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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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聞き取りの精度を支えるもの

 
ちょうど以下の本を読み終わったところです。クオモ州知事の対応を中心に書いてある本でした。

瀬能 繁
■世界最大の震源地でリーダーシップを発揮し、賞賛を集めたアンドリュー・クオモ州知事を主人公に、コロナ渦に見舞われ、復活を遂げようとしているニューヨークを描く。クオモ州知事については、その英雄的な行動や記者会見が全米の注目を集め、大きな感動を呼んだことは知られている。本書では111日間に何が起きていたか、現地の目線で回顧する。

取材に出ることができなかったと後書きで書いてあるので仕方がない部分もありますが、ニューヨーク市民の当時の状況をもっと知りたかったです。クオモの会見は日本でもニュースになっていましたから。

各章の最初にクオモ州知事の章の内容を示すコメントが英語と日本語であるのですが、ちょっと気になったのが以下のところ。

Don't fall subject to a motion and politics.
Stay with the science and the data.
感情や政治ではなく、科学やデータに寄り添う。

Don't fall subject to a motion and politicsが正しいとするとa motionで「動議」ですよね。後ろにpoliticsが続いているので、政治的な思惑に惑わされることのないように釘を刺しているのでしょうか。

So reopening, yes. But it still means we have to be smart. What does smart mean? It means following the CDC guidelines to begin with. Follow the data. Follow the science. We said that from day one. Don't fall subject to a motion and politics. Stay with the science and the data. Listen to Dr. Fauci. Even this morning he said if you don't follow the CDC guidelines you run a real risk of triggering an outbreak that can get out of control.

ただ「感情や政治」と日本語の方が正しいとするとemotion出ないとおかしいです。そちらの方で解釈した英文記事もあります。上のサイトはソフトウエアで作成したのでしょうかね。

“We’re reopening, yes, but you have to be smart,” Cuomo said Tuesday afternoon during a pandemic briefing at SUNY Binghamton School of Pharmacy and Pharmaceutical Sciences. “Don’t fall subject to emotion and politics. Stay with the science and data. If you don’t, you run a real risk that can trigger an outbreak that is out of control.”

a motionかemotionか、次の動画で確認してみましょう。40秒あたりからlet’s keep (a motion?? or emotion??) and politics out of this.となっています。意味を抜きに音声だけ聞くとどちらとも言えそうな感じもします。



let’s keep emotion and politics out of this.とした英国Independentの記事はこちら。トランプとやり合っているところです。

Cuomo roasts Trump over coronavirus response in fiery press conference: ‘He should go to work’
‘I’m saying thank you for doing your job,’ Governor Andrew Cuomo says against Trump. ‘This was your role as president’
Danielle Zoellner Friday 17 April 2020 18:57

Criticism from Mr Cuomo on Friday sparked a series of angry tweets from the president.

“Governor Cuomo should spend more time ‘doing’ and less time ‘complaining’. Get out there and get the job done. Stop talking! We built you thousands of hospital beds that you didn’t need or use, gave large numbers of Ventilators that you should have had, and helped you with ... testing that you should be doing,” Mr Trump wrote. “We have given New York far more money, help and equipment than any other state, by far, & these great men & women who did the job never hear you say thanks. Your numbers are not good. Less talk and more action!”

The tweets during Mr Cuomo’s press briefing encouraged the governor to express exactly what he thought of the federal response.

“First of all, If he’s sitting home watching TV, maybe he should get up and go to work, right,” he said. “Second, let’s keep emotion and politics out of this. And personal ego, if we can. Because this is about the people and it’s about our job.”

こちらはlet’s keep a motion and politics out of this.となっています。こちらは記事というより、やりとりのスクリプトを載せているだけなのでソフトウェアで書き取ったものをそのまま使った可能性があります。

First of all, if he’s sitting home watching TV, maybe he should get up and go to work, right? Second, let’s keep a motion and politics out of this and personal ego, if we can, because this is about the people and it’s about our job. Let’s try to focus on that.

