Posted at 2016.07.10 Category : 読書報告
中東専門家である高橋和夫さんの新書を読みました。
中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490)
宗教だけで説明するような「安易な」方法はとられていません。
日本での中東理解は、どういうわけか宗教過多に陥りがちだ。宗教が難しい、だからわからなくても当然だ--。説明する方も、される方も、そうした宗教的な達観の境地にある。
本書の発想は、そうではない。たいていの事象は、宗教抜きでも理解できる。宗教的な「解説」は「わかったつもり」を生み出すだけで、理解にはつながらない。もちろん宗教の重要性を否定するわけではないが、宗教の話をしてわかったような現像にとりつかれるのは、そろそろやめにしたい。本書では、宗教のみならず政治や経済にも注目し、問題の深層に光を当てたい。
この本のおかげで中東問題がクリアに整理できました。いろいろ勉強になる点がありましたが、サウジアラビアのような国は国民意識が希薄な「国もどき」に過ぎない、中国は中東に深く関与してきている、この2点は興味深かったです。
中国は24時間アラビア語放送を始めているそうです。現在の内容は大したことがないが今後中東専門家をたくさん生み出すようになるだろうと高橋先生は評価していました。日本ではNHKニュースのアラビア語を1日数回流している程度ですから、中国との本気度の違いは明らかですよね。それにオリンピックでは専門家を養成しようとするどころか、ボランティアとして使ってしまおうと考えるくらいですからねえ。
中東から世界が崩れる―イランの復活、サウジアラビアの変貌 (NHK出版新書 490)
宗教だけで説明するような「安易な」方法はとられていません。
日本での中東理解は、どういうわけか宗教過多に陥りがちだ。宗教が難しい、だからわからなくても当然だ--。説明する方も、される方も、そうした宗教的な達観の境地にある。
本書の発想は、そうではない。たいていの事象は、宗教抜きでも理解できる。宗教的な「解説」は「わかったつもり」を生み出すだけで、理解にはつながらない。もちろん宗教の重要性を否定するわけではないが、宗教の話をしてわかったような現像にとりつかれるのは、そろそろやめにしたい。本書では、宗教のみならず政治や経済にも注目し、問題の深層に光を当てたい。
この本のおかげで中東問題がクリアに整理できました。いろいろ勉強になる点がありましたが、サウジアラビアのような国は国民意識が希薄な「国もどき」に過ぎない、中国は中東に深く関与してきている、この2点は興味深かったです。
中国は24時間アラビア語放送を始めているそうです。現在の内容は大したことがないが今後中東専門家をたくさん生み出すようになるだろうと高橋先生は評価していました。日本ではNHKニュースのアラビア語を1日数回流している程度ですから、中国との本気度の違いは明らかですよね。それにオリンピックでは専門家を養成しようとするどころか、ボランティアとして使ってしまおうと考えるくらいですからねえ。
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