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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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バフェットと政治不信

 
先ほどの記事に対して、投資家のバフェットを弁護する記事が出ていました。豪勢な暮らしをするわけでもなく、法律の抜け穴を使うことなく、慈善団体に寄付していると擁護しているのです。それに富裕層への増税を支持しています。

Theron Mohamed  Jun. 12, 2021, 06:30 AM

OPINION
Warren Buffett is getting roasted for avoiding taxes after ProPublica's bombshell report.
The billionaire investor is donating almost all of his money to good causes.
Buffett lives modestly, supports higher taxes on the wealthy, and doesn't use popular tax loopholes.

確かに地に足がついたお金持ちな感じがしますが、気になったのは彼も持っている政府不信のようなもの。税金として納めることは乗り気でないことが表れています。

Theron Mohamed  Jun. 8, 2021, 10:09 AM

Buffett defended his decision to keep virtually all of his fortune in Berkshire stock. The 90-year-old billionaire has pledged to give over 99% of his net worth to philanthropic causes, and has already donated about half of his nearly 475,000 "A" shares since 2006, he said.
バフェットは自らの決断を弁護した。彼の資産のほとんど全てを自社株として保有しているのだ。90歳の億万長者は純資産の90%以上を慈善目的に使うことを約束しており、既に475,000のA株の半分を2006年以降寄付している。

Moreover, Buffett calculated the tax benefits from his donations to date at less than 50 cents for every $1,000 he's given away. He also prefers to hand his cash to charities, instead of giving it to the federal government to pay off the national debt.
さらにバフェットは今日までの寄付による税優遇を計算すると$1,000の寄付ごとに50セントに満たないとしている。また彼はむしろ財産を慈善団体に渡すことを望んでいる。連邦政府に支払うと国の債務支払いに使われてしまうためだ。

"I believe the money will be of more use to society if disbursed philanthropically than if it is used to slightly reduce an ever-increasing US debt," he said.
「私が信じる、社会にとってのお金の有効な使われ方は慈善目的だ。アメリカの増え続ける債務をわずかばかり減らすよりは良い」

次のような言葉も彼の真っ当さを表していますが、二代目や三代目にも同じような感覚が引き継がれるのかが重要でしょう。

"Enough money so that they would feel they could do anything, but not so much that they could do nothing."
十分なお金を残せば、子供たちは何でもできると感じるだろう。しかし、多過ぎないようにする。そうしないと何もできなくなるから

ただ気になったのは、富裕層への増税を支持しているようなバフェットも政府にお金を渡すよりは自分で慈善団体に寄付した方が好ましいと思っている点です。前に紹介したMarc Andreessenも公共部門を信用していないことが見てとれます。


The left starts out with a stronger bias toward the public sector in many of these areas. To which I say, prove the superior model! Demonstrate that the public sector can build better hospitals, better schools, better transportation, better cities, better housing. Stop trying to protect the old, the entrenched, the irrelevant; commit the public sector fully to the future. Milton Friedman once said the great public sector mistake is to judge policies and programs by their intentions rather than their results. Instead of taking that as an insult, take it as a challenge — build new things and show the results!
左派は、多くのエリアで公共部門を優先して取り掛かるでしょう。私が言いたいのは、より優れたモデルを示してください、です。示して欲しいのは、公共部門が優れた病院、優れた学校、優れた交通機関、優れた都市、優れた住宅を建設できることです。古くなったもの、既得権、時代に会わなくなったものを守ろうとするのはやめましょう。将来に向けて公共部門に精一杯取り組んでいきましょう。ミルトン・フリードマンがかつて言っていたのは、公共部門の大きな間違いは政策やプログラムを結果ではなく意図で判断することです。これを侮辱としてではなく、挑戦として受け止めてください。新たなものを構築して、結果を示してください。

もちろん日本でもオリンピックやコロナ対策を見てると政府は信用できないな、公的資金も無駄に使われてしまうよなと思わざるを得ないのですが、根本にある政治不信がある限り、このような税金逃れ見たいのは無くならないだろうなと思ってしまいます。
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報酬1ドルの理由

 


Facebookのザッカーバーグやトランプ大統領が報酬1ドルとかで働く理由というのがこれまでよくわかっていなかったのですが、この動画をみてようやく腑に落ちました。

"I’ll loan you $10 million with only 3% interest. But if you take a $10 million dollar salary from your company, you’ll owe almost 37% to the IRS." 
「1000万ドルを借りれば3%の利息ですが、会社から1000万ドルの給料をもえらえばIRSに約37%払うことになります」

もう3週間前の記事ではありますが、日本でもニュースになりましたね。法人税の最低税率を決めるような流れの中、いささか出来すぎたリークではあります。

2021年6月9日 9:42 発信地:ニューヨーク/米国 [ 米国 北米 ]
【6月9日 AFP】米政府が最富裕層や大企業の課税逃れ対策を検討する中、複数の米大富豪が所得税をゼロに抑えていた年があることが8日、明らかになった。

 ニューヨークの非営利報道組織プロパブリカ(ProPublica)の調査報道によると、小売り・IT大手アマゾン・ドットコム(Amazon.com)を創業したジェフ・ベゾス(Jeff Bezos)氏は2007年と2011年に、電気自動車(EV)大手テスラ(Tesla)最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク(Elon Musk)氏は2018年に、所得税をゼロに抑えた。

動画スクリプトと訳
Some of the very richest Americans pay little in taxes compared with how fast their fortunes grow each year. How?
最も裕福なアメリカ人の中にはほとんど税金を払っていない人がいます。資産は毎年急拡大しているにもかかわらずです。どのようにしているのでしょうか。

They use a tax strategy known as "buy, borrow, die." It’s like the ultrawealthy are living on another planet.  Average people need income to pay for basics like housing and food. But the ultrawealthy don’t. They can just live on borrowed cash.
彼らが使っている税対策は「買う、借りる、死亡する」。まるで超金持ちは別の惑星に住んでいるようです。一般人は収入がないと住居や食料などの必需品を払えません。しかし超金持ちに収入は不要です。借りたお金で生活ができるのですから。

STEP ONE: BUY
The ultrawealthy buy an asset  or build a company or inherit a fortune. As long as they don’t sell, they owe no taxes. They keep their income as low as possible, since every dollar they earn can be taxed.
超金持ちは資産を購入するか、会社を設立するか、財産を相続します。売却しない限り、税金は発生しません。自らの収入をできるだけ低くします。稼いだお金には税金が課されるからです。

STEP TWO: BORROW
They borrow against their holdings, and the bank gives them a really good deal.
"I’ll loan you $10 million with only 3% interest. But if you take a $10 million dollar salary from your company, you’ll owe almost 37% to the IRS." 
保有資産を担保に借ります。銀行は大変良い条件で貸してくれます。
「1000万ドルを借りれば3%の利息ですが、会社から1000万ドルの給料をもえらえばIRSに約37%払うことになります」

So the ultrawealthy use loan money to fund their lifestyles. That’s how a billionaire can live the most luxurious life imaginable, while reporting little to no taxable income.
このため超金持ちは借りたお金を生活資金にしているのです。このように億万長者は想像し得る中で最も贅沢な暮らしを送って、課税対象の収入を少なくもしくはゼロで申告するのです。

STEP THREE: DIE
When they die, these lucky few often use complicated trusts and philanthropic foundations to avoid the estate tax.  And their heirs can inherit stocks and other assets tax-free. A new generation is ultrawealthy, and the cycle starts all over again.
死亡する場合、これらの恵まれた少数派は複雑な信託や慈善財団を使って固定資産税を逃れます。相続人は株などの資産を無税で相続するのです。次の世代は超金持ちで、このサイクルはまた繰り返すのです。

こちらがそのレポート。あくまで第一弾のようです。

by Jesse Eisinger, Jeff Ernsthausen and Paul Kiel
June 8, 5 a.m. EDT
ProPublica has obtained a vast cache of IRS information showing how billionaires like Jeff Bezos, Elon Musk and Warren Buffett pay little in income tax compared to their massive wealth — sometimes, even nothing.