知事の公式サイトでDon't fall subject to a motion and politicsとあったので日経の本もそれに従ったのかもしれません。でも記者が書いたような記事ではいずれもemotionとなっていますから、文脈などを考えてから文字に起こしたいですね。
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仲間の大切さ

 
英語学習ではどうしてもEconomistやNew Yorkerを読むのは当たり前みたいな暑苦しい主張をしてしまうので単独行動みたいになっているYutaですが、最近ランニングをして実感したのは、仲間、サポートの大切さでした。一人でスピード練習するとどうしても途中で心折れることが多かったのですが、インターバル練習というのを先月あたり初めて参加させてもらって、ペーサーに引っ張ってもらうことがどんなに楽なのか身をもって知りました。一人だと到底やり切ることができない練習も皆でやるとやり遂げることができて、そのありがたみを知りました。これまではマラソン中継とかでペーサーの存在は知ってましたが、その存在価値を理解できていなかったんですよね。



0:38秒あたり
「同じ積水化学の佐藤早也伽ちゃんが、今日は私のために“最初の2000mリズムを作ります”と快く引き受けてくれたので、彼女のおかげです。早也伽ちゃんの引っ張りを無駄にしたくない想いで、良いリズムで走ることができました。一番に感謝を言いたいです」

そんな、仲間、サポートの大切さ素晴らしさを実感できる記事がありました。

12/10(木) 16:33配信
大会後、新谷仁美と積水化学女子陸上競技部のSNSは、「感動しました!」「衝撃のレースでした」「勇気をもらえた」など称賛の声で埋め尽くされた。12月4日に行われた日本陸上競技選手権大会・長距離種目・女子10000m。18年ぶりとなる日本新記録で優勝し、東京五輪内定を手にした新谷。偉大な記録ずくめとなった彼女の2020年を締めくくるにふさわしいこの結果は、「私はメンタルが弱いので」と公言する彼女を支える“心強い存在”がいてこそ手にしたものだった。
(文=守本和宏、写真=ナノ・アソシエーション)

ちょっと長い引用になってしまいますが、是非ともこの記事全文をリンク先から最初から読んでいただきたいです。丁寧に取材されて、「どん底から奇跡のカンバック」みたいな予定調和の安易な作りになっていないのがいいです。

日本選手権は、日本ナンバーワンを決めるレース。参加標準記録を突破した国内トップクラスが集う場であり、多くの選手はこのレースで1位を取るため、1年間のトレーニングを行う。その場で新谷のような有力選手のペースメーカーを務めるのは、自分のリズムと違うペースで走るということ。序盤に実力以上のハイペースで飛ばせば、後半に失速し、大きく順位を落とす可能性も高い。

つまり、新谷のために佐藤が“引く”のは、少し大げさに表現すれば、決して長くはない陸上選手としての一年の努力、燃やした命を、新谷が受け取るということだ。決して簡単に頼めるものではないし、彼女への信頼がなければ新谷も頼まなかっただろう。ましてや、佐藤自身が「喜んでやらせていただきます」と快諾した、その選択自体が偉大な献身である。ここまで新谷と横田コーチ、そして積水化学のチームが育んできた信頼によって、結ばれた約束にほかならない。

そして何より、佐藤本人は決して捨てゴマにならなかった。佐藤は最終的に3位でフィニッシュ。自身の持つベスト記録を約30秒縮める、31分30秒19をマークした。リスクを乗り越え、大きく自分の力を伸ばした佐藤。「あのペースで自己記録更新ですからね、彼女まだまだ伸びますよ」と横田コーチが立ち話で話したように、彼女もまた東京五輪代表候補の一人に浮上した。

結果的に、佐藤が新谷を、新谷が佐藤を、引き上げたのである。

新谷仁美が手にした本当の力
勘違いしてはいけない。おそらく、新谷仁美は2000mまでの佐藤のリードがなかったとしても、日本記録を更新していただろう。新谷が手にした本当の力。それは、佐藤の“気持ち”だった。新谷はレース後に語っている。

「彼女がイーブンペース(同じペース)で引っ張ってくれたおかげで、後半も大きくペースを落とすことなく、日本記録を出すことができました。どんなタイムでも良かったんです。彼女の引っ張るという気持ち・心意気が、私にとって救いになりました」

一度目の現役引退当初について、「極端な話、周り全部が敵と思っていた」「社会人になってから陸上が楽しくなくなり、人間の嫌なところ・ネガティブなところしか見ない人間になった」「自分が心を開かなかったから、信頼できる人もおらず、自分の味方と思える人がいなかった」と新谷は話している。それから、たった数年。新谷の周囲を取り巻く環境は、横田コーチなどとの出会いを通して、劇的に変わったのだ。

レース後の一連のインタビューで、彼女が最も温かい笑顔を浮かべた瞬間があった。「2大会ぶりのオリンピックで、以前の自分とここは違うと言えるのはどこか」と聞かれた瞬間である。

彼女はこう答えた。
「強い味方ができたことが、一番の要因かなと思います」

ちょうどいいタイミングで、励ましの力を感じられる動画が上がっていました。最近ランニング関連の動画ばっかり見ています(苦笑)



