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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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There's no catharsis, really. There's no closure.

 
イギリスでは昨年の8月に出た本ですが、ようやくGhosts of the Tsunamiを読み始めました。著者の Richard Lloyd Parry さんはイギリス人女性ルーシー・ブラックマンさんの事件を追った本も書いているので動画では二つの本について触れています。この動画でParryさんにとって二つの本が繋がっていることがわかりました。



I think the truth is with stories like this that even though the court case came to an end and the criminal received justice. The truth is rather like the tsunami emotionally these stories don't just end, they never wrap up. There's no...  
本当のところはこのような話においては、裁判が終結して犯人に裁きが下されても、本当のところは、津波の場合と同じように、これらの話は終わることがないと思うのです。終結はないのです。

Lucy's mother once said to me, "People talk to me about finding closure and I don't know what that means, what am I going to close? And how am I going to close it?
ルーシーの母親が以前わたしに言ったことがあります。「区切りをつけたかとよく聞かれるのだけど何を言いたいのかしら。何に区切りをつけるの? 区切りなんてつけられない」

When you suffered a loss like that, when you've lost your home and your family in the tsunami, or you've lost your daughter to a killer in a foreign country, there's no catharsis, really. There's no closure. The best you can do is accommodate the new reality that you face.  
何かを失った時に、例えば津波で家や家族を失った時、外国の殺人者によって自分の娘を失ったとき、カタルシスはないのです。終わりはないのです。できることはせいぜい目の前の新たな現実に対応するぐらいです。

Ghosts of the Tsunamiは大川小学校の件も扱っているのでどうしても行政の不手際がメインになってしまいます。ガーディアンの書評もその辺りを取り上げ政治の問題に発展させています。

A compassionate and piercing look at the communities ravaged by the earthquake and tsunami that hit Japan in 2011
Eri Hotta
Wed 16 Aug 2017

一方、ニューヨークタイムズの書評では日本人の信心深さみたいなところをメインにしています。

By PICO IYER DEC. 26, 2017

この書評で津波の被害者が霊を見るケースが増えていることを報告している部分が本が出る前にLondon Review of Booksに発表していたことを知りました。もちろん本にも掲載されていますが、本に興味がある方はまずこちらを読んでもいいかもしれません。

Vol. 36 No. 3 • 6 February 2014
pages 13-17 | 7416 words
Richard Lloyd Parry

行政の不手際や政治の無能さを批判しなくていいと言いたいのではありませんが、大切な人を亡くした方の無念さ、There's no catharsis, really. There's no closure.
ということを忘れてはならないなと強く思います。
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