最近出ていたのは、最初はトランプ支持をしていたPeter Thielのスキャンダル。日本の経産省のキャリア2人組とは違うスケールです。

Roth IRAs were intended to help average working Americans save, but IRS records show Thiel and other ultrawealthy investors have used them to amass vast untaxed fortunes.
June 24, 5 a.m. EDT

政府は個人情報である納税記録が漏洩したことを重く見ているという立場のようで、ProPublicaの方は公益にかなっていると弁明しています。





We are disclosing the tax details of the richest Americans because we believe the public interest in an informed debate outweighs privacy considerations.
June 8, 4:59 a.m. EDT

このような理由を伝える文章は、エッセイの書き方として参考になると思います。特に社運を賭けている重大事なので、推敲に推敲を重ねた文章でしょう。

報酬1ドルで頑張っているCEOという見せかけに騙されてはいけないようです。単なる税金対策だったとは拍子抜けです。。。
 

英和辞書の信頼性を考える

 


英語力とは関係ないのですが、辞書が世の中の動きについていけるかは、仕事で英語を使っている人、特に翻訳家なんかは重要なポイントになります。例えば次のような用語について。

2021年04月20日 16時37分 JST
優劣があるかのような誤解を招く恐れがあるとして、日本遺伝学会などで見直しの動きが進んでいた。
ハフポスト日本版編集部

2017.9.11 日本遺伝学会
<dominant, recessive>優性→顕性及び、劣性→潜性 「優性、劣性」は遺伝学用語として長年使われていたが、優・劣という強い価値観 を含んだ語感に縛られている人たちが圧倒的に多い。疾患を対象とした臨床遺伝の 分野では「劣性」遺伝のもつマイナスイメージは深刻でさえある。一般社会にもすでに定着している用語ではあるが、この機会に、歴史的考察もしなかがら、語感がより中立的な「顕性、潜性」に変更することになった。

英辞郎は積極的に新語も取り入れてくれるものですが、このような注釈もありがたいですね。

(英辞郎)
dominant
《遺伝》顕性の、優性の◆2017年9月、日本遺伝学会は「優性」を「顕性」、「劣性」を「潜性」という表現に変更することを決定し、教科書の記述も変更するように文部科学省に要請した。

英和辞書ではジーニアスとリーダーズが載せてくれていました。リーダーズが翻訳者に絶大の信頼を受けている理由はこのようなところにもあるのでしょう。

(ジーニアス)
〘遺伝〙優性の, 顕性の(⇔recessive).
 Brown eyes are dominant.
茶色い目は優性だ

(リーダーズ)
〘遺〙 優性の,顕性の (opp. recessive)

ただ、今までの用語に慣れている身としては「顕性・潜性」という用語だとわかりづらいのも事実。Natureなんかも以下のように処理していました。

Nature Medicine 2021年6月22日

Nature Medicine
アルツハイマー病の予防薬として研究中のガンテネルマブとソラネズマブは、第2/3相臨床試験において、優性(顕性)遺伝性アルツハイマー病(DIAD)患者の認知機能の低下に有意な効果は示さなかった。このことを報告する論文が、Nature Medicine に掲載される。

特に移行期の間は、このような配慮があった方がありがたいですね。

もちろんこの動きを反映していない英和辞書がダメというわけでは全くありません。英和辞書に期待するのは専門語の語義ではなく、基本的な意味や語法とかがメインだからです。ただ、世の中の動きに疎すぎるのは問題ですが。。。
 

Bloom two-sigma problem

 


今回はIt's time to buildで使われていたBloom two-sigma effectを取り上げたいと思います。

You see it in education. We have top-end universities, yes, but with the capacity to teach only a microscopic percentage of the 4 million new 18 year olds in the U.S. each year, or the 120 million new 18 year olds in the world each year. Why not educate every 18 year old? Isn’t that the most important thing we can possibly do? Why not build a far larger number of universities, or scale the ones we have way up? The last major innovation in K-12 education was Montessori, which traces back to the 1960s; we’ve been doing education research that’s never reached practical deployment for 50 years since; why not build a lot more great K-12 schools using everything we now know? We know one-to-one tutoring can reliably increase education outcomes by two standard deviations (the Bloom two-sigma effect); we have the internet; why haven’t we built systems to match every young learner with an older tutor to dramatically improve student success?

教育でも見られます。最高レベルの大学はあります。それは確かですが アメリカで毎年新しく18歳になった400万人、そして世界で18歳になった1億2,000万人のごくわずかな人にしか教育することしかできません。どうして18歳全員を教育していないのでしょうか?これが我々にできることで最も重要なことではないでしょうか?なぜもっと多くの大学を建設しないのか、あるいは今ある大学の規模を大きくしないのでしょうか?高校生までの教育で最後の大きなイノベーションはモンテッソーリ教育でしたが、それは1960年代にさかのぼります。教育研究を続けていたにもかかわらず、それ以来50年間、実際に展開されていません。現在分かっていることを使った遥かに優れた学校を多く作れていないのはどうしてでしょうか。1対1の指導が教育効果として標準偏差2領域分で確実に向上させることがわかっています(ブルームの2シグマ効果)。それにインターネットがあります。どうしていまだにシステムを構築できていないのでしょう。若い学習者に年長の指導者をつけて学習者の成果を劇的に向上させられるのに。



ちょっと長いですが、このことを説明してくれている記事がありましたので引用します。

2016年1月12日 by ゲストライター

1984年、教育心理学者のベンジャミン・ブルームは、教え方に関する調査内容を公表した。これは、一般的にブルームの2シグマ(σ)問題と呼ばれている。Wikipediaはこれについて次のようにまとめている。「1対1で完全習得学習(マスタリー・ラーニング)に基いた指導を受けた生徒は平均的に、既存の指導方法を受けた生徒より標準偏差2領域分パフォーマンスが向上した。言い換えれば、平均でチューターの指導を受けた生徒は統制群となるクラスで指導を受けた生徒より98%パフォーマンスが良かった」。

