fc2ブログ

Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

RSS     Archives
 

Geoengineering技師としての宮沢賢治

 

グスコーブドリの伝記グスコーブドリの伝記
(2012/09/27)
宮沢 賢治

商品詳細を見る


ようやく世田谷文学館の『没後80年 宮沢賢治・詩と絵の宇宙―雨ニモマケズの心』に行く事ができました。いつものようにこじんまりとした展覧会なのですが、今回気になった賢治の作品は『グスコーブドリの伝記』でした。宮沢賢治自身、科学にも興味があったことは知っていましたが、人間の暮らしを良くするためには自然に積極的に手を加えることを肯定していたという面もあったのですね。昨年に映画になっていたのは全く知りませんでした(汗)



今年のベルギーの映画フェスティバルでも上映されていたようで、その時の説明が以下です。

Life of Gusukou Budori (The) (Gusuko Budori No Denki)
From 6 years old
Young Budori lives happily in the forest of Ihatove with his parents and his little sister Neri. But when an endless winter arrives, Budori gets separated from his family. He’s forced to leave on a journey of self-discovery. His quest leads him to the big city. He finds work, grows up and makes friends. Then a new cold front approaches, a winter of snow and ice that threatens to destroy his new home. Budori will not allow this to happen again. Together with his friends he will try to save the world.

The Life of Budori Gusuko is a book by Kenji Miyazawa, considered in Japan to be the greatest child novelist of the 20th century. Director Sugii Gisaburo learned the tricks of the trade at the Toei Studios, where he befriended the legendary mangaka Osamu Tezuka (Astro Boy). His animation feature debut was in 1974 with Jack and the Beanstalk. He achieved worldwide popular and critical success with animation gems such as Night on the Galactic Railroad (1985) and Tale of Genji (1987). Gisabura adapted Miyazawa’s book into an enchanting piece of animation, with heart rendering visuals and a timeless ecological message.

ウィキペディアってすごいなと思うのは、地球温暖化の視点からもこの作品を取り上げていることです。

(Wikipedia)
『グスコーブドリの伝記』(グスコーブドリのでんき)は、大正後期を中心に活動した日本の童話作家・宮沢賢治によって書かれた童話。1932年(昭和7年)4月に刊行された雑誌『児童文学』第2号にて発表された。賢治の代表的な童話の一つであり、生前発表された数少ない童話の一つでもある。

(中略)
農業を始めとする宮沢賢治の実体験が色濃く反映した作品で、「ありうべかりし自伝」と言われることもある。また、その伝記的側面とのつながりから語られることが多い。一方、結末については第二次世界大戦後になって「自己犠牲を過度に美化した内容である」という批判もなされている。

発表時の挿絵を手がけたのは無名時代の版画家・棟方志功であった。しかし棟方は、約40年後に『校本宮澤賢治全集』の月報に寄稿した文章では、その絵を描いたときのことはなぜかまったく記憶にないと記している。

作中に登場する潮汐発電所は、執筆から約30年後にフランスで実現した。また、作中で「もっとも重要な作物」として出てくる「オリザ」はイネ(稲)の学名 "Oryza sativa" の日本語転写「オリザ・サティヴァ」に由来する。また、水田に相当するものは「沼ばたけ」と表記されており、日本語としての「稲」や「水田」という言葉の持つイメージを避けようとしたと考えられる。

冷害を止めるために火山噴火で二酸化炭素 (CO2) を増やそうとするくだりは、地球温暖化現象が大々的に問題視され始めた21世紀初頭には、温室効果のわかりやすい描写の例として紹介されることも多くなった。また、火山噴火ではそれに伴う火山灰などの噴出物によるエアロゾルでむしろ冷害が悪化するのではないかという意見もあるが、根本順吉(元気象庁予報官)や石黒耀(『死都日本』の著者)からは、賢治はそれも認識した上で(他の噴出物をほとんど伴わずに)CO2ガスを主に噴出するタイプの実在する火山を、念頭に置いて執筆したのではないかという指摘がなされている。

今回紹介した映画ではないのですが、1994年に制作された映画に対して、高畑勲監督がこのような地球工学的な発想を批判しているようですね。

(Wikipedia)
1994年映画
賢治の没後60周年を記念して1994年に制作、同年7月16日に上映会(親子映画)向けに順次公開された。制作に当たっては制作費の一部が地元である岩手県からの募金によってまかなわれている。舞台であるイーハトーブについては、賢治が暮らした「1920年代の岩手県」をモチーフとした描写がなされ、ほぼ原作に忠実なストーリーである。
本作について、アニメ映画『セロ弾きのゴーシュ』を監督した高畑勲は1996年に執筆した文章で、原作における人工降雨での施肥や火山噴火を利用したCO2増加による温暖化は賢治の切実な願いに基づく科学の夢だが、現在ではそうした行為が生態系に深刻な影響をもたらすことがわかっているのに、その点を考えずに映画化したことを批判した。



宮沢賢治のイメージは、自然を愛する共生の思想だったので、このような自然に積極的に介入して人間が住みやすい場所にしていこうという姿勢を全面に押し出している作品は自分には意外でした。

例えば先月ジャパンタイムズに寄稿していたロジャーパルバースさんのエッセイでも宮沢賢治の思想はGreenだと語っていました。

Long-gone writer tells it how it is
Many in Japan and around the world will soon be marking the 80th anniversary of the death of Kenji Miyazawa. Here, Roger Pulvers hails a great author and poet whose remarkable vision casts remarkable light on life today.
BY ROGER PULVERS

Kenji’s mind was dogmatically focused on matters that barely occurred to his compatriots. He was on a different mission, a mission naturally not understood in his own era. In fact, as we now know, he was nearly a century ahead of his time.