英語学習でもやはり一緒に取り組んでいる仲間がいると頑張れるんでしょうね。
 

固有名詞こそ学んでいこう

 
日本人だと「関ヶ原の戦い」と言われれば、比喩的に使われたとしても重要な局面を指しているとすぐに理解しますよね。このブログでは何度も書いていますが、こういう知識って山ほどあるんですよね。「資格試験は役立つ」なんていつまでもいっていないで、学ぶ領域を広げていかないといつまで経ってもニュアンスが読み取れないレベルで止まってしまいます。ブログで見かけるようになったTOEIC学習の人たちももうすぐ10年経つんですよね。。。

まあそんなことを書きたくなったのは、大統領選挙前の以下の記事を見たから。Gettysburg momentというタイトルがピンと来なくても、記事冒頭で説明してくれているので意味は後で取れるようになります。でもタイトルで使われているってことは、すぐに意味を読み取ってくれることを期待しているってことですよね。

The toxic Trump era is unfortunately not an aberration and is all too well rooted in American history
Patrick Cockburn Friday 30 October 2020 18:21

Pundits and polls are at one in predicting a victory for Joe Biden over Donald Trump in the presidential election, portraying the vote as a non-military rerun of the Battle of Gettysburg in 1863, when the north defeated the south in what is regarded as a turning point in the civil war. The violence will be less this time round, but the hatred between the antagonists is at a similar level.

A comparison with the civil war is appropriate because the confrontation between Trump and Biden echoes the armed conflict a century and a half earlier. White America had broken up into two nations then and, to a significant degree, it is two nations now. Trump’s core support is in the south and rural areas; Biden’s is in the north and metropolitan cities.

*****

It was a strange alliance of billionaires and the left-behind that propelled Trump into the White House in 2016, and it would be good to believe that it will face its Gettysburg moment on Tuesday. Battered by almost four years of Trump’s megalomaniac rule, a majority of Americans from Black Lives Matter supporters to long-standing members of the establishment cannot wait for this to happen. Conservative columnist George Will wrote confidently this week that we were seeing the moment when “the Donald Trump parenthesis in American history closes”, while the Republican Party that enabled his rise was facing a political massacre.

日本だとリンカーンの演説だけが飛び抜けて有名ですが、南北戦争の激戦地でturning pointとされることが多いとWikipediaではいっています。そうするとどこまでニュアンス的に近いのかはわかりませんが「関ヶ原の戦い」的なものとみなせそうです。

(Wikipedia)
The Battle of Gettysburg (locally /ˈɡɛtɪsbɜːrɡ/ (About this soundlisten))[11] was fought July 1–3, 1863, in and around the town of Gettysburg, Pennsylvania, by Union and Confederate forces during the American Civil War. The battle involved the largest number of casualties of the entire war and is often described as the war's turning point.[12][13] Union Maj. Gen. George Meade's Army of the Potomac defeated attacks by Confederate Gen. Robert E. Lee's Army of Northern Virginia, halting Lee's invasion of the North.

このブログを読んでくださっている方は、Yutaの立場が背景知識派であることはお分かりでしょうが、やはり圧倒的な知識不足で英文が読めないことが大きいと思うんです。TOEFL120だって知識量で言えば大学入学レベルなんでしょうから本当にたかが知れています。

導入部として1ヶ月遅れのネタを使ったのは、今日「レディマクベス」という映画をみて、上記のネタを思い出したからです。シェイクスピアの戯曲マクベスのマクベス夫人と聞いて人物像が浮かべば、この映画で描こうとしているものを想像できます。



Rural England, 1865. Katherine (Florence Pugh) is stifled by her loveless marriage to a bitter man twice her age, and his cold, unforgiving family. When she embarks on a passionate affair with a young worker on her husband’s estate, a force is unleashed inside her so powerful that she will stop at nothing to get what she wants.

Wikipediaで調べられるようになった今も大辞典の的を得た簡潔な説明はありがたいです。こういう映画の場合リーダーズのような解説があるとイメージしやすいです。

リーダーズ英和辞典 第3版
Lády Macbéth
マクベス夫人⦅Shakespeare, Macbeth の女性主人公;気弱な夫を容赦なく引っ張る女の典型⦆.

研究社新英和大辞典 第6版
Macbeth, Lady
 n. マクベス夫人《Shakespeare の悲劇 Macbeth (1606) の主人公 Macbeth の妻; 夫をそそのかしてスコットランド王 Duncan を殺害させる》.

