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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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Factory for peace

 
広島訪問時に岩波新書で『丹下健三――戦後日本の構想者』読んだこともあり、下記の記事はとても面白く読めました(意地悪く言えば、岩波新書の記述をベースにした感じです)。戦後すぐは原爆ドームの取り壊しも検討されていたんですね。印象に残ったのは丹下健三の言葉。

なぜ慰霊碑の向こうに原爆ドームが見えるのか? 世界的巨匠が託した思い
オバマが見た光景を作った男・建築家丹下健三
posted on 2016/05/26 12:59
石戸諭 BuzzFeed News Reporter, Japan

丹下は「爆心地に設けられる平和記念公園は、世界的な意味を持つであろう」と記し、建設の意味を、こう宣言した。

平和は訪れて来るものではなく、闘いとらなければならないものである。平和は自然からも神からも与えられるものではなく、人々が実践的に創り出してゆくものである。この広島の平和を記念するための施設も与えられた平和を観念的に記念するためのものではなく平和を創り出すという建設的な意味をもつものでなけらばならない。(丹下案)
爆心地としての広島が持つ記憶と、平和への希求から生まれる新しい施設。平和公園はそれらを統合した「平和をつくりだす工場」であること。これが、丹下が考えた被爆地・広島にある「平和記念公園」構想だった。


丹下の言葉をそのまま訳しているのではなく多少端折られていますが英語でありました。

Hiroshima Peace Memorial Park and the Making of Japanese Postwar Architecture
Hyunjung Cho


This deliberate shift in the perception of “Hiroshima,” from a painful reminder of destruction to a hopeful monument of world peace, was well illustrated in Tange’s statement in his prize- winning proposal. According to the architect, “Peace is not naturally given from the gods, but it should be searched for. This facility is not meant to commemorate peace in an abstract way, but it is for actively producing peace. I hope that my building works as a factory for peace.”

平和を創り出すための工場」という言葉は今の我々には少し違和感を感じますが、科学技術や経済発展がポジティブな意味を当時は持っていたのでしょうか。あとは建築界で有名な言葉「住居は住むための機械である」(コルビジェ)の影響もあっただろうと指摘されている人もいました。

This spiritual renewal would come through “the making of Hiroshima into a factory for peace” (heiwa o tsukuri dasu no tame kogyo de aritai).130 The choice of the imagery of a “factory” was significant, as the factory was the ideal metaphor for internationalism and modernity. While other modernists like Le Corbusier used the language of a “machine for living,” Tange presented his design as a machine for peace.

上記リンクのRan Zwigenbergの本によると平和記念公園の建設には、財源や立ち退きを要請された住民の反対もあり、被爆者への支援を最優先しろという声もあったようです。何かに対する評価というのは難しいと実感します。
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