We can give a contemporary name to his mission and its messages: Green Social Design.

Why “green”?

In his works, Kenji goes far beyond a mere appreciation of and love of nature. For one thing, he was a dedicated scientist — a professional agronomist and a keen amateur biologist, geologist and astronomer. He recognized earlier than anyone in his day in Japan that humans would have to live in peaceful coexistence with nature in order to survive the future.

科学技術を使って自然を変えることの是非は確かに議論されるべきかもしれませんが、人々が平和に穏やかに暮らせることを願っていたことは確かなようです。パルバースさんのエッセイの最後に紹介されていた宮沢賢治の詩と『グスコーブドリの伝記』の終わりとは通底する部分があります。

Kenji must have known, as he’d written, a few years before he died, in his poem “Speaking with the Eyes,” that “it won’t be long now … ” Nonetheless, his pain and coughing from tuberculosis were inconsequential to him compared with the joys of all the revelers. Though he was not long for this world, he found happiness in the thought that others would go on to plant rice, invent new inventions, sing songs, live and show kindness toward each other.

Here is my translation of the poem he wrote two days before he died, age 37, on Sept. 21, 1933:
Is it only in Hienuki and its region that the ears of rice ripen for the three-day festival? The sky is clear … and ever radiant

His concerns are unmistakably our concerns, and hopefully his obsessions — with the plight of others and our interdependence with all forms of creation — will be taken up as ours as well.

宮沢賢治の最後の様子とパルバースさんが訳された詩のオリジナルについては『宮沢賢治、最後の日々』というブログ記事で確認できます。

9月19日(祭典最終日)
この日の夜は神輿が神社に還御することになっていた。賢治はそれを拝むために門の所に出て待っていた。東北地方では 九月も半ばを過ぎると夜は冷気が迫ってくるので、寒さと疲れで、病状が悪化することを心配した母イチは「賢サン。夜露 がひどいんちゃ、入って休んでいる方がいいだんすちゃ」と賢治に言ったが賢治は「大丈夫だんすじゃー」と答え、夜八時 頃に練ってきた神輿を拝んで二階の病室に戻って床についた。

この日、日中の気分の良いときに、半紙に毛筆で二首の短歌を書いた。賢治の絶筆とされている。文学的には盛岡中学校 時代に短歌で出発し、絶筆が短歌というのも奇しき因縁である。

方十里 稗貫のみかも 稲熟れて 
み祭三日 そらはれわたる

(歌意)稗貫郡の十里四方に稲が登熟し、昨年の冷害に比べて、大豊作となった。それを寿ぐように、 祭典の三日間は晴れ渡った。
(管理人注)稗貫郡(ひえぬきぐん)は、岩手県(陸中国)の中央部に位置していた郡。人口23,027人、面積365.41km2(2003年)。 奥六郡として成立したときの郡域は全て現在の花巻市に含まれている。(ウイキペディアより)
と、賢治が農民のために半生を捧げたのが報われたという喜びが伝わってくる。

病のゆゑにくもらん いのちなり みのりに棄てば うれしからまし
(歌意)今病気で失う命であるが稲の稔りの役に立つならば、嬉しいことだ。

「みのり」は「稔」と「御法」にかかる言葉で、一方では仏教の教え、ここでは法華経のために生命を棄てることも 喜んでいる。最後まで法華経の行者としての賢治の姿をうかがうことができる。

地球工学の使用の是非と文学作品の価値とは直結させるべきものではありませんが、「自然と共に暮らす」とのん気に考えていただけではなかった宮沢賢治を知ることができたのは自分には収穫でした。
 

常盤貴子の悪妻ぶりを鑑賞する

 
今年の年末は、渋谷のBunkamuraで『マクベス』が公演されるようですね。長塚圭史が演出で堤真一がマクベス、常盤貴子がマクベス夫人を演じるそうです。本日まで先行予約の抽選受付だそうですので、興味のある方はお早めに!自分も申し込んでみました。マクベスを観るのは野村萬齋さん以来になります。まあ、常磐貴子を間近で観てみたいというミーハーな気持ちの方が大きいのですが(苦笑)

マクベス Macbeth
2013/12/8(日)~12/29(日)
快進撃を続ける長塚圭史。5月にシアターコクーンで書下ろし新作『あかいくらやみ~天狗党幻譚~』を上演。多層的で重厚な戯曲。俳優の魅力を余すところなく発揮した演出が光り、大きな話題となりました。13年の締めくくりとして、最大の話題作がついに登場!!演劇ファンが待ち望んだ、シェイクスピアへの初挑戦!その作品は…四大悲劇のなかでも、傑作の呼び声が高い「マクベス」!!
タイトルロールには、俳優としての円熟期を迎えながらもその評価に安住せず挑戦を続ける堤真一!!長塚圭史とは待望の初顔合わせとなります。マクベスを翻弄する毒婦として描かれることが多いマクベス夫人ですが今回は<マクベスの欲望が伝染した被害者でもある>として描かれます。クールな美貌と共に、近年、様々な役柄でその豊かな感性を発露している常盤貴子が挑みます!その圧倒的な存在感と色気で客席を虜にする名優、風間杜夫!!演出家としてのみならず俳優としても得難い個性を発揮する白井晃!!舞台に奥行きを与えるベテラン中嶋しゅう!また、小松和重、横田栄司、市川しんぺー、池谷のぶえ、玉置孝匡、福田転球 等、心強い面々が参加!そして、キーマンともいえる魔女たちには、日本を代表する舞台女優、三田和代!映画での活躍も目覚ましい江口のりこ!毒のあるユーモアが魅力の平田敦子が決定!!異彩かつ刺激的なキャストたちが観客と共犯関係を結び、祝祭的な「マクベス」が誕生します!ご期待ください!!
スタッフ
作:W・シェイクスピア
翻訳:松岡和子
演出:長塚圭史