(オックスフォード)
Macbeth
a play (1606) by William Shakespeare telling the story of Macbeth, a figure from Scottish history. At the start he meets three witches (= women with magic powers) who predict that he will one day become king. Lady Macbeth, Macbeth’s ambitious wife, encourages him to murder the existing king, Duncan. He does so and takes Duncan’s place, but finds he has to murder several more people to remain in power. Lady Macbeth loses her mind, imagining that her hands are covered with blood that cannot be washed off, and kills herself. Finally Macbeth is also killed. The play is one of Shakespeare’s most popular works, and contains many famous lines. Actors traditionally consider it an unlucky play, and avoid mentioning it by name, calling it instead ’the Scottish play’. 

(Wikipedia)
Lady Macbeth is a leading character in William Shakespeare's tragedy Macbeth (c.1603–1607). The wife of the play's tragic hero, Macbeth (a Scottish nobleman), Lady Macbeth goads her husband into committing regicide, after which she becomes queen of Scotland. She dies off-stage in the last act, an apparent suicide.

Lady Macbeth is a powerful presence in the play, most notably in the first two acts. Following the murder of King Duncan, however, her role in the plot diminishes. She becomes an uninvolved spectator to Macbeth's plotting and a nervous hostess at a banquet dominated by her husband's hallucinations. Her sleepwalking scene in the fifth act is a turning point in the play, and her line "Out, damned spot!" has become a phrase familiar to many speakers of the English language. The report of her death late in the fifth act provides the inspiration for Macbeth's "Tomorrow and tomorrow and tomorrow" speech.



マクベスの演劇について過去に取り上げた時のこちらの予告編はマクベス夫人らしさが出たセリフを選んでいます。



(1幕5場)
Come, you spirits
That tend on mortal thoughts, unsex me here,
And fill me from the crown to the toe top-full
Of direst cruelty.

(No Fear Shakespeare)
Come, you spirits that assist murderous thoughts, make me less like a woman and more like a man, and fill me from head to toe with deadly cruelty!

(松岡和子さん訳)
さあ、殺意に仕える悪霊たち、
いますぐ私を女でなくし、
頭のてっぺんから爪先まで
どす黒い残忍さでいっぱいにして!

こういう有名どころは絵画とかでも有名な作品がありますよね。ルーブル美術館にあるFussliの作品。



Yutaは知りませんでしたが、Ellen Terryというビクトリア時代の女優の絵も有名みたいです。



Wikipediaで以下のようにあります。

The report of her death late in the fifth act provides the inspiration for Macbeth's "Tomorrow and tomorrow and tomorrow" speech.

マクベス夫人が亡くなったという知らせを聞いて、あの有名なTomorrowスピーチが登場するわけです。興味ある方は過去のリンクをどうぞ。



New York Timesの今年の10冊にシェイクスピア関連が小説とノンフィクションで各一冊選ばれました。シェイクスピア関連の知識は仕入れておきたいものです。


 

Proclamation

 


トランプのウクライナ疑惑で「見返り」が問題視された時に盛んに使われていたquid pro quoという言葉ですが、今回も登場していました。目先のディールのための今回の承認はThe president made no effort to hide the artlessness of the dealと手厳しく非難しています。トランプって後先考える人ではないので彼にとっては知ったことじゃないんでしょう。

Like so many of Trump’s foreign-policy decisions, the U.S. loses much more than it gains from the bargain.
By Bobby Ghosh December 11, 2020, 9:45 AM EST

Even by the standards of the Trump administration, the trilateral arrangement between the U.S., Israel and Morocco over the disputed Western Sahara was a crude quid pro quo. The president made no effort to hide the artlessness of the deal when he declared on Thursday that the U.S. would recognize Morocco’s long-contested claim to the minerals-rich region.

承認を発表した文書がホワイトハウスの公式サイトで発表されていましたが、Proclamationという大統領令なんですね。

 FOREIGN POLICY  Issued on: December 10, 2020

大統領令には行政命令(executive order)、大統領覚書(presidential memorandum)と布告(proclamation)の3種類があると丁寧に説明してくれている文書はこちら。


3種の大統領令 
大統領は、法が誠実に執行されることに責任を持つ。ただし、大統領が議会の意図通りに、いわば機械的に法律を執行することにはならない。議会が法案を審議し、大統領に送付するとき、法執行の方法が具体的に定められているとは限らない。例えば、専門的な事柄に ついては、議会で条文を詰めずに、行政組織が判断できるようにすることがある。あるいは、 議会内で議論がまとまらないときには、多数派形成のために、条文を曖昧にすることもある。議会は意図的、あるいは結果的に、行政に裁量を与えるのである。