「2シグマ(σ)」という名称はこの研究結果から来た名称だ。1対1のメンターと完全習得学習を組み合わせた指導を受けた生徒は、既存の教室環境での指導を受けた生徒より、パフォーマンスが2標準偏差(標準偏差を表す記号がシグマ)高くなった。

別の言い方をするのなら、1対1のメンターによる完全習得学習の指導を受けたほぼ全ての生徒(98%)が、比較対象となる教室で授業を受けた生徒の平均より成績が良くなった。

ブルームの研究はこのような結果を得るには2つ必要な要素があると示している。

生徒は1対1で指導を受けること
指導者は完全習得学習による指導を行うこと
完全習得学習とは教育方法を指している。完全習得学習では、教育者は生徒が1つの課題やスキルを習得するまで必要なだけ指導を行い、習得できてから次に進む。完全習得学習は少人数のクラスや1対1のメンターシップの場で行うことができる。

ブルームは個別指導が最も学習に効果的だが、広く採用するのにはコストがかかり過ぎると結論付けていた。彼は以下のように述べている。

この教育方法は、ほとんどの生徒が高いレベルの学習を習得することができることを示しています。研究と施策における最も重要な課題は、1対1の教育指導をより実用的で現実的な方法を探ることです。1対1の教育方法を大規模に採用するコストを社会が負担することは難しいでしょう。

完全習得学習というのも興味深いですね。完全にその単元を理解しないと次の単元に進めないという学習方法のようです。

2番目のYoutubeの動画では、ビデオ講義を使い、コンピュータによる試験をすれば、ブルームの目指していた教育方法を実現できると言っています。このブログを読んでくださっている方は英語教育に携わっているので、色々ご意見があるかとは思いますが。。。
 

規制の虜

 


It's time to buildというエッセイでregulatory capture(規制の虜)という言葉が出ていました。

The problem is regulatory capture. We need to want new companies to build these things, even if incumbents don’t like it, even if only to force the incumbents to build these things. 
問題は「規制の虜」です。新たな企業にこれらのものを構築してもらいたいと望む必要があります。たとえ現行勢力が望まないとしても、たとえ現行勢力に構築させるように仕向けても。

The right starts out in a more natural, albeit compromised, place. The right is generally pro production, but is too often corrupted by forces that hold back market-based competition and the building of things. The right must fight hard against crony capitalism, regulatory capture, ossified oligopolies, risk-inducing offshoring, and investor-friendly buybacks in lieu of customer-friendly (and, over a longer period of time, even more investor-friendly) innovation.
右派は難がありますがより普通に始められます。右派は一般的に生産支持ですが、往々にして腐敗しています。市場ベースの競争やものごとを築き上げることを抑制しようとする勢力がいるのです。右派が戦わなければいけないのは、縁故資本主義、規制の虜、硬直化した寡占、リスクを秘めた海外移転、投資家に利益をもたらす買い戻しです。顧客のためを思った投資(長い時間で見れば、投資家にも大きな利益をもたらします)が必要なのです。

経済学の言葉みたいで、載せている辞書は皆無です。

By WILL KENTON  Reviewed by MICHAEL J BOYLE   Updated Mar 1, 2021

What Is Regulatory Capture?
Regulatory capture is an economic theory that says regulatory agencies may come to be dominated by the industries or interests they are charged with regulating. The result is that an agency, charged with acting in the public interest, instead acts in ways that benefit incumbent firms in the industry it is supposed to be regulating.
規制の虜とは何か
規制の虜は経済理論で規制当局が規制すべき業界や団体に支配されるようになってしまうこと。結果として当局は公共の利益のために動くべきものだが、本来は規制すべき対象の業界の既存企業に恩恵がゆくように動くこと。

KEY TAKEAWAYS
Regulatory capture is an economic theory that regulatory agencies may come to be dominated by the interests they regulate and not by the public interest.
The result is that the agency instead acts in ways that benefit the interests it is supposed to be regulating.
Industries devote large budgets to influencing regulators, while individual citizens spend only limited resources to advocate for their own rights.
業界は多額の予算を使って規制当局を取り込もうとするが、個々の市民はわずかな資金でしか自身の権利を主張できない



日本ではメディア向けに「規制の虜」という言葉を使っている人はあまりいないためか、原発問題を規制の虜とした黒川清という方がネットではすぐに登場します。

2021/03/08 18:16
寄稿 調査研究
POINT
■東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故から10年がたつ。国会事故調査委員会は「事故は明らかに人災」とする報告書を提出したが、7項目の提言はほとんど顧みられず、背景にある「規制の虜」の問題も残ったままだ。 

■原発に対する「安全神話」の本質は、当事者の「安全願望」ともいえるようなものだった。地震大国の日本には原発の安全性を検証する責務があるのに、政、官界や関係機関はそこから逃げている。メディアの事故の検証も不十分だ。 

■原発事故は、過去の成功体験にすがり、変革を怠ってきた日本人への警告でもあった。日本は「タテ社会」の社会構造から変えていかなければ、事故の教訓をくみ取ったとはいえない。
政策研究大学院大学名誉教授 黒川 清 

このような言葉を使わなくても政官財の癒着のような問題を指している感じです。

「規制の虜」とは何か

 「規制の虜」とは、コロンビア大学教授などを務めたアメリカの経済学者、ジョージ・スティグラーが唱えた経済学説で、国(規制当局)が国民の利益を守るために行う規制が、逆に企業など規制される側のものに転換されてしまう現象をいう(注1)。

 わが国の原発の世界では、電力会社を規制するはずの政府が、電力会社に規制されていた。規制する側の政府より、規制される側の電力会社の方が専門知識があり、様々なノウハウを持っていた。しかも、電力会社と政府は地域の発・送電を独占し、発・送電の分離や、グリッド(格子状の広がり)で地域を超えた送電網を広げるなどして、地域ごとにベストな再生可能電源にシフトできることを認識していた。しかし、これをやらなかった。

 地域独占性が高い電力会社の社員の多くは、選挙になると応援に駆り出され、電力会社が政、官界のために天下りポストを用意することも常態化していた。こうしたことから、政、官界は事実上、電力会社に規制される側になっていた。

 メディアは住民の立場に立って、安全性を監視する姿勢で調査報道するのが役割だが、当局と電力会社側の説明を垂れ流しするだけで、自ら調べ、監視していく姿勢に乏しかった。「規制の虜」とは、こうした社会構造を許してきた状況全体を指す表現だ。

国家の怠慢という新書でも「規制の虜」という言葉が使われました。こちらの方が生々しい役所と民間企業とのズブズブの関係が色々とわかります。

コロナ禍でも医療業界での「規制の虜」はどのようなものだったか、明らかにしないと同じ過ちを次の感染症でもしてしまいそうです。そのようなことができるかは今の対応を見ていると悲観的にならざるをえませんが。。。



 

現代ビジネス英語夏号

 


杉田敏の現代ビジネス英語夏号が出ましたね。コロナ禍を反映した内容になっていて、アメリカの現状を知りたい場合にはぴったりです。ここ数日調べているコロナ禍の動きも抑えています。

