Posted at 2015.08.06 Category : PBS Newshour
アメリカのGoogle.comのニュースセクションで、nuclearを入力して検索するとイラン核合意の話題の方が先に表示されます。もちろん海外メディアも広島を取り上げてくれていますが、アメリカの場合はイランとの核合意の関心が先にくるようです。
米大統領 イランとの最終合意への支持を訴え
8月6日 6時05分
米大統領 イランとの最終合意への支持を訴え
アメリカのオバマ大統領は、イランの核開発問題を巡る最終合意について、「戦争をすることなく解決策を手にした」と述べ、野党・共和党が、合意への批判を強めるなか、外交による成果を強調し国民に支持を訴えました。
オバマ大統領は5日、首都ワシントン市内の大学で、イランの核開発問題の最終合意に関して演説し、「合意によってイランが核兵器を獲得するあらゆる道を断ち切り、最も包括的に査察を行うことができる」と外交による成果を強調しました。
オバマ大統領は、これまでも合意の意義を繰り返し訴えてきましたが、アメリカ議会では、野党・共和党が合意を承認しないとする決議案を提出するなど批判を強め、また、国民の世論も合意に関する賛否はきっ抗していると伝えられています。オバマ大統領は演説で、「もし議会が合意を承認しなければ、残された選択肢は中東での新たな戦争だけになってしまう。アメリカ外交の指導力への信頼性も失墜する。われわれは戦争をすることなく核開発問題の解決策を手にしており、国民はこの成果を誇りに思ってほしい」と訴えました。
今回、演説が行われた大学は50年以上前、ケネディ元大統領が核戦争の危機に直面したキューバ危機を脱したあと、核軍縮と平和の必要性を訴えた歴史的な演説を行った場所として知られています。
オバマ大統領としては、同じ場所から演説を行い、合意の意義を改めて強調することで、議会や国民に支持を訴えるねらいとみられます。
NHKのニュースでもケネディ大統領のスピーチに触れていますが、ワシントンポストの記事は現在との違いも含めて丁寧に比較してくれています。このケネディのスピーチはジェフリーサックスがこれまでで最高のスピーチと絶賛しているものでこのブログで以前取り上げました。
Obama will echo Kennedy’s American University nuclear speech from 1963
By Steven Mufson August 4
What kind of peace do I mean? What kind of peace do we seek? Not a Pax Americana enforced on the world by American weapons of war. Not the peace of the grave or the security of the slave. I am talking about genuine peace, the kind of peace that makes life on earth worth living, the kind that enables men and nations to grow and to hope and to build a better life for their children--not merely peace for Americans but peace for all men and women--not merely peace in our time but peace for all time.
わたしの言う平和とはどのようなことでしょう。わたしたちの求める平和とはどのようなものでしょう。それは、アメリカの軍事力によって世界に強制的にもたらされるパクス・アメリカーナではありません。それは、墓場の平安でも、奴隷の安全でもありません。わたしは、真の平和、すなわち、この地球上での生活を生きる価値のあるものにする平和、人と国が成長し、希望を持ち、子孫のためにより良い生活を作り上げることのできる平和、アメリカ人のためだけではなく、世界中の人々のための平和、今の時代だけではなく、あらゆる時代での平和について話したいと思います。
I speak of peace, therefore, as the necessary rational end of rational men. I realize that the pursuit of peace is not as dramatic as the pursuit of war--and frequently the words of the pursuer fall on deaf ears. But we have no more urgent task.
したがって、わたしは、合理的な人々にとっての、必然的、合理的な目標である平和についてお話しします。平和の追求は戦争の追求ほど劇的なものではなく、平和の追求者の言葉はしばしば人々に無視されます。しかし、これほど緊急を要する仕事はほかにないのです。
Our problems are manmade--therefore, they can be solved by man. And man can be as big as he wants. No problem of human destiny is beyond human beings. Man's reason and spirit have often solved the seemingly unsolvable--and we believe they can do it again.
われわれの問題は、人間が作り出したものです。ならば、人間の手で解決できるはずです。人は自分が望むだけ大きくなることができます。人間の運命の問題で、人間の力の及ばない場所にあるものなどありません。人間は、その理性と精神によって、解決不可能に思われた問題をも解決してきました。今、同じことをできるはずだとわれわれは信じます。
And if we cannot end now our differences, at least we can help make the world safe for diversity. For, in the final analysis, our most basic common link is that we all inhabit this small planet. We all breathe the same air. We all cherish our children's future. And we are all mortal.