この舞台が行われるからか、NHK文化センターの講座では、松岡和子先生が『マクベス』を取り上げているのですね。社会人にとっては嫌がらせとしか思えない開講時間ですが。。。

松岡和子と読み解くシェイクスピア 『マクベス』

翻訳家 演劇評論家 松岡和子

シェイクスピアの四大悲劇と呼ばれる作品のひとつ、『マクベス』を読みます。大胆にして緊密な構成、喚起力に富むことばの数々、そしてマクベスとその夫人をはじめとする登場人物の魅力などは、読者・観客を惹きつけて止みません。名場面と名台詞の多さにおいても、このスコットランドの悲劇は群を抜いています。時間をかけ、原文と飜訳を対照させてじっくり味わいたいと思っています。
2013.4月開講、1年かけて読んでいきます。

松岡先生のお話は何度か講演会で聴いているのですが、シェイクスピアにお詳しいだけでなく、演劇が好きという気持ちが伝わってくる方なので、とても楽しかったです。シェイクスピアは権威だとか、英文学の宝だとか、そんな目線ではなく、物語そのものを堪能しようとする姿勢、あくまで演劇の書き手としてシェイクスピアを評価しようとうする姿勢は、とても刺激的です。
 

Amazon Kindleは色んな意味で進んでいる

 
新Kindle Paperwhite wifi版を予約をしました。すぐにでも欲しかったのと、iPhoneでテザリングできるので3G回線は不要と判断しました。自分は日本のアカウントと米国のアカウントを別管理しています。EpaperのKindleは第4世代しか持っていなかったので、日本のアカウント向けとして購入したのです。

新Kindle Paperwhite は、Smart Lookupで辞書機能が充実して、Vocabulary Builderで調べた語を単語帳に登録して、フラッシュカードで確認できるようになったことで英語学習者にとってもより使い勝手がよくなりそうですね。



1:00 (Smart Lookupの説明)
Smart lookup gives you one touch access to paperweights built-in dictionary, X-ray and Wikipedia, letting you discover not only definitions and character origins but the meeting of the entire phrases and concepts all without leaving your book

1:15 (Vocabulary Builderの説明)
And now words that are looked up in the dictionary are automatically added to Vocabulary Builder creating Flash Cards that let you expand your knowledge and reinforce retention.

この動画の英語はゆっくり目ですし、Youtubeサイトのトランスクリプトはほぼ正確なのでKindle好きは英語学習に活用できそうです。新規についてのアマゾンのサイトでの説明は以下です。

調べものも簡単
NEW―Kindle Paperwhiteの検索機能は辞書とウィキペディアを統合しているので、文字の意味や本の内容などをページから離れることなく調べることができます。

自分だけの単語帳
NEW―辞書で調べた単語を自動的に単語帳に追加。単語帳機能を使って、新しい語彙を確認したり、テストをしたり、用例を見たりできるので、学習にもぴったり。

今回の新Kindle Paperwhiteを調べていく中で、見つけたCMが以下です。リゾートでありがちなナンパものの雰囲気ですが、オチが現代風にアレンジされていました。



That’s a Kindle, right?
Yeah, it’s a new Kindle Paperwhite.
I love to read at the beach. But …
This is perfect at the beach. And with a built-in light, I can read anywhere, anytime.
Done.
With your book?
Nope. I just bought a Kindle Paperwhite. We should celebrate.
My husband is bringing me a drink right now.
So is mine!

最初の動画と比べてこちらのCMの方が聞き取りにくいと感じられた方は会話の基本表現に慣れるように取り組むといいかもしれません。正直に告白すると、男性の英語が少しくせがあるので、We should celebrate.とかSo is mine!とかは、最初We should sell a light.とかSo that’s mine!とか聞こえたので文脈で理解した感じです(汗)

この広告は今年の2月に流されたようで、同性婚を扱ったことが話題になっていました。下記の記事は、CMの描写表現としても参考になります。太陽の光でiPadを読むのが難しい状況をMan on the beach has trouble using an iPad because of the glare.と表していたりして、あのような状況を表現するにはこう表現すればいいのかと気づきがあることでしょう。

New Amazon Kindle ad supports same-sex marriage
February 23, 2013 at 7:33 pm by Taylor Soper

Amazon is out with a new Kindle ad, but the commercial’s most attention-getting message has little to do with the e-reader itself.
Instead, it’s about gay marriage. Here’s what goes down in the 30-second spot:

1. Man on the beach has trouble using an iPad because of the glare.
2. Woman next to him, using a Kindle PaperWhite, lists off all the nice things about her device. “This is perfect at the beach,” she says of the Amazon product.
3. Convinced he needs a Kindle, man buys one using his iPad. He turns, smiles and looks at the woman. “We should celebrate,” he says, apparently ready to make a move on her.
4. Woman responds and rejects his offer: “My husband is bringing me a drink right now.”
5. Man responds: “So is mine.”