Lesson5/Lessons From the Pandemic パンデミックの教訓
Lesson6 /Culture of "Love and Profit" 「愛と利益」の企業文化
Lesson 7/The Office of the Future 未来のオフィス
Lesson 8/Beyond Regular Eateries新しい形態の飲食店

最後のレッスンで取り上げていたghost kitchen。メディアでも報道されています。

COVID-19 is fueling the rise of virtual kitchens. Here's why some industry experts say they're here to stay.
Dec. 8, 2020, 3:30 AM JST / Updated Jan. 22, 2021, 11:40 PM JST
By Dana McMahan

Ghost kitchen, dark kitchen, virtual kitchen, cloud kitchen, whatever you call them, they’re popping up everywhere, with estimates placing the number at 1,500 in the United States. And while it only makes sense in a COVID-19 world where at the peak of lockdowns some 90 percent of restaurant meals were taken off-site, “the development of these virtual kitchens was well underway before the pandemic,” said Hudson Riehle, senior vice president of research for the National Restaurant Association. Before the coronavirus, “the industry was talking about points of access versus the word locations,” he said, “because in many ways, location has become somewhat of a dated term.”



外食産業の変化をまとめてあるサイト記事。杉田先生のビジネス英語でもAl frescoなんて表現は出ていました。


Restaurant trend #1. Al fresco dining – on tarmac

Restaurant trend #2. Drive-throughs

Restaurant trend #3. Ghost kitchens 

Restaurant trend #4. Pop-ups



出店形式の販売は日本でもお馴染みですが、pop-upのようにも表現できるのですね。元々はプロモーション的な意味合いの強い感じみたいです。ウィズダムはしっかりとこの意味を載せていました。オックスフォードやロングマンも載せているのでいずれ他の英和辞書も追随するでしょう。

(Wikipedia)
ポップアップ・ストア(Pop-up Store)は空き店舗などに突然出店し(ポップアップ)、一定期間で突然消えてしまう店舗のこと。イギリス国内では人気の宣伝手法で、最近日本でも増えてきた。ポップアップ・ショップ(Shop)やポップアップ・リテール(Retail)とも呼ばれる。

(ウィズダム)
pop-up
(英)期間限定ショップ[レストラン]

(オックスフォード)
pop-up
a shop, restaurant, etc. that opens quickly somewhere and is designed to only use that location for a short period of time

(オックスフォード)
a pop-up shop, restaurant, etc. is a business that opens quickly somewhere and is designed to only use that location for a short period of time
The airline opened a pop-up shop to promote its winter sale

(ロングマン)
pop-up restaurant/bar/shop etc
a restaurant, bar, shop etc that is opened somewhere for a short, limited period of time

 

IT’S TIME TO BUILD

 
Build(築き上げる)という言葉がコロナ禍で大切な語になってきていますが、昨年の4月に著名なIT投資家Marc AndreessenのエッセイでもBuildが大切な言葉として使われていました。

by Marc Andreessen

10年前にハードではなくソフトの重要性を謳った投資家がインフラ構築の大切さを語ったので業界では話題になったそうです。

昨年の春はトイレットペーパーやマスクすら手に入らない状況だったので、ソフトの前にハードがなければ始まらないと考えたのかもしれません。翻訳してくださった方がいたのでリンクを共有します。

たっけ(Masahiro Takeda)
2020/04/27 21:30

はじめに
アメリカ著名ベンチャーキャピタルのアンドリーセン・ホロウィッツ(Andreessen Horowitz/a16z)のCo-FounderであるMarc Andreessen(マーク・アンドリーセン)が新型コロナウイルスの影響により顕在化したアメリカ政府の問題点への批評、そしてウィズコロナ、アフターコロナへの示唆をIt's time to buildというエッセイで公開した。

そのエッセイには、筆者のインターネット・ソフトウェア企業の発想とは異な理、工場、施設などを含めた有形資産を国や企業は構築すべきだったと書かれていて、良い意味で非常に驚き、そして良い知見を与えてもらいました。

そして多くの日本のビジネスマンに読んでもらいたい檄文だと感じたので、翻訳をさせてもらいました。

なんで今更このエッセイを知ったのかというとNew Yorkerの記事にあったため。2000年代、2010年代のテック業界の社会への売り込み口上の変化を取り上げながら、2020年代での現状を検討しています。

Letter from Silicon Valley
In Silicon Valley, “disruption” is giving way to “building.” What will be built?
By Anna Wiener
June 15, 2021

What might a new narrative for the tech industry look like? In April of last year, as covid-19 cases spiked across the country, Andreessen published a blog post to his firm’s Web site, titled “IT’S TIME TO BUILD.” “Every Western institution was unprepared for the coronavirus pandemic, despite many prior warnings,” Andreessen wrote. He went on to argue that certain shameful facts about the response to the coronavirus—shortages of swabs, reagents, gowns, and surgical masks; the absence of a vaccine or treatment; insufficient and inaccessible bailout funds—were not just failures of action and imagination but evidence of regulatory capture, “inertia,” and a “widespread inability to build.” The consequences of this inability could be seen elsewhere—in housing development, education, manufacturing, and transportation. “You don’t just see this smug complacency, this satisfaction with the status quo and the unwillingness to build, in the pandemic, or in healthcare generally,” he wrote. “You see it throughout Western life, and specifically throughout American life.” For many readers, the essay was a sequel to “Why Software Is Eating the World”: both a diagnosis and a mission statement.

サブタイトルでもあるとおり問題は「何を築き上げるか」ですが、New Yorkerのライターはアンドリーセンが構築しようとしているものに対して、冷ややかです。

A strain of wishful, ahistorical thinking pervaded the essay, which ran beneath a stock image of a futuristic, fictional city with gleaming skyscrapers, a blue, unpolluted sky, and no people. Andreessen ignored the role the tech industry had played in accelerating the erosion of some American institutions; his insistence that building should be separated from politics was strange, given that America’s failures in the face of the coronavirus did not occur in the absence of political will. 

さらに疑問を投げかけているのは、ITのビジネスモデルの特徴である収益力の高さなどは現実世界のbuildでは生み出せませんので、違ったモデルが必要になることです。まあ、ここでもライターは冷ややかで単なるtalkかもしれないとしています。

Between the alien dreadnoughts and debates about occupational licensing, the discourse around “IT’S TIME TO BUILD” looked markedly different from the idealistic, founder-focussed chatter of the twenty-tens. Taken seriously, the essay seemed to be suggesting an entirely new version of Silicon Valley: a movement away from making software to support existing institutions, and toward creating the institutions themselves. If Andreessen’s exhortation to build was a call for “aggressive investment in new products, in new industries, in new factories, in new science, in big leaps forward,” it was also a call to power. The era of the builder may also be the era of the Silicon Valley political actor. At the same time, “IT’S TIME TO BUILD” revealed a certain impotence. The sorts of projects Andreessen proposed don’t really make sense under the venture model; they’re unlikely to be as profitable as the products that have come out of Silicon Valley since the popularization of the commercial Internet. Building may need a different set of incentives, investment models, and values. Of course, it could all just be talk.