この裁量の範囲内で法律が執行されるよう、大統領は行政組織を監督する。大統領自身が、 具体的な執行方法を行政官に命じることもある。この命令を「大統領令」と言う。大統領 の命令は、基本的に行政組織に向けて発令されるものであり、アメリカ市民の権利や義務 を変更するものではない(それには立法が必要となる)。大統領令には、行政命令(executive order)、大統領覚書(presidential memorandum)と布告(proclamation)がある。

******

布告は大統領がアメリカ市民に向けたメッセージで、多くは儀礼的なものである。ただし、 憲法もしくは制定法が許す場合には、大統領は市民に実質的な影響を与える。最も有名な 布告は、エイブラハム・リンカーン(Abraham Lincoln)大統領による「奴隷解放宣言」で ある。これは、最高司令官としての地位を根拠に発令された。

奴隷解放宣言はこちら。重要文書がすぐに確認できるインターネットは本当に助かります。

1863

"By the President of the United States of America:

A PROCLAMATION

Whereas on the 22nd day of September, A.D. 1862, a proclamation was issued by the President of the United States, containing, among other things, the following, to wit:

"That on the 1st day of January, A.D. 1863, all persons held as slaves within any State or designated part of a State the people whereof shall then be in rebellion against the United States shall be then, thenceforward, and forever free; and the executive government of the United States, including the military and naval authority thereof, will recognize and maintain the freedom of such persons and will do no act or acts to repress such persons, or any of them, in any efforts they may make for their actual freedom.


奴隷解放宣言

アメリカ合衆国大統領による

布告

西暦1862年9月22日、アメリカ合衆国大統領より、特に以下の事項を含む宣言が発せられた。

「西暦1863年1月1日の時点で、その人民が合衆国に対する反逆状態にあるいずれかの州もしくは州の指定された地域において、奴隷とされている すべての者は、同日をもって、そして永遠に、自由の身となる。陸海軍当局を含む合衆国の行政府は、かかる人々の自由を認め、これを維持する。そして、かかる人々が、あるいはそのうちの誰かが、真の自由を得るために..行ういかなる活動についても、これを弾圧する行為を一切行わない。

先ほどのトランプによる布告に戻りますが、双方の立場があるのなんか省みずモロッコの立場こそが現実的な方策だと一方的なものとなっています。先ほどのthe artlessness of the dealという言葉がぴったりで「トランプは交渉のプロ」なんていうトランプ好き日本人の見方は実際の文書とかやり取りを見たことがないで言っているんでしょう。

Therefore, as of today, the United States recognizes Moroccan sovereignty over the entire Western Sahara territory and reaffirms its support for Morocco’s serious, credible, and realistic autonomy proposal as the only basis for a just and lasting solution to the dispute over the Western Sahara territory. The United States believes that an independent Sahrawi State is not a realistic option for resolving the conflict and that genuine autonomy under Moroccan sovereignty is the only feasible solution. We urge the parties to engage in discussions without delay, using Morocco’s autonomy plan as the only framework to negotiate a mutually acceptable solution.

この動きの直後に国連はこれまでの立場は変えないとはっきりとのべています。

Chief Antonio Guterres says he remains committed to resolving territorial dispute based on Security Council resolutions, urges against actions that may aggravate tense situation
By AFP 10 December 2020, 10:42 pm 

The United Nations said Thursday its position was “unchanged” on the disputed Western Sahara region after the United States recognized Morocco’s sovereignty there.

****

The Western Sahara region is claimed by both Morocco and Polisario Front pro-independence rebels who recently revived their three-decade struggle in the former Spanish territory.

The UN chief’s message to the two parties “is to avoid any action that could further aggravate a tense situation,” added spokesman Stephane Dujarric.

A woman supporting Pro-independence Polisario Front rebel soldiers walks near a makeshift Western Sahara flag of painted stones reading: ‘Saharawi Arab Democratic Republic, or SADR, free’ in the desert near Tifariti, May 20, 2008. (Daniel Ochoa de Olza/AP)
The UN deploys a peacekeeping mission to the region to monitor a ceasefire and supposedly to organize a referendum on the territory’s status.

