Posted at 2016.01.28 Category : 未分類
日向先生イチオシのGSL単語リスト。基本単語リストというのはVOAやOxford、Longman作成していますよね。これらとどう違うのか、ざっくりと見てみようというのが今回の趣旨です。
日向先生がいいと言っているからGSLをやるべきだ、というのは従来の「出羽の神」となんら変わりありませんから、ちょっとクリティカルシンキングとやらをやってみます。
逆転英語サイトというサイトがGSLのリストや説明などを紹介してくださっていました。今回の比較で使ったのは1995年の改訂版です。
比較方法はクリティカルシンキングという大げさなものではなく、オックスフォードもロングマンも便利なサイトを公開してくれていますので、そこにGSLの単語を入れるだけです。
Oxfordの基本3000語が含まれているかどうかを判定してくれるサイト
Longmanの頻出3000語が含まれているかどうかを判定してくれるサイト
結果は意外にもマッチング率が思った以上に低かったです。オックスフォードもロングマンももっと重複すると思ったのですが、意外にそれぞれ個性を出しているものなんですね。
GSLにOxford基本3000語がどれだけ含まれているか
Words checked = [2284]
Words in Oxford 3000™ = [83%]
GSLにLongman頻出3000語がどれだけ含まれているか
Word count: 2285; Percentage in wordlist: 64.9%
今回ざっくり比較してみて気づいたのは難単語も含まれていること。GSLは約2000語なので中学で習うレベルばかりだと思ったら以下のような難しめのものもたくさんありました。
companionship / conqueror / descend / madden / scrape
ですから日本人英語学習者にとってGSL=基本単語という認識は厳しいかもしれません。TOEIC500程度の平均的日本人英語学習者にいきなりGSL2000語をマスターしろというのは難題に違いありません。
これに加えて指摘したいのは以下の2点です。
>GSLのベースとなった文書データは古い
>GSLは全ジャンル横断的
>GSLのベースとなった文書データは古い
この点については、先ほどご紹介させたブログがとても丁寧な説明をしてくださっているのでそのまま引用させていただきます。e-mailというのが基本語となり、名詞だけでなく動詞としても使われている中、e-mailのような当たり前となった語すらありません。TOEICだって10年で古びてしまう時代ですから。。。
改訂版ではより新しいBrownコーパスを頻度の判断に使用
GSLの初版の作成の際に使われたコーパスは
1920-30年代に集められた文献や書籍などを基にしたものでした。
そのためGSL初版の収録単語には
shilling(=シリング。昔のイギリスの通貨単位の一つ)などの
時代遅れでほとんど使われなくなったような単語や
carriage(馬車)、cultivate(耕す)などのように
使われる頻度がだいぶ減って基礎単語とは
言えないようなものも含まれています。
この古いコーパスによる頻度によって
学習の優先順位が付けられたのでは、
学習者にとっては使いにくいリストとなってしまいますので、
より新しいコーパスでGSL収録単語の
学習優先度の順位付けをやり直す必要がありました。
GSLの改訂版では、この問題をBrownコーパスを使うことにより、
ある程度解消することができました。
ちなみにBrownコーパスとは、1961年にアメリカで刊行された
新聞・雑誌・宗教・趣味・文化・手紙・政府書類・科学・小説など
15のジャンルにわたる文献から、
それぞれを代表する約2000語のテキストを500個集めて、
合計100万語にのぼる初の電子コーパスです。
コーパスの収録語数はオリジナルの1/5程度になってしまい、
1961年という年代も、現在はもちろん1995年当時から見ても
新しいとは十分に言えないものではありますが、
オリジナルがベースにした文献の年代から比べれば、
大幅(30年以上)に新しくなっていますので、
この改訂に大きな意味があったということは間違いありません。
>GSLは全ジャンル横断的
元となったコーパスが古いというと、すぐに価値がないと決めつけていまいがちですがそうではない部分もあります。改訂版ではBrownコーパスを採用したそうですが、ジャンルのバランスを考えて作成しているため偏りなく学べるという利点があります。ただ、利点は欠点にもなりえます。仕事で英語が必要な人の場合は目的意識がしっかりしていますので、ジャンル横断的な単語を学ぶ優先度は下がるということです。先ほど例としてあげた難しめの単語は後回しにしていいでしょうし、ビジネスマンがaxeとかdonkeyという語をGSLが選んだという理由だけで覚える必要はないでしょう。
Yutaなりのまとめとしては、日向先生が提唱しているからといってGSL=万能というのはちょっと違うだろうということです。基本語2000語というよりは、日本語英語学習者に合わせると中級レベルの単語リストになりますので、初学者にいきなり学ばせるにはハードルが高いです。ですから、基本語の習熟度を高める必要性を考えるなら、Longmanの定義語2000などの方が優れているでしょうし、仕事に使う英語をまず学びたい人にはTOEICの方が優れているでしょう。