シリコンバレー神話を生み出す片棒を担いだメディアは昨今GAFA批判の側に回りつつあるため、IT業界に有利な売り込みが難しくなったと考えたのかもしれません。それにメディアを通して自分が出資している会社を取り上げてもらうなんてことも難しくなってきていることもあるでしょう。そんな中、自らメディアを持ち発信するようになってきた状況も触れています。Clubhouseも彼が出資しているメディアのようです。リコメンドには彼が出資した会社が出るようになっていたりと、「もうけ」の部分はしっかりしています。

Media is an institution, too, and one way to change the media narrative about tech is to build a new media. Over the past two years, Andreessen Horowitz has led substantial funding rounds for Substack, the e-mail newsletter platform, and Clubhouse, the audio-based social network. When users sign up for Clubhouse, they are given a list of recommended accounts to follow, which tends to include several Andreessen Horowitz partners; Andreessen himself has five million followers on the app. The firm has about a dozen Clubhouse shows of its own, including “One on One with A and Z,” hosted by Andreessen and Horowitz, and “4B with Margit,” hosted by Wennmachers. Earlier this year, Zuckerberg and Musk both made appearances on “The Good Time Show,” a talk show on Clubhouse; one of its hosts, Sriram Krishnan, recently joined Andreessen Horowitz as a partner.

New Yorkerの記事の直後、6月15日でた彼のサイトでのエッセイでは1年後の彼の立場の変化が見て取れます。

INFRASTRUCTURE IS EVERYTHING
Marc Andreessen

Yutaの感想ですが、IT技術によってリモートワークが可能になった成果を自画自賛している感じでインフラ熱は冷めてしまっていまる感じです。

 

Side HustleとShark Tank

 


副業というとside jobとかが普通の表現なのでしょうが、前回紹介した動画ではside hustleという言葉が使われていました。意外にも載せていない辞書が多いですね。

2分あたり
By the way, getting a corporate job is great but there's nothing wrong with a side hustle at night. That's what millions of Americans are doing now supplements their income. And that's not going to stop the whole world has changed. It's pivoted digital. You can do two things work corporate and side hustle and bring in another 15 to 20,00 a year. It's worth  doing.
ところで、会社での仕事を得るのは素晴らしいことですが、夜に副業をするのは何も悪いことではありません。何百人ものアメリカ人がまさにやっていることで、収入の足しにしています。世界全体が変わっているのを止めるのものではありません。方向転換したデジタル世界です。会社に働きながら、副業もして、年間1500から2000ドルを新たに稼ぐのです。やってみる価値はあります。

And you never know, sometimes a side hustle turns into the full-time gig. Maybe people even land on Shark Tank with it.
どうなるかわかりませんね。副業が本業になることもあります。もしかしたら、その仕事で「マネーの虎」に出場するかもしれません。

こういうときに役立つのがネイティブの表現を紹介してくれるウエブサイト。

副業がほしい。
I need a side hustle.

英和辞書で載せていないのが多いのは、英英辞書でも載せていないものが多いから。イギリス系の出版社が多いのでアメリカの口語表現への反応が鈍いのでしょうか。ただしケンブリッジは扱っています。

(ケンブリッジ)
side hustle
noun [ C ] mainly US informal (also side gig)
 a piece of work or a job that you get paid for doing in addition to doing your main job:
Here are some ideas for a side hustle.
The series is designed to inspire hard-working corporate employees to start a side hustle if they are interested in eventually starting a business.

以下のような記事をたくさん見つけることができるので、普通に使われるものだと思いますが、hustleという言葉からしてinformalな語感でしょうか。コロナ禍でどんな副業ができるかという記事ですが、このあたりは日米に変わりはなさそうです。

Apr 1, 2021,09:40am EDT|988 views
Ryan Guina

When the Covid-19 pandemic hit in early 2020, it dealt a crushing blow to the global travel industry. Flight and hotel bookings came to an abrupt halt as countries closed their borders, and government lockdowns and quarantines became the norm. 

Also left in the wake was the livelihood of thousands of gig economy workers who relied on side hustle income they made working for companies like Uber UBER or Airbnb. With travel shut down, the demand for these services disappeared. 

******

While Uber drivers and Airbnb hosts are hopeful for a recovery, many other work-from-home side hustles are booming. Here are just a few of them: 

Selling Your Stuff Online

Freelance Writing 

Food Delivery 

Teaching Music Online 

Social Media Management 



次に扱うのはShark Tankというテレビ番組。動画に出ていたKevin O’LearyさんがShark Tankという番組に出ていたので、アンカーが次のように返したのでしょう。

And you never know, sometimes a side hustle turns into the full-time gig. Maybe people even land on Shark Tank with it.
先のことはわかりませんね。副業が本業になることもあります。もしかしたら、その仕事で「マネーの虎」に出場するかもしれません。

マネーの虎が海外の番組になっているは知っていましたが、いきなり使われるとピンとはこないですね。何度も聞き直してしまいました(苦笑)

(Wikipedia)
Shark Tank is an American business reality television series that premiered on August 9, 2009 on ABC.[1] The show is the American franchise of the international format Dragons' Den, which originated in Japan as Money Tigers in 2001.[2] It shows entrepreneurs making business presentations to a panel of five investors or "sharks," who decide whether to invest in their company

下記のような記事を読むと面白いですが、他にもDragon's Denという番組になっていたりするようです。

ビジネス 2018/12/16 11:00
栗原 甚 , OFFICIAL COLUMNIST
世界のテレビ、日本のテレビ

辞書に載っていない語を見つけるとなんか優越感に浸れますが、英語運用力にはあまり貢献しないので学習の目的を見失わないようにしたいです。

 

コロナウィルスでのpivot

 


先ほどのエントリーでコロナ禍で使われた言葉に興味をようやく持ち始め調べ始めました。1年遅いですね(苦笑)目を引いたのは1年前の記事。コロナが広がり始めたときにどんな言葉が使われたのか紹介してくれているものです。

By Chris Pash | 15 July 2020 1 Comment 

The use of ”unprecedented” during the COVID-19 pandemic is unprecedented but it’s not the most overused or abused word or phrase in Australia during the coronavirus crisis.

The coronavirus has created a series of phrases and words now in common usage, many of them descriptive of what’s happening, such as social distancing, lockdown, elbow bump and pivot (as in switch business models).

目を引いたのはpivot (as in switch business models)という言葉。カッコ内に補足説明してくれているように事業転換の意味で使われているようです。新語でトレンドを引き立てるのはコンサルが得意ですので、以下のような考察がありました。

グローバルスタートアップの事業転換(PIVOT)事例分析
2020年7月初旬現在、 COVID-19は世界中で猛威を振るっており、経済活動、イノベーション活動、スタートアップにも深刻な影響を及ぼしている。このような環境の中、グローバルスタートアップが生き残りをかけて事業転換(PIVOT)を行っている。本稿では、リーンスタートアップの著者であるEric Ries氏が提唱する10のPIVOTパターンに独自の視点を加えて14のパターンによりグローバルスタートアップのPIVOTパターンを分析した。

日本でも緊急事態宣言による不要不急の外出の禁止で様々な業種で事業転換が求められましたね。



次のサイトでは2020年の言葉としてpivotが選ばれていました。例として挙げているのが対面からバーチャルへの転換。我々にもお馴染みのものです。

December 14, 2020 By Bill Duggan

At the ANA, we have used the term “pivot” extensively throughout 2020. Most notably, our portfolio of events made a quick pivot from in-person to virtual. We upgraded the virtual participation experience, and these events have generated tremendous scale. The ANA’s Masters of Marketing Week, for example, had 6,470 registrations — approximately double that of our usual in-person event.

