英検サイトで無料公開されている英ナビ!辞書というオンライン辞書を試してみました。どうせどっかの辞書を埋め込んだだけだと思っていたら英語学習用に工夫が凝らされているものでした。
英ナビ!辞書は、検索した英単語の意味、文型、例文の配色や見せ方を工夫し、感覚的に英文の構造や意味が理解できる、新しいカタチのオンライン辞書です。従来のようにあらゆる情報を表示する辞書は、目的の情報をみつけるのに時間がかかります。英ナビ!辞書は、専門家がゼロからコンテンツを開発し、価値の高い情報に絞って構成されているため、探したい情報がすぐにみつかります。
Yutaが感動したのは以下の部分。
語義を最小限に例文に語らせている
良さをわかってもらうため下記に抜粋しましたが、サイトは色分けもされていてもっと見やすいです。
報告する,報道する,説明する
〖S report O〗 [主語]は[目的語]を報告する
• Newspapers
did not report the news.
• 新聞はそのニュースを報道しなかった。
〖S report O《to 〜》〗 [主語]は[目的語]を報告する《〜に》
• He
reported his accident to the police.
• 彼は自分の事故を警察に報告した。
〖S report (that)節〗 [主語]は〜を報道する
• Today's
paper reports that the premier has given up the idea of visiting America.
• 今日の新聞によると、首相は渡米を断念したそうだ。
英英辞典の部分です。言い換え表現がついているものがあります。
1. 説明する 述べる 言いあらわす
to give an account
or representation of in words.
単語の説明あるいは表現を与えるために。
2. 報告する
announce as the
result of an investigation or experience or finding.
調査、経験または発見の結果として、発表する。
o Dozens of incidents of wife beatings are
reported daily in this city
o この都市では、妻に対する何十件もの虐待事件が毎日報告されている
o The team reported significant advances in
their research
o チームは研究が大幅に前進したことを報告した
語義も最小限にしているので自然と例文に目がいくようになっています。しかも文構造を一緒に理解できるようになっています。英和辞典はどうしても語義だけを読んで終わりになりやすいのでこのような工夫は英語の運用力を高めるという点で優れていますね。しかも同じページの下の方に英英辞典の語義が日本語訳と一緒に読めるので便利です。複数辞書を同時に使うのは結構面倒ですから。
とはいってもイマイチと感じる部分もあるので他の辞書と併用するのが現実的な選択になるでしょうか。
動詞以外は普通
コロケーション解説がない
句動詞の語義整理ができていない
熟語の扱いが雑
解説が必要な語句でも解説がない
「わからない語は辞書を引け」というのは正論ですが、初学者にはジーニアスやウィズダムなどは結構ハードルが高いものです。辞書引きはシャドーイングのようなもので確かに英語学習に有効なんですけど初学者には辞書はごちゃごちゃしすぎたりして必要な情報を得るのが難しすぎたりしないかと心配しています。
でもこの辞書の特徴である「日本語語義ではなく例文が中心」、「動詞の語形を色分け表示」は斬新で今後の英語学習辞典のスタンダードになるのではと思うくらいのポテンシャルを感じました。特に基本語は辞書では詳しすぎて学びづらかったものですが、この辞書なら語形表示のついた例文を読みながら勘所をつかめそうです。
Yutaはこれまでの辞書に慣れていたのでこのような見せ方は新鮮でしたし、新たな可能性を感じました。メディアが紙から電子に変わったんですから、そのメディアに最適化した見せ方があってしかるべきなんですよね。まだまだ辞書はよくなれると実感できるもので「TOEICバージョン、まだ〜〜?」とおねだりしたくなります。
この動きに刺激されて、無料で皆が使えるTOEIC辞書を作りたくなりました。
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