ハフィントンポストの記事では、アマゾンCEOのベゾスが同性婚支持に寄付をしていることや、JCペニーやGAPが同性婚を扱ったCMがあったことを合わせて報じてくれています。話題になるからという点を加味したとしても、同性婚は大きな社会的な流れとして確実に定着する方向にいっているんですね。

Amazon Kindle Backs Gay Marriage With New Commercial
The Huffington Post | By Glennisha Morgan
Posted: 02/21/2013 10:23 am EST | Updated: 02/21/2013 10:41 am EST

Amazon Kindle makes no secret of their stance on same-sex marriage in a colorful new ad.
(中略)
It isn't the company's first open support of same-sex marriage. In 2012, Amazon CEO Jeff Bezos announced a $2.5 million donation to the campaign to defend Washington state's marriage equality legislation, the Associated Press reported.

Last year, JCPenney and Gap produced ads that featured gay and lesbian parents. In recent years, other companies such as McDonald’s France and Levi’s have all produced advertisements that are lesbian, gay, bisexual, and transgender (LGBT) friendly as well.

JCペニーは2012年の母の日で同性婚者をイメージさせるカタログを載せていたそうです。

One Million Moms Condemns JCPenney Again For Same-Sex Mother's Day Catalog Photo
Posted: 05/03/2012 10:23 am
 

「ただの紙切れ」に託すこと

 
Pew Researchによる世論調査によると一般のアメリカ人はシリアへの攻撃にそれほど乗り気ではないことが分かります。こういう調査を踏まえて、オバマ大統領は議会の承認を得ることを選んだのかもしれませんね。アメリカには好戦的なイメージがありますが、普通の人々は慎重であることがうかがえますね。

September 3, 2013
Public Opinion Runs Against Syrian Airstrikes
Few See U.S. Military Action Discouraging Chemical Weapons Use


今週の雑誌Natureの社説は、シリア関連の化学兵器禁止条約と福島原発の話題が取り上げられていました。英検受験を考えているような方は、精読の対象にしてもいいかもしれません。

The power of treaties

International weapons conventions may not be perfect, but they are a vital mechanism for making wars less barbaric and less frequent ?a cause that should galvanize scientists and others.




Nuclear error

Japan should bring in international help to study and mitigate the Fukushima crisis.


化学兵器禁止条約(CWC)を取り上げた社説の方を見てみます。この条約に関しては外務省が丁寧なサイトを作ってくれています。日本も締約国のようでほっとしました。

今回の社説は、CWCの意義、成果と課題を取り上げています。話の進め方も含めてとても勉強になります。日本語でもそんなのは「紙切れ」にすぎないと、紛争を前にして条約の無力さを感じることがあります。この社説でもConventional wisdom tends to scorn the value of such ‘pieces of paper’ in real politick.(世間の考えでは、そのような「紙切れ」の価値を現実の政治ではあざける傾向にある)とあり、英語でもまさに‘pieces of paper’ということが分かります。でもこの社説の目的は、そんな紙切れが果たした成果をまず語る事のようです。Yet とかPieces of paper they may beとか、紙切れに過ぎないことを認めつつも、無視できない成果を挙げてきたことをアピールします。

The role of international treaties in restricting the proliferation of nuclear, chemical and biological weapons has not had a good press in recent years. Conventional wisdom tends to scorn the value of such ‘pieces of paper’ in real politick. Critics from both the left and the right heap derision on their selective reach and implementation.

Yet these treaties are crucial to everyone who is interested in making wars less barbaric and less frequent. Pieces of paper they may be, but large powers adhere to their contents with care, as do the smaller ones who crave international respectability.

成果の一例として挙げていたのは締約国は78%の化学兵器を破棄していた事で、2017年には99%の破棄になることが期待されているようです。エッセイでよく言われる、具体的な数字を挙げれば説得力を増すというテクニックですが、確かに説得力の或る数字ですね(苦笑)

The CWC has its origins in the 1925 Geneva Protocol, which held the use of chemical weapons to be illegal. Since it came into effect in 1997, the CWC has been a considerable success, with its secretariat supervising the destruction of some 78% of known chemical-weapons stocks in signatory nations — a figure that is expected to reach 99% by 2017.

次に社説で取り上げているのは、この条約の抱える課題です。3つの課題を簡潔に述べているところはライティングで真似していきたい部分ですね。

Three questions will remain after that milestone is reached: what to do about non-signatories; how to deal with non-state actors; and how to extend the CWC’s progress to the problematic field of biological weapons.

同じくエッセイの書き方で必ず触れられる、締めはこれまでのまとめをすることはこの社説でも実践されています。条約の不完全さ、非力さを認めつつも、うまく活用する事で紛争を減らしていくことができることを訴えています。

International treaties, in the end, will never be entirely fair, or equitable, or implemented consistently. They are nonetheless more impressive than the barrage of platitudes that passes for political discourse on international security — and more true to the cause of peace than a fusillade of cruise missiles. The BWC, CWC and NPT are all imperfect but they are the instruments that we have in our hands. They can each play a part in making war less likely, as well as less ghastly.
 

不意打ちを大事にする

 


1995年のノーベル文学賞受賞者のシェーマス・ヒーニーさんがお亡くなりになったようです。ニューヨークタイムズの追悼記事はMost E-mailedの記事になっているようですね。

Seamus Heaney, Irish Poet of Soil and Strife, Dies at 74
By MARGALIT FOX
Published: August 30, 2013

この記事にリンクが貼ってあった出版社の告知文です。

Seamus Heaney: 1939-2013
We cannot adequately express our profound sorrow at the loss of one of the world's greatest writers. His impact on literary culture is immeasurable. As his publisher we could not have been prouder to publish his work over nearly 50 years. He was nothing short of an inspiration to the company, and his friendship over many years is a great loss.