As a great current example of a pivot, when this survey was in the field, Warner Bros. announced it will be releasing all its new 2021 movies in theaters and simultaneously on HBO Max, which it owns. In making this announcement, the Warner Bros. CEO, was quoted as saying, “We’re living in unprecedented times which call for creative solutions.”

他にもレストランがテイクアウトを始めるといった転換にもpivotが使われるようです。



様々なpivotの例の紹介をウエブで見つけることができます。

Restaurant owners have been especially affected by pandemic lockdown orders. Here are five eateries that have successfully pivoted during these uncertain times.
By: Sean Peek, CO— Contributor

pivotの適用範囲は広く、働く人が業種転換するようなことも含まれるようです。



Oct 6, 2020,10:00am EDT|4,826 views
Ashley Stahl
Some industries are born to adapt, but for many, the changes brought on by months of shutdowns during the Covid-19 pandemic have been too much to weather, and the workforce has felt the impact. 

While businesses have been scrambling to adjust to change, so must employees.  Whether you are facing a forced career shift, or have taken this time as an opportunity to make a pivot, there are a few key tips to making the change a long term success.

次の四項目がその秘訣だそうですが、コロナ禍の特徴としては最後のオンラインツールに慣れておくことでしょうか。

1. Realize that your skills are applicable in more ways than one. 

2. Communicate your relevant experience in any interview. 

For example, consider some skills that apply to all industries: 

Communication skills
Reliability
Problem solving
Punctuality
Self-discipline 

3. Have a salary in mind.

4. Familiarize yourself with online tools now. 

pivotという語のこのような意味はほとんどの辞典の語義には載っていません。

(ウィズダム)
pivot
1旋回[回転]軸, ピボット; 旋回運動.
2[通例単数形で]中心となる人[物]; 中心点; 要点(pivot point)

ネイティブ向けのウエブスターにはan adjustment or modification made (as to a product, service, or strategy) in order to adapt or improve(適応や改良のために(製品やサービス、戦略などに)施された調整や修正)という意味を載せていました。例文も今の動きを反映したものになっています。

4: a usually marked change
The idea of allowing a [marijuana] dispensary in the city is a pivot from the stance previously held by the council, which voted in early 2018 to ban sales in the city.
— Katie Sobko
especially : an adjustment or modification made (as to a product, service, or strategy) in order to adapt or improve
A global pandemic strikes a business. The adaptable owner assesses the situation, predicts the future, and starts their pivot.
(世界的な感染症は事業に影響を及ぼす。適応力のある経営者は状況を見極め、将来を予測し、事業転換を始める)
— Jodie Cook
The company even redesigned its logo to look more like an electrical plug to emphasize its pivot to battery-powered vehicles.
(その会社はロゴすらもデザインし直して電気プラグのように見えるようにしバッテリー駆動の自動車であることを強調した)
— Andrew J. Hawkins

この語義はコロナ禍の前に使われていたようで、以下のアクセンチュアの本の紹介はコロナの前のものです。元々あった後が世界の変化にぴったりとあった例ですね。




掲載日:2012/07/13
「ピボット」(pivot)とは、本来「回転軸」を意味する英語で、転じて近年は企業経営における「方向転換」や「路線変更」を表す用語としてもよく使われます。とりわけスタートアップ企業が当初の事業戦略に行き詰まって、大きな軌道修正を余儀なくされたり、まったく別のアイデアに取り組んだりすること、またそうした経営判断そのものを「ピボット」と呼んでいます。

コロナ禍で使われるようになった語の分析記事を読んで面白かったのは、今まで使われたことがない本当の新語というのはCOVID-19ぐらいだというくだりです。元々あった馴染みのなかった表現が状況の変化によって日の目を見たというのが実情のようです。

September 25, 2020 10.26pm AEST

Although the editors have documented many coronavirus-related linguistic shifts, some of their observations are surprising. They claim, for example, that the pandemic has produced only one truly new word: the acronym COVID-19.

Most of the coronavirus-related changes that the editors have noted have to do with older, more obscure words and phrases being catapulted into common usage, such as reproduction number and social distancing. They’ve also documented the creation of new word blends based on previously existing vocabulary.

 

“get on top of 〜” の意味とは?

 


たまたま日本関連ということで5月のニュースを見ていたらget on top ofという表現が使われていました。

1:40あたりから
Michiyo Ishida joins us for more from Tokyo.
Michiyo, authorities will be hoping this extension is enough to get on top of the cases.
イシダ・ミチヨが東京から参加してより詳しく報告します。
ミチヨ、当局が期待しているのは、この延長があれば事態を収拾できることです。

この表現の詳しい説明は次のサイトがとても勉強になります。get関連の表現を使いこなすのは難しいですが、意味は取れるようにはなっておきたいです。

 yoko osada   0  2021年5月12日

マニアックな視点としては、どうしてウィズダムではこの意味を載せてくれていないか、です。ジーニアスやオーレックスにはありますね。物書堂で複数の辞書を買うべき理由がこういうところにあります(笑)。

ウィズダム
<仕事・問題などが>A<人>を悩ませる, Aの負担になる

ジーニアス
〈事が〉〈人〉の負担になる;  〈人が〉〈事〉を克服する(→on (the) TOP of ⑷)
get on top of the situation
事態を収拾する.

オーレックス
① 〔人〕の手に余る
Things are getting on top of us.
事態は我々の手に負えなくなってきている
② 〔仕事など〕をうまく処理する

オックスフォードはこの意味を載せていますが、他の英英辞典は載せていません。ウィズダムはコーパスで用例の数を見ているので、もしかしたらこの意味の用例数が少なくて省いたことも考えられます。コロナ禍の英文を集めたコーパスなら用例数が増えているかもしれません。

オックスフォード
to manage to control or deal with something
How will I ever get on top of all this work? 

ロングマン
get on top of somebody
if your work or a problem gets on top of you, it begins to make you feel unhappy and upset
 Things are starting to get on top of him.

ケンブリッジ
get on top of someone
 If a difficult situation gets on top of you, it makes you feel so upset that you cannot deal with it:
She's had a few financial problems, and I think things have just been getting on top of her.