国連の広報センターの日本語サイトに載っている情報が以下です。「植民地と人民に独立を付与する宣言(Declaration on the Granting of Independence to Colonial Countries and Peoples)」に関連して紹介しているナミビア、東ティモール、西サハラの内すでに2つは国家として独立しています。

出典「国連の基礎知識」

国連は1963年以来西サハラに関する紛争にかかわってきた。西サハラはモロッコ、モーリタニア、アルジェリアと国境を接するアフリカ北西の沿岸部にある地域である。

西サハラは1884年にスペインの植民地となった。1963年、モロッコとモーリタニアの両国が西サハラに対する領有権を主張した。国際司法裁判所は、総会の要請に対する1975年の勧告的意見の中で、モロッコおよびモーリタニアのいずれも西サハラに対して領土主権を有さないとして、いずれの要求も退けた。

*****

事務総長とOAU議長は共同で周旋に乗りだし、その結果1988年に解決案が生まれた。それは独立か、それともモロッコとの統合かを選ぶための停戦と住民投票を提案したものであった。両当事者は原則としてこの提案に合意した。安全保障理事会は決議690(1991)を採択し、西サハラ人民の自決のための住民投票を組織し、実施することについて事務総長特別代表を支援する「国連西サハラ住民投票ミッション(United Nations Mission for the Referendum in Western Sahara: MINURSO)(https://minurso.unmissions.org/[別窓])を設立した。1974年にスペインが行った国勢調査で18歳以上として記載されたすべての西サハラ人は、地域内外のどの地に住んでいようと、投票権を与えられることになった。有権者確認委員会が国勢調査のリストを新しくし、有権者の資格を決定する。西サハラ以外の地に住む難民については、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の援助を受けて有権資格の確認を行うことになった。

ポンペオ国務大臣のプレスリリースですが、こういう一方的な動きを自画自賛してpeaceなんて述べられる神経が信じられないです。

PRESS STATEMENT

MICHAEL R. POMPEO, SECRETARY OF STATE

DECEMBER 11, 2020

President Trump has also recognized Moroccan sovereignty over Western Sahara. The United States continues to believe only political negotiations are capable of resolving the issues between Morocco and the POLISARIO. As we have long stated, we believe those negotiations should occur within the framework of Morocco’s autonomy plan.

Morocco’s efforts to promote tolerance – from its historical tradition of protecting its Jewish minority, the signing of the Marrakech Declaration, to yesterday’s agreement with Israel – sets an example to the region and throughout the world. There is a powerful verse in the Scripture that reads “a harvest of righteousness is sown in peace by those who make peace.” The United States, Israel, and Morocco have embraced peace and the world is better off for it.

気分が悪いまま終わるのもアレなので、Proclamationの書式に戻ります。文書の締めの部分が以下なのですが、特徴ある書き方なんですね。

NOW, THEREFORE, I, DONALD J. TRUMP, President of the United States of America, by virtue of the authority vested in me by the Constitution and the laws of the United States, do hereby proclaim that, the United States recognizes that the entire Western Sahara territory is part of the Kingdom of Morocco.

IN WITNESS WHEREOF, I have hereunto set my hand this
fourth day of December, in the year of our Lord two thousand twenty, and of the Independence of the United States of America the two hundred and forty-fifth.

DONALD J. TRUMP

オバマ大統領の最後のProclamationが以下なんですが、同じような締め方をしています。

January 13, 2017

MARTIN LUTHER KING, JR., FEDERAL HOLIDAY, 2017
- - - - - - -
BY THE PRESIDENT OF THE UNITED STATES OF AMERICA
A PROCLAMATION

NOW, THEREFORE, I, BARACK OBAMA, President of the United States of America, by virtue of the authority vested in me by the Constitution and the laws of the United States, do hereby proclaim January 16, 2017, as the Martin Luther King, Jr., Federal Holiday. I encourage all Americans to observe this day with appropriate civic, community, and service projects in honor of Dr. King and to visit www.MLKDay.gov to find Martin Luther King, Jr., Day of Service projects across our country.

IN WITNESS WHEREOF, I have hereunto set my hand this thirteenth day of January, in the year of our Lord two thousand seventeen, and of the Independence of the United States of America the two hundred and forty-first.
 
BARACK OBAMA

いくら自分勝手なトランプもこういうのは素直に従っているようです。

 

王国つながり??