自分自身はヒーニー氏の詩に特に親しんだわけではないのですが、1997年ごろノーベル賞受賞者の講演会に参加してヒーニー氏さんの講演を聴いた事があります。これは以前のブログでも書いた事ですが、ヒーニー氏さん読んでくださった詩を聴いて、詩の朗読を聴くことの心地よさを初めて体験しました。講演の内容も、どんな詩を読んでくださったのかも今はまったく覚えていないのですが、詩を聴くことがこんなにも心地よいのかという体験の衝撃は今でもしっかりと体で感じています。小説が誕生するまでは、詩や演劇こそが文学の主流であったということは文学史の講義で頭で分かっていたつもりでしたが、そうかこういうことなのかとその時に初めて詩を体で感じる素晴らしさを体験できた気がします。

「不意打ちを大事にする」というタイトルで書かせていただいたのも、思いがけない体験というのも大切にしたいと思ったからです。目標を立てて、それを短期間に達成する事も、有限実行する事も社会人として大切なことは分かっています。でも、思いがけずに、思いもよらなかった良さを実感する瞬間もあるはずなんですよね。ヒーニーさんの詩を聴くまで、音に身をゆだねる素晴らしさを知らなかったのですが、これほどまでの体験になるのかと嬉しくなったものです。英語学習においても、主義を決めて貫くことも大切な事は認めますが、思いがけないきっかけにも受け入れられるような姿勢も同じくらい大事ではないかヒーニーさんの講演から教えてもらった気がします。ミーハーだろうが、金目当てだろうが、何でもいいからいろいろな英語を経験していただきたいと主張させていただくのは、こういうことが経験としてあるからなんですよね。。。

詩は音を体験するものと書いた以上、是非ヒーニーさんの朗読を聴いていただきたいと思います。Diggingはリンク先から、日本語訳の「土を掘る」は『シェイマス・ヒーニー全詩集』から引用させていただきました。



Between my finger and my thumb
The squat pen rests; snug as a gun.
人差し指と親指の間には
ずんぐりしたペンがある 銃のようになじんでいる 窓の下で

Under my window, a clean rasping sound
When the spade sinks into gravelly ground:
My father, digging. I look down
窓の下でカリカリとよく響く音がする
鋤きが小石混じりの土にくい込んでいるのだ
親父が土を掘っている 見下ろしていると

Till his straining rump among the flowerbeds
Bends low, comes up twenty years away
Stooping in rhythm through potato drills
Where he was digging.
花壇のなかで臀に力がこもり
ぐいと下がっては上がってくる
それはジャガイモ畑の畦で親父が土を掘る時のリズム
上体を屈めているあの二十年前の姿だ

The coarse boot nestled on the lug, the shaft
Against the inside knee was levered firmly.
He rooted out tall tops, buried the bright edge deep
To scatter new potatoes that we picked,
Loving their cool hardness in our hands.
ごわごわした長靴を鋤の耳にのせて
膝の内側に柄をぎゅっと当て てこにしていた
よく伸びた茎を引き抜き キラキラと光る刃を深く埋め込んで
新ジャガを辺りに掘りだした 僕らはそれを拾い上げては
その冷たい固さを両掌で愛でた

By God, the old man could handle a spade.
Just like his old man.
さすが 親父は鋤の使い手だ
親父の親父もそうだった

My grandfather cut more turf in a day
Than any other man on Toner’s bog.
Once I carried him milk in a bottle
Corked sloppily with paper. He straightened up
To drink it, then fell to right away
Nicking and slicing neatly, heaving sods
Over his shoulder, going down and down
For the good turf. Digging.
トーナーの沼地で 祖父さんは一日で
誰よりも多く泥炭土を切り取った
ある時僕は紙で無造作に栓をした牛乳壜を祖父さんに届けた
祖父さんは腰を伸ばしてそれを飲み
すぐに仕事に戻り
きちんと土に切れ目を入れ 切り取っては
芝土を肩越しに放り投げ 良質の泥炭土を求めて
どんどんと掘り下げた 土を掘る

The cold smell of potato mould, the squelch and slap
Of soggy peat, the curt cuts of an edge
Through living roots awaken in my head.
But I’ve no spade to follow men like them.
ジャガイモ畑の表土の冷たい匂い 湿った泥炭のぐにゃぐにゃで
びしゃっとした感触 生きている根を
そっけなく切った鋤の刃の切り口が僕の頭に甦る
だが僕の手にはこうした人の後をつぐ鋤はない

Between my finger and my thumb
The squat pen rests.
I’ll dig with it.
人差し指と親指の間には
ずんぐりしたペンがある
僕はこれで掘るのだ

以下の動画は、1995年のノーベル賞受賞講演です。



トランスクリプト


 

(続)Conviction, Creativity, Courage

 
With conviction, creativity and courage, you can accomplish anything.なんて言葉はかっこいいです。



Electricity is added to a guitar. And rock’n roll is born.
One piece swimsuit is cut into two. And beaches are never the same.
Conviction, creativity courage. This is the Mazda way.
The Mazda 6 with SKYACTIV TECHNOLOGY delivers the best-in-class HWY MPG in uncompromising performance. This is a modern sport sedan, Mazda Six. What do you drive?