日向先生がいいと言っているからGSLをやるべきだ、というのは従来の「出羽の神」となんら変わりありませんから、ちょっとクリティカルシンキングとやらをやってみます。
逆転英語サイトというサイトがGSLのリストや説明などを紹介してくださっていました。今回の比較で使ったのは1995年の改訂版です。
比較方法はクリティカルシンキングという大げさなものではなく、オックスフォードもロングマンも便利なサイトを公開してくれていますので、そこにGSLの単語を入れるだけです。
Oxfordの基本3000語が含まれているかどうかを判定してくれるサイト
Longmanの頻出3000語が含まれているかどうかを判定してくれるサイト
結果は意外にもマッチング率が思った以上に低かったです。オックスフォードもロングマンももっと重複すると思ったのですが、意外にそれぞれ個性を出しているものなんですね。
GSLにOxford基本3000語がどれだけ含まれているか
Words checked = [2284]
Words in Oxford 3000™ = [83%]
GSLにLongman頻出3000語がどれだけ含まれているか
Word count: 2285; Percentage in wordlist: 64.9%
今回ざっくり比較してみて気づいたのは難単語も含まれていること。GSLは約2000語なので中学で習うレベルばかりだと思ったら以下のような難しめのものもたくさんありました。
companionship / conqueror / descend / madden / scrape
ですから日本人英語学習者にとってGSL=基本単語という認識は厳しいかもしれません。TOEIC500程度の平均的日本人英語学習者にいきなりGSL2000語をマスターしろというのは難題に違いありません。
これに加えて指摘したいのは以下の2点です。
>GSLのベースとなった文書データは古い
>GSLは全ジャンル横断的
>GSLのベースとなった文書データは古い
この点については、先ほどご紹介させたブログがとても丁寧な説明をしてくださっているのでそのまま引用させていただきます。e-mailというのが基本語となり、名詞だけでなく動詞としても使われている中、e-mailのような当たり前となった語すらありません。TOEICだって10年で古びてしまう時代ですから。。。
改訂版ではより新しいBrownコーパスを頻度の判断に使用
GSLの初版の作成の際に使われたコーパスは
1920-30年代に集められた文献や書籍などを基にしたものでした。
そのためGSL初版の収録単語には
shilling(=シリング。昔のイギリスの通貨単位の一つ)などの
時代遅れでほとんど使われなくなったような単語や
carriage(馬車)、cultivate(耕す)などのように
使われる頻度がだいぶ減って基礎単語とは
言えないようなものも含まれています。
この古いコーパスによる頻度によって
学習の優先順位が付けられたのでは、
学習者にとっては使いにくいリストとなってしまいますので、
より新しいコーパスでGSL収録単語の
学習優先度の順位付けをやり直す必要がありました。
GSLの改訂版では、この問題をBrownコーパスを使うことにより、
ある程度解消することができました。
ちなみにBrownコーパスとは、1961年にアメリカで刊行された
新聞・雑誌・宗教・趣味・文化・手紙・政府書類・科学・小説など
15のジャンルにわたる文献から、
それぞれを代表する約2000語のテキストを500個集めて、
合計100万語にのぼる初の電子コーパスです。
コーパスの収録語数はオリジナルの1/5程度になってしまい、
1961年という年代も、現在はもちろん1995年当時から見ても
新しいとは十分に言えないものではありますが、
オリジナルがベースにした文献の年代から比べれば、
大幅(30年以上)に新しくなっていますので、
この改訂に大きな意味があったということは間違いありません。
>GSLは全ジャンル横断的
元となったコーパスが古いというと、すぐに価値がないと決めつけていまいがちですがそうではない部分もあります。改訂版ではBrownコーパスを採用したそうですが、ジャンルのバランスを考えて作成しているため偏りなく学べるという利点があります。ただ、利点は欠点にもなりえます。仕事で英語が必要な人の場合は目的意識がしっかりしていますので、ジャンル横断的な単語を学ぶ優先度は下がるということです。先ほど例としてあげた難しめの単語は後回しにしていいでしょうし、ビジネスマンがaxeとかdonkeyという語をGSLが選んだという理由だけで覚える必要はないでしょう。
Yutaなりのまとめとしては、日向先生が提唱しているからといってGSL=万能というのはちょっと違うだろうということです。基本語2000語というよりは、日本語英語学習者に合わせると中級レベルの単語リストになりますので、初学者にいきなり学ばせるにはハードルが高いです。ですから、基本語の習熟度を高める必要性を考えるなら、Longmanの定義語2000などの方が優れているでしょうし、仕事に使う英語をまず学びたい人にはTOEICの方が優れているでしょう。
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