しかし、相違があっても世界が平穏であり続けるように力を注ぐことはできます。究極のところ、われわれを結びつけるもっとも根本的な絆は、小さな地球の上でともに生きている、という事実です。われわれはみな同じ空気を吸い、子どもたちの将来を同じように大切に思います。われわれはみな命に限りのある人間です。
そんなことはないかもしれませんが、「核の悲惨さ」という誰も否定し得ないものを取り上げて、イランへの弱腰はイランの核攻撃を可能にして、悲惨な出来事を中東で生み出すかもしれない。だからこそ、悲劇を繰り返さないためにもイランには強硬な立場をとらなくてはいけないという方向に使われしないか心配になってしまいます。
米大統領 イランとの最終合意への支持を訴え
8月6日 6時05分
米大統領 イランとの最終合意への支持を訴え
アメリカのオバマ大統領は、イランの核開発問題を巡る最終合意について、「戦争をすることなく解決策を手にした」と述べ、野党・共和党が、合意への批判を強めるなか、外交による成果を強調し国民に支持を訴えました。
オバマ大統領は5日、首都ワシントン市内の大学で、イランの核開発問題の最終合意に関して演説し、「合意によってイランが核兵器を獲得するあらゆる道を断ち切り、最も包括的に査察を行うことができる」と外交による成果を強調しました。
オバマ大統領は、これまでも合意の意義を繰り返し訴えてきましたが、アメリカ議会では、野党・共和党が合意を承認しないとする決議案を提出するなど批判を強め、また、国民の世論も合意に関する賛否はきっ抗していると伝えられています。オバマ大統領は演説で、「もし議会が合意を承認しなければ、残された選択肢は中東での新たな戦争だけになってしまう。アメリカ外交の指導力への信頼性も失墜する。われわれは戦争をすることなく核開発問題の解決策を手にしており、国民はこの成果を誇りに思ってほしい」と訴えました。
今回、演説が行われた大学は50年以上前、ケネディ元大統領が核戦争の危機に直面したキューバ危機を脱したあと、核軍縮と平和の必要性を訴えた歴史的な演説を行った場所として知られています。
オバマ大統領としては、同じ場所から演説を行い、合意の意義を改めて強調することで、議会や国民に支持を訴えるねらいとみられます。
NHKのニュースでもケネディ大統領のスピーチに触れていますが、ワシントンポストの記事は現在との違いも含めて丁寧に比較してくれています。このケネディのスピーチはジェフリーサックスがこれまでで最高のスピーチと絶賛しているものでこのブログで以前取り上げました。
Obama will echo Kennedy’s American University nuclear speech from 1963
By Steven Mufson August 4
What kind of peace do I mean? What kind of peace do we seek? Not a Pax Americana enforced on the world by American weapons of war. Not the peace of the grave or the security of the slave. I am talking about genuine peace, the kind of peace that makes life on earth worth living, the kind that enables men and nations to grow and to hope and to build a better life for their children--not merely peace for Americans but peace for all men and women--not merely peace in our time but peace for all time.
わたしの言う平和とはどのようなことでしょう。わたしたちの求める平和とはどのようなものでしょう。それは、アメリカの軍事力によって世界に強制的にもたらされるパクス・アメリカーナではありません。それは、墓場の平安でも、奴隷の安全でもありません。わたしは、真の平和、すなわち、この地球上での生活を生きる価値のあるものにする平和、人と国が成長し、希望を持ち、子孫のためにより良い生活を作り上げることのできる平和、アメリカ人のためだけではなく、世界中の人々のための平和、今の時代だけではなく、あらゆる時代での平和について話したいと思います。
I speak of peace, therefore, as the necessary rational end of rational men. I realize that the pursuit of peace is not as dramatic as the pursuit of war--and frequently the words of the pursuer fall on deaf ears. But we have no more urgent task.
したがって、わたしは、合理的な人々にとっての、必然的、合理的な目標である平和についてお話しします。平和の追求は戦争の追求ほど劇的なものではなく、平和の追求者の言葉はしばしば人々に無視されます。しかし、これほど緊急を要する仕事はほかにないのです。
Our problems are manmade--therefore, they can be solved by man. And man can be as big as he wants. No problem of human destiny is beyond human beings. Man's reason and spirit have often solved the seemingly unsolvable--and we believe they can do it again.
われわれの問題は、人間が作り出したものです。ならば、人間の手で解決できるはずです。人は自分が望むだけ大きくなることができます。人間の運命の問題で、人間の力の及ばない場所にあるものなどありません。人間は、その理性と精神によって、解決不可能に思われた問題をも解決してきました。今、同じことをできるはずだとわれわれは信じます。
And if we cannot end now our differences, at least we can help make the world safe for diversity. For, in the final analysis, our most basic common link is that we all inhabit this small planet. We all breathe the same air. We all cherish our children's future. And we are all mortal.
しかし、相違があっても世界が平穏であり続けるように力を注ぐことはできます。究極のところ、われわれを結びつけるもっとも根本的な絆は、小さな地球の上でともに生きている、という事実です。われわれはみな同じ空気を吸い、子どもたちの将来を同じように大切に思います。われわれはみな命に限りのある人間です。
そんなことはないかもしれませんが、「核の悲惨さ」という誰も否定し得ないものを取り上げて、イランへの弱腰はイランの核攻撃を可能にして、悲惨な出来事を中東で生み出すかもしれない。だからこそ、悲劇を繰り返さないためにもイランには強硬な立場をとらなくてはいけないという方向に使われしないか心配になってしまいます。
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