Electricity is added toなんて部分も音にするとすっと入ってこなかった方がいらっしゃるかもしれません。聞き取りも慣れが大事なんでしょうね。

2分版のCMもかっこよかったのであわせてご紹介します。

(補足訂正)DIOさんのご指摘に従い訂正させていただきました。赤字が訂正部分です。DIOさんありがとうございました。



“The most certain way to succeed
is to try one more time. “
Thomas A. Edison
Inventor of over 1,000 Patents

“By doing something radically different,
I was able to jump higher.”
Dick Fosbury
Record Breaking High Jumper

“If I scare myself once a day,
I’m a better person.”
Laird Hamilton
Pioneering of Tow-in Surfing
What does it take to change the game? Behind every person who’s done it is the same powerful formula: conviction, creativity and courage.

It’s how Thomas Edison defied the nay-sayers and lit up the world with the invention of the light bulb

It’s how Dick Fosbury took high jumping to record levels with daring back-first approach.

It’s how Laird Hamilton pioneered a way to catch the ocean’s biggest and scariest waves, risking everything to realize his dream.

Conviction, creativity and courage. It’s how you accomplish what others say can’t be done.

It’s how tenacious a car company named Mazda defeated the giants like Mercedes, Porsche and Jaguar at the 24 hours Le Man. With a rotary engine so durable it was banned from the series forever.

It’s how when everyone else has given up on the roadster, Mazda’s creative mind dreamed up Miata, the best selling roadster of all time.

And now where everyone else is charging premiums for hybrids, Mazda has invented Skyactiv Technology which rivals hybrids and that everyone can use today.

Conviction, creativity, courage
It can change the game. And sometimes it can even change the world.
 

前夜

 


President Obama's Decision on Syria
Caitlin Hayden
August 31, 2013
03:56 PM EDT

Just now, President Obama laid out the case for a targeted military action against Syrian regime targets as a result of their use of chemical weapons that killed over one thousand people--including hundreds of children. The President also made clear that this would not be an open-ended intervention, and there will be no American troops on the ground.

While the President was clear on the need for action, he announced he would seek Congressional authorization for the use of force.

いよいよ軍事介入の現実味が帯びてきたようで、今週のEconomistも大きく特集しています。化学兵器の使用を地下鉄サリン事件と結びつけて語られると、日本人としては軍事介入やむなしという気持ちになってしまいます。。。

それに、個人的にはコソボ紛争を描いたアンジェリーナジョリーの監督作『最愛の大地』を見たばかりなので、一層軍事介入によって紛争を少しでも早く終わらせてほしいと願ってしまいます。(映画の方は、国際政治に興味のある方以外はオススメできるものではありません。。。冗長、散漫な映画というのが正直な感想です)

雑誌フォーリンアフェアーズの発行団体であるCFRによる国際法からみたシリアへの軍事介入の問題点です。Yutaのざっくり訳もつけておきました。



The United States and some allies are considering military strikes against Syrian government targets in response to that government's large-scale use of chemical weapons in its civil war.
(米国と同盟国の数カ国は、シリア政府を攻撃目標とした軍事攻撃を検討中です。これは内戦中のシリア政府が化学兵器を大規模に使用していることを受けてのものです)

Even if the United States and some willing coalition partners are satisfied themselves that military force is justified, they will face tough questions about the legality of these armed strikes. Here are three things to know about international law in this context.
(米国と協力的な同盟国が軍事介入を正当化できると自らは考えていたとしても、軍事攻撃の適法性について難しい問題に直面することになります。今回の文脈での国際法について知っておきた3つのことをお話しします)

First, the only legal grounds for using significant military force that are clear and universally agreed upon are a UN Security Council Resolution authorizing force or self-defense against an armed attack.
(第一に、大規模な軍事力を行使する上で明確で一般に合意されている法的根拠は、軍事介入を容認する国連安保理決議か、軍事攻撃に対する自衛です)

In this case, though, there's no realistic chance for a Security Council approval to use force, because Russia and perhaps China would block that. And, there's no strong legal argument that the United States or its allies are defending themselves, at least not in a traditional sense. Although they may try to construct an argument that chemical weapons pose a regional or global threat, they're really defending the Syrian people in an internal civil war.
(今回のケースでは、武力行使について安保理の承認を得られる現実的な可能性はありません。ロシアそしておそらく中国が阻止するでしょうから。また、米国や同盟国の自衛のためというものも、少なくとも伝統的な意味ではしっかりとした法的根拠はありません。化学兵器が地域の脅威、世界の脅威になるという議論を展開するかもしれませんが、実際に守ろうとしているのは内戦におけるシリア国民です)

Second, the fact that chemical weapons and their use are outlawed under international law will likely feature heavily in the public justification for any strike against Syria, but there isn't strong precedent -- at least not yet -- for the notion that military intervention is an appropriate response to violations of those bans. The United States and its allies want to reinforce the strong taboo against using chemical weapons, but they'd really be stretching existing law to do so this way.
(第二に、国際法で禁止されている化学兵器とその使用がシリアへの軍事介入をする一般の人々への正当化において大きく取り上げられています。しかし、これについての明確な前例が少なくとも今のところないのです。軍事介入が禁止化学兵器の違反に対する適切な対応方法だとまだ考えられていないのです。米国と同盟国は化学兵器の使用を絶対的な禁止事項にしようとしていますが、現行法を拡大解釈しないとそのようなことはできません)