2020年3月の頃の英国ジョンソン首相の演説でもこの表現が使われていました。



1分あたりから
What I want to do is get on top of it, at the moment the disease is proceeding in a way that does not seem to be responding to our intervention. I believe a combination of the measures we are asking the public to take and testing progress will enable us to get on top of this within the next 12 weeks.
やりたいことは事態の収拾です。現在、この病気の広がり方は我々の対策に応じているようにはなっていません。きっと組み合わせることによって、国民にお願いしている対策と試験の進捗によって、事態の収拾が今後12週間で可能になるでしょう。

つい最近のBBSニュースでもこの表現が使われていました。

By Andreas Illmer and Frances Mao
BBC News

These places in the Asia Pacific region have all been praised for their pandemic response; with several ranked among the best in the world.
アジア太平洋地域のこれらの場所はすべてで感染症対策が賞賛されてきました。世界最高として評価されている国もいくつかあります。

All were able to get on top of Covid-19 in 2020 through aggressive actions like strict lockdowns and contact tracing, which were later often replicated by the rest of the world.
すべての国々が新型コロナウィルスの収拾を2020年ではできていました。積極的な対応、厳しいロックダウンや感染追跡によるもので、これらは他の世界の国々にも採用されることもありました。

Yet in the second year of the pandemic, they are being challenged by new issues. Stronger variants have broken through established defences, creating the worst outbreaks yet in some countries.
ただ感染症の2年目は、新たな問題に直面させられています。感染力の強い変異株が確立された予防策を破り、現時点で最悪の感染者数を出している国が出ています。

だいぶコロナ禍にも慣れてきましたが、昨年の最初の頃の楽観、中途の絶望感、など我々の見通しや受け止め方も随分と変わってきていることがわかります。3ヶ月もあれば収拾すると見ていた当時のジョンション首相を笑うのは簡単ですが、先が読めない中での決断の難しさがわかります。もちろん、現在進行形のことで油断できる段階にはありませんが、全くわからないのとある程度わかるとでは、気分の余裕が随分と変わるものです。

使われる言葉にしてもlockdownやsocial distancingなどの目新しい語義だけではなくても、コロナ禍の英語では普通の語だとしてもコーパスの順位に影響が出そうです。その扱いの方法について議論がいろいろされるのではないでしょうか。
 

火力発電って日本では石炭とかLNGがメインなのね

 


 

「環境分野のノーベル賞」と呼ばれるゴールドマン環境賞に、石炭火力発電所計画中止を導いた平田仁子という活動家の方が選ばれたそうです。

 

Kimiko Hirata

2021 Goldman Prize Recipient

Islands and Island Nations

 

After the Fukushima Daiichi nuclear disaster of 2011, Japan was forced to move away from nuclear power and, in its place, embraced coal as a major energy source. Over the past several years, Kimiko Hirata’s grassroots campaign led to the cancellation of 13 coal power plants (7GW or 7,030MW) in Japan. These coal plants would have released more than 1.6 billion tons of CO2 over their lifetimes. The carbon impact of Hirata’s activism is the equivalent of taking 7.5 million passenger cars off the road every year for 40 years.

 

2011年の福島第一原発事故の後、日本は原子力発電への依存からの脱却を余儀なくされ、他方で石炭火力を主要なエネルギー源として推し進めてきました。平田仁子氏は、過去数年にわたりこの石炭火力問題について活動を続け、それが契機となり、日本国内の13基の石炭火力発電所(7GWまたは7,030MW)が中止に至りました。もしこれらの石炭火力発電所が建設されていれば、その寿命の間に累積で16億トン以上もの二酸化炭素(CO2)を排出していたはずでした。平田氏の活動がもたらしたCO2削減への影響は、40年間にわたり年750万台の自家用車利用によるCO2が削減されたことに相当します。

 

てっきり火力発電は石油がメインかと思ったら、メインはLNGガスと石炭なのですね。不勉強でした。

 

【エネルギー】日本の発電力の供給量割合[2019年版](火力・水力・原子力・風力・地熱・太陽光等) 2020/04/16 体系的に学ぶ

 

発電の主要電源は、1965年頃までは水力、1973年の第一次オイルショックまでは石油、そしてその後は石油に変わって石炭とLNG、そして原子力が担っていきます。2011年の東日本大震災以降は、原子力発電の割合がほぼゼロにまで減り、その減少分の大半をLNGがカバーしています。

 

 2017年時点で、割合が最も大きなものがLNG39.8%、その他、石炭と石油を合わせた火力発電で、実に80.8%を占めています。火力発電の割合は2009年当時61.7%でした。この急速な火力発電依存の背景には、ご存知の通り原子力発電所の稼働停止があります。

 

******

 

今でも火力発電と石油を結びつけて考えられることが多いですが、発電における石油の割合は大きくはありません。もちろん、原油はガソリンという貴重なエネルギー源でもありますので、エネルギー全体にとって重要性が低いわけでは決してありません。原油の輸入元も、過去しばらくは中東依存度を下げるためインドネシアからの輸入が増加していましたが、インドネシアの経済発展に伴い原油が輸出に回せなくなった結果、中東依存度は90%近くにまで戻っています。最近はイランからの原油輸入も減る一方、ロシアからの輸入が増えています。

 

今となっては原子力発電に頼れない日本。石炭火力の輸出は見直すと環境相は言っているそうですが、国内での方向性はどうなるのでしょうか。

 

小泉環境相、石炭火力の輸出支援を見直しへ G7首脳宣言受け

6/15() 18:54配信 毎日新聞

小泉進次郎環境相は15日の閣議後記者会見で、高効率の石炭火力発電事業に限り輸出を継続するという日本の方針は、主要7カ国首脳会議(G7サミット)の合意上「認められないというのは明確だ」とし、今年11月の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)までに見直す姿勢を示した。

 

G7サミットの共同宣言でもガッツリ書かれています。日本国内の石炭火力発電所は、排出削減対策が講じられているから大丈夫なのでしょうか。

 

G7サミット 共同宣言の全文(英語)外務省サイトから

 G7サミット 共同宣言の全文  (日本語)日経サイトから

 

Recognising that coal power generation is the single biggest cause of greenhouse gas emissions, and consistent with this overall approach and our strengthened NDCs, domestically we have committed to rapidly scale-up technologies and policies that further accelerate the transition away from unabated coal capacity, consistent with our 2030 NDCs and net zero commitments. 

石炭火力発電が温室効果ガス排出の唯一最大の原因であることを認識し、また、このアプローチ全体及び我々の強化された「国が決定する貢献(NDCs)」に沿って、我々は国内的に、我々の2030NDCs及びネット・ゼロ・コミットメントと整合的な形で、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電からの移行を更に加速させる技術や政策の急速な拡大にコミットした。

 

This transition must go hand in hand with policies and support for a just transition for affected workers, and sectors so that no person, group or geographic region is left behind.

この移行は、誰一人、どの集団も、又はどの地域も取り残されないよう、政策、そして影響を受ける労働者及び部門にとっての公正な移行に対する支援と密接に関連を持って進めていかねばならない。

 

To accelerate the international transition away from coal, recognising that continued global investment in unabated coal power generation is incompatible with keeping 1.5°C within reach we stress that international investments in unabated coal must stop now and we commit now to an end to new direct government support for unabated international thermal coal power generation by the end of 2021, including through Official Development Assistance, export finance, investment, and financial and trade promotion support. 