 


モロッコも主要なアラブ諸国と同じように王国なためか、関係が深かったのですね。2018年にはアラブ諸国の動きに同調してイランと断交していたようです。

六辻彰二 | 国際政治学者
2018/5/2(水) 19:51

モロッコにとっての死活的利益
 これらの切り崩しは、西サハラ問題をめぐるアフリカ内部の亀裂を大きくし、それが結果的にモロッコに偏った安保理決議に結びついたといえます。

 どの国にとっても領土問題は死活的な利益と位置づけられがちですが、モロッコにとって西サハラは譲れない一線です。中東情勢の緊迫化にともない、イランを支持するロシアや中国も、穏健派モロッコへのアプローチを強めてきました。このうちロシアは2017年12月にモロッコと軍事協定を結び、中国は「一帯一路」に基づくインフラ整備などを加速させていました。しかし、西サハラ問題で優遇されたことは、モロッコをして米国やその同盟国であるサウジアラビアに傾かせたといえるでしょう。

西サハラ問題に関しても、UAEなんかは先月モロッコを支持する立場を明確にしていました。

Morocco launched operation to end what it called "serious provocations" by Polisario Front at border crossing area
Taj-Eddin al-Abdalawi   | 14.11.2020

RABAT, Morocco  The United Arab Emirates (UAE) has backed Moroccan measures to secure the movement of goods and people through the Guerguerat border crossing, amid tension with the Polisario Front, an Algeria-backed movement which for decades has called for regional independence in Western Sahara.

In a statement, the UAE Foreign Ministry reiterated support to "decision by Moroccan King Mohammed VI to end the illegal incursions [by the Polisario Front] in the buffer zone of Guerguerat and secure the commercial and individual movement on the crossing."

前回のエントリーで動画解説してくれていたIntissar Fakirという専門家がアラブ諸国とモロッコの関係の変化を語ってくれています。原油安でオイルマネーによる援助外交ができなくなってきて、言うことを聞かなくなっている状況があるようで、足元を見られて西サハラの領有権を持ち出したのでしょうかね。

INTISSAR FAKIR
The relationship between Gulf countries, particularly Saudi Arabia, and their long-term partner the Moroccan monarchy has undergone notable changes in recent years.
Published June 09, 2020

The crisis within the GCC was an inflection point in this transformation. Morocco’s relations with Gulf leaders—old ties with Saudi Arabia and the UAE and burgeoning ones with Qatar (which by 2016 had emerged as the fifth-highest investor in the country)—made Rabat unwilling to pick a side in the 2017 dispute, irritating Saudi and Emirati leaders. Meanwhile, Morocco has gradually shrunk away from supporting key initiatives of the mercurial Saudi leadership, such as the military intervention in Yemen.

Even in North Africa, Morocco appears uninterested in blindly following its formerly close partners. Local news outlets close to the security services have been open in their criticism of the UAE. A rumor has been circulating that Morocco rejected a proposal from the UAE to recognize its Libyan patron General Khalifa Haftar in exchange for cheap access to Libyan oil and lucrative deals for Moroccan companies. Morocco has been supporting the UN process in Libya and helped broker the Skhirat agreement in 2015 that established the Government of National Accord—which is currently battling Haftar’s forces in western Libya.

王国モロッコの内政弾圧はアラブ諸国に繋がるものがあります。そんな国が語る「平和」なんて虚しく響きます。
 

壁つながり??

 


トランプ政権の残りが1ヶ月に迫る中、駆け込み政策を続けています。

2020年12月11日 14:08 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 イスラエル モロッコ 中東・北アフリカ ]

西サハラの主権を認めるといってもピンと来ませんが、万里の長城に次ぐ長さの軍事的な壁に領内が隔たれていると聞いただけでも問題の深さを伺えます。まあ、トランプはそんなのには全く興味がないでしょうが。。。



Yutaは今年の春に行われていたイスラーム映画祭でたまたま「西サハラ」のドキュメンタリーを見ていたので気になってしまいます。





銃か、落書きか
2016年 スペイン 
52分 
監督:ジョルディ・オリオラ・フォルク / Jordi Oriola Folch 
原題:Rifles or Graffiti 
英題:Rifles or Graffiti 
言語:スペイン語、ハサニーヤ語、英語 
字幕:日本語 / 英語
【物語】 
メディアチームを結成し、「西サハラ」の実態を世界に発信するサハラーウィたち。
武力闘争で占領者モロッコに圧力をかけることを望む若者もいる中、活動家アミーナートゥ・ハイダルはあくまで非暴力の闘争を訴える…。

【解説】 
1975年にスペインからの独立過程でモロッコに侵攻され、領土の大半を占領され続けているアフリカ北西の「西サハラ」。
現地で命懸けの抵抗運動を続けるサハラーウィたちの焦燥と葛藤を描いたドキュメンタリーです。 