The third point, however, is that even without a clear and widely-accepted legal justification, the United States and its allies could argue that their intervention is nevertheless legitimate and justified under the circumstances, especially as necessary to avert a humanitarian catastrophe. As the Kosovo example showed in 1999, many states and international actors are willing to accept military intervention as necessary, in certain narrow contexts, to deal with certain emergency situations when other diplomatic options have been exhausted. Depending on how persuasive such arguments are to the international community, and how successful any military action is, such actions that lack clear legal basis in past interpretation could contribute ultimately to some evolution in the international law regulating military intervention.
(第三は、明確で、広く容認された法的正当化がなくても、米国と同盟国は状況によっては軍事介入を妥当なものとして正当化できる場合があります。特に人道的な惨事を避けるために必要なものとするのです。1999年のコソボの例が示しているように、多くの国や国際機関は、一定の限定的な状況では必要な者として軍事介入を認めています。これは、他の外交手段がなくなった場合に喫緊の情勢に対処するためです。このような議論がどれだけ説得力をもって国際社会に訴えかけるか、また、どれだけ軍事介入が成功を収めるのかによって、これまでの解釈では明確な法的根拠がない場合の武力行使が軍事介入を制限する国際法の展開に最終的な影響を及ぼすことができるのでしょう)


平和主義とは何か - 政治哲学で考える戦争と平和 (中公新書)平和主義とは何か - 政治哲学で考える戦争と平和 (中公新書)
(2013/03/22)
松元 雅和

商品詳細を見る

in 1999, many states and international actors are willing to accept military intervention as necessary, in certain narrow contexts, to deal with certain emergency situations when other diplomatic options have been exhausted.の部分ですが、上記の本に書いてありました。「コソポに関する独立国際委員会」が出したKosovo Reportに以下のような内容が書いてあったようです。

(ウィキペディア)
The assessment of the Commission regarding the NATO bombing of Yugoslavia was that it was illegal because it was not authorized by the UN Security Council, but it was still a legitimate action because diplomatic alternatives had been exhausted.


この本は国連英検受験を考えている人にオススメできる本です。緻密で細かい議論が扱われている感じを受けるかもしれませんが、それは何よりも以下のような思いに貫かれていることを知れば、また違った印象を抱くのではないでしょうか。

人道的危機についての話を見聞きして、身震いを覚えない人はいないだろう。その物語はあまりにも残酷で、私たちの良心の痛みを強く刺激する。人道介入主義が私たちにとってかくも説得的なのは、それが私たちの直感に訴えかけるからだ。しかし問題は、「人道的」介入がはたして論理と実態を伴ったものであるかどうかーあるいは、それが形容詞抜きのただの「介入」になっていないかどうかーという点である。人道的危機を深く憂慮する私たちは、そうであるからこそ人道介入主義の言い分を尊重するとともに、厳しく精査しなければならない。

カントの『永遠平和のために』と一緒にもう一度読み直してみようと思います。
 

Conviction. Creativity. Courage

 
DIOさんのリクエストを受けて米国MazdaのCMです。短いものなので、興味のある方はまず聞き取ってみてください。Yutaの書き取りは後ほど。



Conviction. Creativity. Courageと頭韻でリズムをとっているのは広告らしい努力ですねよ。Mazdaの雑誌広告でBre Pettisさんが登場していたので以前から気になっていたCMでした。



クリスアンダーソンの著書Makersや雑誌Wiredでも大きく取り上げられていた、Bre Pettisさんの会社MakerBotって最近買収されたばかりだったのですね。

消費者向け3DプリンタのMakerBotを工業用3DPの雄Stratasysが買収
2013年6月20日


今日(米国時間6/19)、本誌が前に報じたように、工業用3Dプリンタの大手Stratasysが、消費者向け3DプリンタのリーダーMakerBotを買収したと発表した。買収価額の4億300万ドルは、現在の株価に基づいてStratasysの株で支払われる。これにより、業務用3Dプリントのリーダーとデスクトップ3Dプリントの新進リーダーが結婚するわけだが、両社はプレスリリースで、これにより、あらゆる分野における3Dプリントの採用が加速される、と述べている。

買収の条件として、MakerBotの企業としての独立性は維持される。すなわち今回の買収は、いわゆる持ち株交換方式らしい。M社はS社の子会社として消費者/デスクトップ市場をターゲットとし、S社はこれまでと同じく業務用分野を対象とする。

先月には買収が完了したというプレスリリースが出ていました。

August 15, 2013
Stratasys and MakerBot Complete Merger

Merger enhances Stratasys' leadership position in 3D printing and additive manufacturing and enables the company to offer world's most popular desktop 3D printer.

MINNEAPOLIS & REHOVOT, Israel--(BUSINESS WIRE)-- Stratasys, Ltd. (NASDAQ: SSYS), the leader in professional 3D printing, and MakerBot, the leader in desktop 3D printing, today announced the completion of their merger first announced on June 19th.

Stratasys is a pioneer in 3D printing for prototyping and production, and for more than 25 years has enabled designers and engineers to bring their ideas to life. MakerBot, founded in 2009, helped develop the desktop 3D printing market and has built the largest installed base of 3D printers in the category by making 3D printers highly accessible. MakerBot has sold more than 22,000 3D printers since 2009.

"Stratasys and MakerBot share a vision about the potential for 3D printing to transform design and manufacturing," said David Reis, Stratasys CEO. "Our goal now is to maximize the benefits this merger creates for our shareholders, our customers and our employees."

Bre Pettis, CEO of MakerBot added, "We are excited for the future - full speed ahead!"
 

