He is going to need Russian and Chinese support for whatever he does -- and he isn't going to get it on both Syria and Iran. Staying out of the Syrian crisis will give him more flexibility and options on Iran. Getting involved militarily could well lead the Russians and Iran to increase their own military support for the Assads too.

この記事の終わりには、昨年8月から使われているred lineという言葉を"You can pay me now, or pay me later."を引き合いに出して説明しています。当時は介入しない言い訳、先延ばしする言い訳として使えたが、今になってその支払いを求められていると書いていますね。

There used to be an ad for a muffler company: "You can pay me now, or pay me later." Obama chose to pay Syria later -- but now the long-deferred chit is coming due.

It's a headache for a president whose main mission was to get America out of bad wars, not into new ones. But there's likely no way around it -- sooner or later, Obama will have to make good on enforcing his red line. Failure to do so will undermine his credibility, encourage the Assad regime to deploy additional chemical weapons, and send a powerful signal to America's friends and adversaries that we don't mean what we say.



この件に関して、ネオコンの代表的な人物のジョン・ボルトン氏がWSJに寄稿していました。オバマ大統領の今回の件をHis propensity for unthinking rhetoric instead of concrete action is not new.と冷たく突き放しています。オバマ大統領に批判的な人は、大統領は華麗なレトリックを駆使するだけの口だけで、行動が伴っていないというイメージがあるようです。ある立場の人が抱いているイメージを理解するのも大事なことだと思うので、たくさんのメディアに触れて感じ取るようにしていきたいです。

April 28, 2013, 5:41 p.m. ET
Obama Put America in a Red-Line Box on Syria
His edict on chemical weapons was an unforced error. Now Iran will watch closely to see what America does
By JOHN BOLTON

(前略)

His propensity for unthinking rhetoric instead of concrete action is not new. The president's announcement in 2011 of an ill-advised and very public timetable for withdrawing militarily from Afghanistan—giving the Taliban a target date when they can turn to carving up Afghanistan's security forces without NATO's inconvenient presence—is another prime example. Surely there also is a huge surplus of rhetoric over action regarding the Sept. 11, 2012, terrorist assassinations of four Americans in Benghazi, Libya—an attack that, almost eight months later, remains unavenged.

(中略)

At present, we don't know whether Mr. Obama plans anything beyond diplomacy and still more rhetoric. Perhaps he does. But the president's unfortunate behavior to date has already caused grave damage to his personal credibility internationally, and, far more serious, to that of the United States government.

具体的な基準を出せばわかりやすくなるけど、基準を出した以上守らなければいけなくなる、このラインを見極めるのは本当に大変そうです。

 

アウトドア版EAT PRAY LOVE

 



Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail (Vintage)Wild: From Lost to Found on the Pacific Crest Trail (Vintage)
(2012/07/10)
Cheryl Strayed

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GW最中なのに仕事の忙しさがピークになっています(涙)通勤時間で読んだ本がWildという本です。雑誌TIMEでノンフィクションのベスト10に選ばれていました。

Top 10 Nonfiction Books
6. Wild, Cheryl Strayed
By Intern - TIME DomesticDec. 04, 2012Add a Comment

After losing her mother to cancer and spiraling into drug addiction, the young Cheryl Strayed decided on an impulse to hike the Pacific Crest Trail, a challenge she hoped would distract her from the wreck her life had become. Lighting out for the territory is the quintessential stuff of American literature; Strayed, who was such an amateur that she didn’t even try on her boots before hitting the trail, breaks down her body and builds it back up as she travels from California to Oregon and from bewildered grief to battle-worn resilience. Her touching memoir, which benefits from nearly two decades of hindsight, gains power from its unflinching portrayal of the hard parts — not the days on the trail, though they hurt too, but the memories of her mother’s life and death.


アウトドア版EAT PRAY LOVEと随分荒っぽいまとめ方をしてしまいましたが、人生を見直すために旅に出て、自分を見つめ直して、活力を得るという流れの本です。英語はロジックなんていう人もいますが、そこは同じ人間、いろいろ悩んで当たり前ですよね。そういう部分を赤裸々に回想しながら、トレッキングが進んでいきました。いろいろ悩み多き方は共感しながら読み進めることができるかもしれません。





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