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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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只管朗読だけではない

 

國弘流英語の話しかた國弘流英語の話しかた
(1999/12/25)
國弘 正雄

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國弘正雄さんとういうと英語学習者にとっては音読を勧めた「只管朗読」の提唱者といった印象が強いです。自分も大学生の頃、上記の本を読んで刺激を受けたものです。もちろん、第一線の通訳として活躍されただけあって、それだけでは終わっていないんですよね。例えば、『アメリカ英語の常識』という本のような本も出されています。


アメリカ英語の常識 地理編 上アメリカ英語の常識 地理編 上
(1981/07)
国弘 正雄

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歴史の知識の重要性は、日本語をものにしようとする外国人のことを思えばすぐ分かります。
関ヶ原の戦いについてまったく不案内なアメリカ人に、天下分け目の関ヶ原、という日本語の慣用句がピンとくるはずはありません。
アメリカ史とアメリカ英語についても同じことがいえるのです。いずれこの本でも、アメリカ人にとっては常識以外のなにものでもないアメリカ史のできごとや、それにまつわる人名を、順を追って取り上げたいと思っています。


この本は、NewsweekやNew York Timesなどの用例を通して「アメリカ人の常識」を探ろうとするものです。新聞や雑誌の記事などを使用する理由を以下のように説明しています。

それは、ephemeral literatureのほうが、普通のアメリカ人、つまり、いわゆるエライ人でなく、何かの専門家というわけでもない市井のアメリカ人-man on the streetとかJohn Q. Publicとかいえましょう-の言語意識や常識をよりよく反映しているからです。

文学作品は高尚になりがちで、学問的議論は専門的になりがちなので、新聞や雑誌を通して学んでいく立場を明確にされています。

その点、ありふれた雑誌や新聞ですと、アメリカの平均的市民の「ことば」と「こと」と「こころ」をほぼ忠実に映し出していると考えられます。

そういうわけで、以下に紹介する英文は、いずれも斬れば血が出るような、生きた現代アメリカ英語の用例です。お高くとまったところもなければ、斜にかまえたり、しかつめらしかったりすることもありません。

安心して読み、アメリカ英語の常識を深めていっていただきましょう。


こういうトピックを扱える英語教師はほとんどいなくなってしまっています。こんなのは英語学習でなくて雑学だという批判もあるかもしれませんが、アメリカ人なら誰でも知っているようなことは日本人は意外と知らない(もちろんその逆もあります)ことが多い。だからこそ、その差を自覚し、少しでも縮めていこうと実践を積み重ねる態度はとても大事ではないかと思うのです。まえがきの先生の言葉も志の高さを十分に感じます。

しかし、通じさえすれば、というような安直な気分では、通じる英語さえついには身につかない、とうことになりかねません。十を望んで五しか身につかないのは、人の世の常だからです。
たとえ、自分の英語のperformanceのレベルは低かろうとも、目標とすることはやはり、高くなければならない、と私は思います。そして、イギリスの詩人William Wordsworthがロンドン橋で詩った「暮らしは低く、されど思いは高く」という一節を思いおこしてしまうのです。


最後のワーズワスの言葉はWritten In London - September, 1802
という詩の一節Plain living and high thinkingからです。タイトルをクリックしていただくと朗読してくれているサイトに飛びます

Written In London - September, 1802

by William Wordsworth (1770-1850)

Read by Christopher Hassall
O Friend! I know not which way I must look

For comfort, being, as I am, opprest,

To think that now our life is only drest
For show; mean handy-work of craftsman, cook,

Or groom! — We must run glittering like a brook

In the open sunshine, or we are unblest:

The wealthiest man among us is the best:

No grandeur now in nature or in book

Delights us. Rapine, avarice, expense,

This is idolatry; and these we adore:

Plain living and high thinking are no more:

The homely beauty of the good old cause

Is gone; our peace, our fearful innocence,

And pure religion breathing household laws.


孫引きの孫引きになりますが以下がこの詩の日本語訳です。「ワーズワース詩集」田部重治選訳・岩波文庫からだそうです。

おゝ友よ、われいずれの方(かた)に慰めを求むべきやを知らず、
 今われらが生活は外観のために飾られたるに過ぎざるを、
 思えばあまりにも腹だたし。…
 質素なる生活、高遠なる思索は既になく、
 昔ながらの善(よ)き主張の飾りなき美は去り、
 われらの平和、われらの敬虔(けいけん)に充(み)つる天真(てんしん)、
 家法となれる純粋なる宗教もすべて失せたり。


こういう、昔は清廉で今は強欲になった的な愚痴は200年も前からあったのようです(苦笑)。文学的な重要性はあまりないようで、同年同月に作詩されたウェストミンスター橋でのほうがはるかに有名なようです。対訳版の岩波文庫はこちらの詩しか入っていません。


対訳 ワーズワス詩集―イギリス詩人選〈3〉 (岩波文庫)対訳 ワーズワス詩集―イギリス詩人選〈3〉 (岩波文庫)
(1998/09/16)
ワーズワス

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地上にこれほどまでに美しい光景があろううか。
その壮麗さがかくも心を打つ光景を
見過ごして行き去る者を鈍感と呼ぼう。
この都市はいま、まるで華やかな衣装のような
朝の美しさを身に纏う。物言わず、あらわに、
船や、塔や、円屋根や、劇場や、教会が
広野と大空とにその姿を見せている。
あかあかと、煤一つない大気のなかで煌めき、
太陽がかつてかくも美しくその曙光に
谷や、岩や、丘を浸したことはない。
かつてかくも深遠な静寂を見聞きしたことはない。
河は自らの甘美な心の赴くがままに流れる。
神よ、家々はまさに眠るがごとく、
この大いなる都市の鼓動はいままさに止んでいる。




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