アメリカ黒人の呼称について

 
iPadのTIMEアプリでは大きな回顧イベントがあると当時のTIMEを配信してくれます。今回はワシントン大行進50周年にちなんで1963年のキング牧師がMan of the Yearに選ばれた号が配信されていました。

早速読み始めて見たのですが、冒頭の編集長からのあいさつでいきない気になる部分がでてきました。

A Letter From The Publisher: Jan. 3, 1964
Friday, Jan. 03, 1964

TIME's Man of the Year has usually been as singular as the first one—1927's Charles A. Lindbergh. But there have been groups as well (the 15 top U.S. scientists in 1960), and anonymous symbols (the Hungarian Freedom Fighter and Korea's G.I. Joe). There have been Presidents (every President since F.D.R., who himself set a record as Man of the Year three times), allies (Churchill, Adenauer, De Gaulle), enemies (Hitler), villains (Stalin). There have been women too (Wallis Simpson, Queen Elizabeth). But there has never, until this year, been a Negro.

Martin Luther King Jr. has made it as a man—but also as the representative of his people, for whom 1963 was perhaps the most important year in their history. Their emergence has manifested itself in many ways: in passive resistance, in angry demands, in patient example, in significant achievement. No longer does performance in sport or music circumscribe Negro accomplishments, and in an accompanying eight-page portfolio, TIME looks at some unsung Negro successes in American life.

キング牧師が黒人として初めてMan of the Yearに選ばれたようですが、その説明がBut there has never, until this year, been a Negro.とありました。Negroが蔑称と学んできた者としては、時代変遷によって変わったという知識はあっても実感として違和感を感じてしまいました。

(オックスフォード)
Negro
(old-fashioned, often offensive)
a member of a race of people with dark skin who originally came from Africa

(ロングマン)
Negro
old-fashioned
a word for a black person, usually considered offensive

TIMEのサイトで1963年のこの号の特集の記事でNegroを引いてみると56件ありました。ちなみに先週の50周年記念号ではNegroはまったくといっていいほど使われていませんでした。

Friday, Jan. 03, 1964
America's Gandhi: Rev. Martin Luther King Jr.

The jetliner left Atlanta and raced through the night toward Los Angeles. From his window seat, the black man gazed down at the shadowed outlines of the Appalachians, then leaned back against a white pillow. In the dimmed cabin light, his dark, impassive face seemed enlivened only by his big, shiny, compelling eyes. Suddenly, the plane shuddered in a pocket of severe turbulence. The Rev. Martin Luther King Jr. turned a wisp of a smile to his companion and said: "I guess that's Birmingham down below."

It was, and the reminder of Vulcan's city set King to talking quietly of the events of 1963. "In 1963," he said, "there arose a great Negro disappointment and disillusionment and discontent. It was the year of Birmingham, when the civil rights issue was impressed on the nation in a way that nothing else before had been able to do. It was the most decisive year in the Negro's fight for equality. Never before had there been such a coalition of conscience on this issue."

Symbol of Revolution. In 1963, the centennial of the Emancipation Proclamation, that coalition of conscience ineradicably changed the course of U.S. life. Nineteen million Negro citizens forced the nation to take stock of itself—in the Congress as in the corporation, in factory and field and pulpit and playground, in kitchen and classroom. The U.S. Negro, shedding the thousand fears that have encumbered his generations, made 1963 the year of his outcry for equality, of massive demonstrations, of sit-ins and speeches and street fighting, of soul searching in the suburbs and psalm singing in the jail cells.

蔑称をあえて何度も使うということは考えられないので、当時はそのようなニュアンスはなかったということなんでしょう。藤本規夫先生が書かれた『アメリカ黒人の呼称について』にその変遷が詳しく書かれていますが、大きな流れが分かる部分を一部抜粋させていただきます。

Negro.jpg

Negroという名の変遷についてはWikipediaも分かりやすくまとめてくれていました。

(ウィキペディア)
The word “Negro” is used in the English-speaking world to refer to a person of black ancestry or appearance. The word negro denotes 'black' in the Spanish and Portuguese, derived from the ancient Latin word, niger, 'black', which itself ultimately is probably from a Proto-Indo-European root *nekw-, 'to be dark', akin to *nokw- 'night'.[1][2]

"Negro" superseded "colored" as the most polite terminology, at a time when "black" was more offensive.[3] This usage was accepted as normal, even by people classified as Negroes, until the later Civil Rights movement in the late 1960s. One well-known example is the identification by Martin Luther King, Jr. of his own race as 'Negro' in his famous 1963 speech I Have a Dream.

During the American Civil Rights movement of the 1950s and 1960s, some black American leaders in the United States, notably Malcolm X, objected to the word "Negro" because they associated the word Negro with the long history of slavery, segregation, and discrimination that treated African Americans as second class citizens, or worse.[4] (Malcolm X preferred "Black" to "Negro", but also started using the term "Afro-American" after leaving the Nation of Islam.)[5]

Since the late 1960s, various other terms have been more widespread in popular usage. These include "black", "Black African", "Afro-American" (in use from the late 1960s to 1990) and "African American" (used in the United States to refer to black Americans, peoples often referred to in the past as American Negroes).[6]
The term "Negro" is still used in some historical contexts, such as in the name of the United Negro College Fund[7][8] and the Negro league in sports.
The United States Census Bureau announced that "Negro" would be included on the 2010 United States Census, alongside "Black" and "African-American" because some older black Americans still self-identify with the term.


この一語の使われ方の変遷を考えるだけでも、紆余曲折があっての今があるということが想像できますね。
プロフィール

Yuta

Author:Yuta
FC2ブログへようこそ!




最新トラックバック



FC2カウンター

検索フォーム



ブロとも申請フォーム

QRコード
QR