日本語で読める本はあまりないので、以下のような本は貴重です。

新郷 啓子

世紀をまたいで続くモロッコによる占領。サハラーウィは闘い続ける——
人間の歴史とは、自由と尊厳を求める人々の闘いの歴史にほかならない。南アフリカ然り、パレスチナ然り、そして西サハラ然りだ。西サハラ問題を誰よりも熟知する著者が綴る、サハラーウィの不屈の抵抗の軌跡。推薦・岡真理

昨年日本で開かれていたアフリカ関連の国際会議TICAD7でも代表が参加していたようですね。


下記の解説動画では、国際社会が認めていない、モロッコの西サハラ主権をアメリカが認めてしまったことで、後を引き継ぐバイデン政権が大変だと心配しています。



国連は西サハラ紛争に関わってきていますから、国連英検の受験を考えている人にとっては、面接で話せるトピックとなりますね。

 

トランプ再選も十分あった

 


別に日本のトンデモ保守メディアを読み過ぎた訳ではありません。今年初めに時計の針を戻して、もしバーニー・サンダースが民主党候補になっていたら民主党の中からもトランプ支持に回る人が少なからず出たと思うからです。トランプ二期目を耐える自信はYutaにはなかったのでバイデン当選にホッとしていますが、もしそうなっていれば現状維持を望み、弱者に優しい平等主義のより良い社会をちっとも望んでいない人たち=口では綺麗事をいうだけで自分の利権が大事な人たちを炙り出せたのかもしれません。都合の悪いことを全部トランプのせいにして自分に都合の悪いようなことには一切見向きもしない民主党支持者をハッとさせるようなエッセイをロバート・ライシュが書いていました。

11/30(月) 19:00配信

Robert Reich  Sun 29 Nov 2020 06.00 GMT

だがその「正常」とは何か?
退屈、安心、正常──それがバイデンの偉大な強みだ。だが、バイデンは注意する必要がある。こうした強みは、偉大な弱みにもなりうる。

「正常」への復帰はそれが何であれ、アメリカにとって破滅的になるだろうからだ。

正常がトランプのもとになった。正常が新型コロナウイルスのもとになった。

正常とは、停滞する賃金と拡大する不平等の40年間であり、ほぼすべての経済利益が最上位層に集約された時代だ。

正常とは、ズタズタのセーフティネットの40年間であり、現代世界で最も高価で最も不充分な医療制度だ。

正常とは、ビッグマネーによりますます進む政治腐敗でもあり、金持ちによって金持ちのために仕組まれた経済システムだ。

正常とは、悪化する警察の暴行だ。

正常とは、破局寸前の気候変動だ。

正常とは、長年にわたって少数派の投票を積極的に抑圧し、白人至上主義を容認してきた共和党だ。正常とは、長年にわたって労働者階級を見捨ててきた民主党だ。

Boring, reassuring, normal – these are Biden’s great strengths. But he needs to be careful. They could also be his great weaknesses.

That’s because any return to “normal” would be disastrous for America.

Normal led to Trump. Normal led to the coronavirus.

Normal is four decades of stagnant wages and widening inequality when almost all economic gains went to the top. Normal is 40 years of shredded safety nets, and the most expensive but least adequate healthcare system in the modern world.

Normal is also growing corruption of politics by big money – an economic system rigged by and for the wealthy.

Normal is worsening police brutality.

Normal is climate change now verging on catastrophe.

Normal is a GOP that for years has been actively suppressing minority votes and embracing white supremacists. Normal is a Democratic party that for years has been abandoning the working class.



ライシュもトランプはあくまで結果で、トランプを生み出す状況を非難し、その状況を変える必要性を訴えています。

私たちの来し方を振り返れば、トランプとコロナは逸脱ではなかった。必然だったのだ。

トランプが実質的に去り、バイデンが組閣を始め、国の大部分が少しホッとしはじめているいまは、当座の猶予でしかない。

長年の根本的な傾向が変わらなければ、バイデン後に続くのは、見渡す限りのトランプたちになりうる。

これまでの健康・環境の危機にコロナが加わったことで、「ハルマゲドン」(終末にある世界的な大戦争)もさらに一歩近づいた。

Given the road we were on, Trump and Covid were not aberrations. They were inevitabilities. The moment we are now in – with Trump virtually gone, Biden assembling his cabinet, and most of the nation starting to feel a bit of relief – is a temporary reprieve.

If the underlying trends don’t change, after Biden we could have Trumps as far as the eye can see. And health and environmental crises that make the coronavirus another step toward Armageddon

分断された状況にCommon goodを求めること、それこそオバマが目指したアメリカだったはず。オバマの失敗とは何だったのか、冷静に振り返る必要があるのではないでしょうか。積ん読だった以下の本を読みたくなってきました。



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