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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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Not a monolith. It is malleable

 
フランスやトルコでえらいことになっていますが、銃ロビー団体のNRAについての記事で以下の部分the N.R.A. is not a monolith. It is malleableは今回の事件を考える上でも忘れずにいたいと思うのです。

This is the N.R.A. that we now take for granted, but it has existed as such for little more than a generation. And the crucial takeaway from recent history is that the N.R.A. is not a monolith. It is malleable

Not a monolith. It is malleableとしないとどうしてもISISだったり、イスラム原理主義だったりを一つの実体として、仮想敵として想定して今回の事件をみてしまいそうです。「第三次世界大戦」なんて大げさにとらえるよりも、自分としては酒井啓子先生のような分析にひかれます。

ISISの「血塗られたラマダン」から世界は抜け出せるか
2016年07月11日(月)14時30分

 こうした見方では、どうもISの核がシリアやイラクにあってそこから堅固なネットワークが世界中に拡散しているかのように捉えられがちだが、果たしてそのような命令系統が明確にあるのかどうか、不明だ。むしろ、「世界の造反有理を求めている人々に「理」と暴力の使い方を提供する集団」としてのISの使い勝手のよさが「功」を奏して、さまざまな国や地域で独自の展開を始めている、といったほうがいいのではないだろうか。
(中略)
つまりISは、既存の体制、社会に反発して「何か」を成し遂げたい人たちが、その「何か」をそのなかに映し見る、そういう存在なのだろう。そしてその「何か」に、イスラームの名のもとに「理」を与えてくれる。「造反」を掲げた若者たちに、それに「ジハード」の名を与え、それを実践するためにシリアやイラクに「参戦」を呼びかける。そして、「参戦」しなくても、「ジハード」は自分の社会のなかで――パリやブリュッセルやダッカやメディーナで――できるぞと、ハードルを下げる。

 そう考えると、ISの領域が減少していることは決してISの影響力を減退させることを意味しない。むしろISの出現によって自らの「ジハード」が正当化されたと考えた人々が、今後世界各地で独自に、自分たちの判断で行動を起こす可能性は、どこにでもある。


まだ調査中なのですが、ニースの事件ではテロ組織とは無関係の若者だったという報道がでていますね。

A Surly Misfit With No Terror Links Turned a Truck Into a Tank
By ANDREW HIGGINSJULY 15, 2016

NICE, France — He lived on the 12th floor of a high rise in a heavily immigrant housing project and was known to his neighbors only as a moody and aggressive oddball. He never went to the local mosque, often grunted in response to greetings of “bonjour” and sometimes beat his wife — until she threw him out.

The French authorities had much the same view of the man, Mohamed Lahouaiej Bouhlel, a heavyset 31-year-old from Tunisia — definitely trouble but not a grave menace to the security of the nation.


全部を説明できる仮想敵を作らずに、その現地で何が起きたのか丁寧に見ていくのは手間がかかります。やはり「ISIS」という組織や「イスラム」という宗教だけで理解しようとしたほうがその手間が省けます。ただそれをしてしまうとますます排外的に、内向きになって無批判に既存体制を支持してしまうことになってしまわないでしょうか。個々の事情を理解していくのは大変なことですが手間を惜しまず理解しようとする態度を持ちたいですね。
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