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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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物語の危険性

 


やはり物語には危険も伴います。ナショナルジオグラフィックの2017年10月号の記事を読むと、ドキュメンタリーと思っていた番組がやらせの部分や事実でないことが含まれていたというのです。およそ50年前とはいえ定評あるナショナルジオグラフィックがそのような番組つくりをしていたとはショックですね。

新たに見つかった未公開映像からグドールの知られざる素顔が見えてきた
2017.11.01

英語版は定期購読者しか読めないようで、やらせの部分には触れられていませんが日本語版の記事の抜粋から引用します。チンパンジーが道具を使うという発見は彼女によってもたらされたのですね。



三つの発見
 与えられた調査期間が終わりに近づいた頃、ジェーンは三つの発見をした。いずれもリーキーを大いに喜ばせただけでなく、科学界に衝撃を与える大発見だった。一つ目は、ある雄のチンパンジーが小動物の死骸にかじりついているところを観察したことだった。これは、類人猿は肉を食べないという従来の定説を覆すものだった。その雄には特徴的なあごひげが生えていて覚えやすかったため、ジェーンは「灰色ひげのデビッド」と名づけた。

 それから2週間もたたないうちに、ジェーンはデビッドに再会し、二つ目の発見をする。このとき目撃したのは、まさに常識を覆すような光景だった。アリ塚のそばにしゃがみ込んだデビッドは、細長い葉を手に持ち、それをアリ塚の穴に差し込んだ。葉を引き出すとそこにはシロアリがびっしりとついていて、デビッドは葉にしゃぶりついてアリを食べたのだ。

 三つ目の発見も、別のときにデビッドがもたらした。葉のついた小枝を手に取ると、まず葉をむしり取ってからアリ塚の穴に入れ、同じようにシロアリを「釣り上げ」た。デビッドは、道具の使用と製作という、それまで人間にしかできないと思われていたことをやっていたのだ。

 ジェーンがこの発見をリーキーに電報で知らせると、次のような返信があった。

「こうなったら道具の定義を見直すか、ヒトの定義を見直すか、チンパンジーをヒトとして認めるしかないですね」

グドールを一躍有名にしたドキュメンタリーは1965年のMiss Goodall and the Wild Chimpanzeesというものだそうで今ではYoutubeで見れます。この時のものを含めた映像を編集したのが冒頭のJaneというドキュメンタリーだそうです。



彼女は彼女自身が撮影対象となるのを嫌ったそうですが、調査の資金援助をしてくれるという申し出を拒否することもできず、双眼鏡を覗いたり、髪を洗っていたりするところを撮らせたりしたそうです。この番組には事実に基づかないこともナレーションされていたとか。

確かに今でも我々は「見たいものしか見ようとしない」です。一方彼女は調査を続けるため、環境保護を進めるため、客寄せパンダ的な役割を不本意ながらも受け入れたのでしょう。この当たりは、難しいバランスですね。


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