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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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Agree to Disagreeは大事だろうけど、不快だ

 
堀川さんの『原爆供養塔』と一緒に買った古市さんの『誰も戦争を教えられない』も同じように読了しました。

堀川さんの本はテレビ局出身のジャーナリストということで買わずにいたんですが、もっと早くに読んでおけばよかったと思いました。丁寧に取材をしたとても読み応えのある本になっています。記者会見とかぶっている部分もありますが、本では佐伯さんの人生の振り返りが最初の方の章にあったおかげで、供養塔を大事にしなければいけなかったこと、遺骨の身元がわからないからといって邪険にはできないことが、一層共感できました。佐伯さんの「知った者は歩き続けなくてはならないのよ」という言葉が身にしみます。

一方の古市さんの本は、単行本出版時にももクロに戦争についてインタビューをしたことが話題になりましたね。その文庫本が『誰も戦争を教えられない』となってでたので買ってみました。テレビでお騒がせの人でしたが、旅先で博物館に訪れたりする身としては世界各地の戦争博物館巡りに興味を持ったので、食わず嫌いもよくないと思って買ってみました。

まあ、単行本の『誰も戦争を教えてくれなかった』で星1つの酷評レビューがあったのもうなづけます。戦争博物館の体験と戦争の知識を整理しているだけで、実際に戦争ではどういうことがあったのかということまでは深く切り込んでいくようなことは一切しないんですよね。当時の住所と名前だけを頼りに遺骨の身元を確認しようとする堀川さんとの熱意の差を感じるばかりです。ご本人としては70年前の戦争と現在の戦争は形を変えているのだから知っても大して役立たないという部分もあるようです。

授業で悪ぶれずに「教えてもらってないのでできません」と口をとがらせて答える生徒のような印象をどうしても彼にはもってしまいます。Agree to disagreeという言葉は語るにはかっこいいですけど、実際に信条に合わないような人についていくのは苦痛ですね(汗)もちろん、自分と意見が違うものも尊重しなければいけないという大原則を否定するつもりはありません。この不快さを受け止めることがAgree to disagreeの真髄なのでしょう。じゃないと、話せばわかるといういいながら、自分の意見を押し付けるだけの人になってしまいますから。。。

そうはいっても、細かな部分では学ぶことがありました。中国では愛国教育として日本軍の残酷さを伝えるようなことが行われていますが、実際の博物館では子供向けにディズニー映画を放映しているそうです。また、多くの戦争関連施設の建設には乃村工藝社という会社が携わっていること。

この部分を読んで、やっぱりトップダウンの教育の息苦しさ、堅苦しさを感じるのは中国の人も同じなんだなと少しホッとしました。また、乃村工藝社という会社を知ることで、博物館建設というのも一種のビジネスなんだなと改めて意識しました。

ただ、やっぱり以下のような文言をしらっと語る態度には不快さしか感じません。

歴史に関する知識がないからこそ、多様な価値観とフラットに付き合っていくことができる。自分たちが歴史を「知らない」とわかっているからこそ、謙虚に歴史に向き合うことできる。


知識がないところっと騙されちゃうんじゃないの?、謙虚に向き合えずに、単なる現状の押し付けになってしまうんじゃないの?と思ってしまいます。どの国もどの人も「知らない」人に優しく教えてくれるとでもいうのでしょうか。現実感覚のなさが残念です。いい例じゃないかもしれませんが、1954年の第五福竜丸が船長が被爆後に一切無線を利用せずに日本に向かったのは、無線が米軍に傍受されると何をされるかわからないことを戦争体験で知っていたからといいます。

まあ、期待できないのは読む前からわかっていたじゃん、と言われてしまいそうですね。一番よかったのは、彼が最後に紹介してくれた曲でしょうか。。。


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