石炭から離れるというこの国際的移行を加速させるため、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への継続した世界的な投資が1.5度を射程の範囲内とし続けることと相容れないことを認識した上で、我々は、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への国際的な投資をすぐ止めなければならない点を強調し、政府開発援助、輸出金融、投資、金融・貿易促進支援等を通じた、排出削減対策が講じられていない石炭火力発電への政府による新規の国際的な直接支援の2021年末までの終了に今コミットする。

 

This transition must also be complemented by support to deliver this, including coordinating through the Energy Transition Council. We welcome the work by the Climate Investment Funds (CIFs) and donors plan to commit up to $2 billion in the coming year to its Accelerating the Coal Transition and Integrating Renewable Energy programs. These concessional resources are expected to mobilize up to $10 billion in co-financing, including from the private sector, to support renewable energy deployment in developing and emerging economies.

この移行は、エネルギー移行委員会を通じた調整を含め、これを達成するための支援によって補完されなければならない。我々は、気候投資基金(CIFs)による作業、及び来年最大20億ドルを「石炭からの移行促進」及び「再生可能エネルギーの統合」プログラムに拠出するドナーの計画を歓迎する。開発途上及び新興国・地域における再生可能エネルギーの発展を支援するため、これらの譲許的資金は、民間部門からのものを含む共同融資によって100億ドルまで動員されることが期待されている。

 

We call on other major economies to adopt such commitments and join us in phasing out the most polluting energy sources, and scaling up investment in the technology and infrastructure to facilitate the clean, green transition. 

我々は、その他の主要経済国・地域に対し、こうしたコミットメントを採用するよう求め、また、最も汚染の激しいエネルギー源をフェーズアウトし、クリーンかつグリーンな移行を促進するため技術とインフラへの投資を拡大することについて我々に加わるよう求める。

 

More broadly, we reaffirm our existing commitment to eliminating inefficient fossil fuel subsidies by 2025, and call on all countries to join us, recognising the substantial financial resource this could unlock globally to support the transition and the need to commit to a clear timeline.

より大きい点では、我々は、2025年までに非効率な化石燃料補助金を終了させるとの我々の既存のコミットメントを再確認し、全ての国に対し、これによって移行を支援するために世界的に利用可能となる多くの資金源や明確なタイムラインにコミットする必要性を認識し、我々に加わるよう求める。

 

 

Build Back Better

 


久しぶりの更新となりました。学習記録としてもう少し頻繁にアップしていきたいものです。

G7サミットでのスローガンBuild Back Betterについて興味深い動画がありました。誰が言い出したのかということですが、昨年から使われ始めた言葉だったのですね。コロナ禍からの回復を指していますが、政治スローガンとなっているので特に米国の思惑も込められたもののようです。

Our Shared Agenda for Global Action to Build Back Better
We, the leaders of the Group of Seven, met in Cornwall on 11-13 June 2021 determined to beat COVID-19 and build back better.

より良い回復のためのグローバルな行動に向けた我々の共通のアジェンダ
我々G7の首脳は、2021年6月11~13日、英国コーンウォールで集い、新型コ ロナウイルスに打ち勝ち、より良い回復を図ることを決意した。

日本の場合はオリンピックがあるせいか、どのように回復の方向性を出すべきか、よりもオリンピックやりますよというのに精一杯のようですが。。。

また、新型コロナ ウイルスに打ち勝つ世界の団結の象徴として、安全・安心な形で2020年東京オリンピ ック・パラリンピック競技大会を開催することに対する我々の支持を改めて表明する。

and reiterate our support for the holding of the Olympic and Paralympic Games Tokyo 2020 in a safe and secure manner as a symbol of global unity in overcoming COVID-19.

バイデン大統領にとっては、大統領になる前からの景気回復スローガンで、グリーン社会への転換も込められている感じです。



昨年の11月の時点での記事ですが、本来は津波とか災害の後の復興を意味するものだったのが、コロナ禍もあり昨年から政治的な意味合いを持ち始めたとか。

Conservative and Democrat have exactly the same slogan for their economic-recovery plan 
Adam Forrest Thursday 05 November 2020 11:05

The phrase comes from disaster relief management, rather than politics.  

It was first used by the United Nations in the aftermath of the 2004 Indian Ocean tsunami — but wasn’t formalised into a structure until 2015, when Build Back Better (BBB) became part of the UN’s official “risk reduction framework” to help prevent future disasters.

It did not catch on in the world of political spin until after the pandemic stuck and lockdowns caused economies around the world to nosedive.  

New York governor Andrew Cuomo was the first major politician on either side of the Atlantic to use it when talking about his own state’s recovery plan in April of this year.

サミットに合わせて行われた日米首脳会談ではBuild Back Better Worldという途上国向けのインフラ支援策としても使われているようです。日本の場合は、オリンピック開催支持を取り付けることが最優先課題のようで、ここでも盛り込ませていますね。

President Biden affirmed his support for strengthening our alliance, extending U.S.-Japan cooperation to new areas like the Build Back Better World (B3W) initiative and strengthening our shared ties with other allies and partners. President Biden affirmed his support for the Tokyo Olympic Games moving forward with all public health measures necessary to protect athletes, staff and spectators. President Biden expressed pride in the U.S. athletes who have trained for the Tokyo Games and will be competing in the best traditions of the Olympic spirit.

バイデン大統領は、日米同盟の強化、Build Back Better World(B3W)イニシアチブなど新分野での日米協力の拡充、他の同盟国やパートナーとの共通の関係強化へ向けた支持を確認した。バイデン大統領はまた、選手やスタッフ、観客を守るために必要な公衆衛生対策を万全にし、東京オリンピックを前に進めていくことへの支持を確認した。バイデン大統領は、東京大会に向けてトレーニングを重ね、オリンピック精神という最高の伝統の中で競う米国のアスリートたちを誇りに思うと述べた。

すでにWikipediaで項目が立っていて中国の一帯一路に対抗するものとあります。

(Wikipedia)
Build Back Better World or B3W is an initiative undertaken by G7 countries. Launched in 2021, the initiative is designed to counter China's strategic influence by providing an alternative to the Belt and Road Initiative for the infrastructural development of the low and middle income countries

こちらの記事でも来歴を教えてくれます。

日本語として厄介なのは訳語の選択。サミットでは「より良い回復」と外務省は訳していますが、災害関連の場合は「より良い復興」となっているようです。

(Wikipedia)
「より良い復興」(ビルド・バック・ベター、英語: Build Back Better)とは災害の復旧・再建・復興について発災前より準備をし、災害リスク削減を開発施策に取り込むことなどを指す言葉である[1]。
2015年仙台で開催された第3回国連防災世界会議で採択された仙台防災枠組で公式に定義された。これにより「よりよい復興」(Build Back Better) は特定の固定観念として防災の世界での世界標準の言葉となった[2]。

こういうのが日本語の面倒なところですので、英語は英語で学ぼうと言いたくなるのもわかります。
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