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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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小笠原返還50年

 
小笠原諸島が日本に返還されて今年が50年だそうですね。数年前に観光に行ったので興味を持ちました。その割りには反応が遅いですが。。。(苦笑)

日本語と英語で発信してくれているNipponというサイトでも小笠原を取り上げてくれています。英語学習者にはありがたいですね。

2018年6月、米国から日本への施政権返還50年を迎えた小笠原諸島。日米の間で翻弄(ほんろう)された複雑な歴史を振り返る。

June 2018 marks the fiftieth anniversary of the return of the Ogasawara Islands to Japan, after some two decades of US military occupation following World War II. In this series we look at how Japan and the United States have shaped the history of the remote archipelago.

自然が豊かな島というイメージですが、それは「冷戦下における秘密軍事基地化と島民の難民化という、多大な人間的犠牲」によるものではないかという視点はハッとさせられます。

石原 俊【Profile】社会
[2018.06.26]

世界自然遺産登録の背景にある「犠牲」
小笠原諸島の経済的中心である父島は1990年代以後、日本におけるエコツーリズムの最先進地域となった。そして2011年、小笠原諸島は世界自然遺産に登録される。動植物の固有種が数多く存在し、それがよく保全されていることが、世界遺産登録の理由であった。
The Sacrifices Behind the Natural Beauty
In the 1990s, Chichijima, the economic center of the Ogasawara Islands, became a prime destination for ecotourism in Japan. In 2011, the Ogasawara Islands were included on UNESCO’s World Heritage list. The islands’ fauna and flora include many endemic species, and the natural ecosystem is remarkably well preserved—these were the reasons for the islands’ inclusion on the list.

だが小笠原諸島の世界遺産登録の背景には、冷戦下における秘密軍事基地化と島民の難民化という、多大な人間的犠牲が存在している。米軍が父島の海軍施設周辺以外の開発を行わず、島の自然環境を放置した結果、父島や母島の生態系が損なわれなかったからである。そして、強制疎開から74年を経ても、硫黄列島民の帰還の見込みは全く立っていない。
But the islands’ status as a World Heritage site was built on the very real human sacrifices of the people who lived on the islands before the war, and who were forced to become refugees while the islands were used as a secret military base during the Cold War. The US armed forces did not develop the islands except for the immediate vicinity of its military facilities, and left the natural environment untouched. And today, even 74 years after they were forced to evacuate, there are still no prospects that the former inhabitants of Iwo Jima will ever be allowed to return home.

全ての住民が移住民とその子孫である小笠原諸島は、アジア太平洋の近現代史のなかで、国家によって激しく翻弄(ほんろう)されてきた島々である。施政権返還50周年を機に、小笠原諸島の特異で複雑な歴史経験が、日本そして世界の人々に広く共有されるべきである。
The population of the Ogasawara Islands have been subject to massive state interference and control. As we mark the fiftieth anniversary of the islands’ return to Japanese sovereignty, I hope that more will be done to share the story of the islands’ unique and complex history with people in Japan and around the world.

50年を迎えてどういう視点で記事を書くか、この辺りがメディアの面白いところでしょうか。帰還できない人をしっかりと取材してくれているところもありました。

小笠原返還50年
毎日新聞2018年6月25日 23時50分(最終更新 6月26日 00時10分)

戦後23年間、米国占領下に置かれた小笠原諸島(東京都小笠原村)が日本に返還されて26日で50年になる。固有の動植物が生息することから「東洋のガラパゴス」と呼ばれて2011年に世界自然遺産に登録され、観光業の従事者などで人口は増える一方、激戦地・硫黄島への帰島は許されず、戦没者の遺骨収容などの課題も残る。

2018.7.3 16:00週刊朝日
返還に伴う変化で、子どもだったセーボレーさんにとって大きかったのは、学校教育だった。

「それまで文章も英語で書いていたのに、日本語の単語をひとつひとつ習うんです。なぜいまさら新たに学ばなければいけないのかという抵抗感はありました。もちろん、次第に学ぶことの大切さに気づきましたけど」

 欧米系の島民も全員、日本国籍を取得しており、意識としては日本人。家庭ではみな日本語を話していたという。だが、米国統治時代の学校では日本語が禁止されていたため、子どもたちは読み書きができなかったそうだ。

1968年に締結された「小笠原返還協定」というのをさっと目を通してみると最後に大臣の書簡がありました。条約というと無味乾燥な文章と思いがちなんですが、いろいろな思いが詰まっていることを実感させられます。

日本国との平和条約第3条の規定に基づいて合衆国政府が行使してきた小笠原群島及びその他の諸島の施政権が、日本国に返還されることになったことは、本大臣の深く満足するところであります。このたび返還される諸島のうち、硫黄島は、太平洋戦争の過程において、最も激しい戦闘の一つが行なわれた地であります。 
The return to Japan of the administration over the Bonin and other islands which the United States Government has exercised under the term of Article 3 of the Treaty of Peace with Japan has filled me with great satisfaction. Amongst the islands that are being returned, one of the hardest battles was fought on the island of lwo-jima in the course of the Pacific War. 

 この硫黄島の摺鉢山の頂上には、勇敢に戦った合衆国海兵隊員のための記念碑があります。合衆国側がこの記念碑を長く残したい気持は、よく理解されるところであります。しかし、この戦場は、わが日本の兵士も同様に勇敢に戦った戦場であります。したがって、今回硫黄島の返還を機として、日本の兵士のための記念碑も建てられ、この二つの記念碑が両国永遠の平和を願い、かつ、両国勇士の勇敢と献身を記念するものとしてこの地に長く残ることを念願するものであります。 
There is a memorial on top of Suribachi-yama dedicated to the United States Marines who fought with great valor. I understand well the American desire to long preserve this memorial. At the same time this battlefield is one where our Japanese soldiers fought also with great courage. Thus, it is my hope, on the occasion of the return of lwo-jima, that there will be erected a memorial in memory of the Japanese soldiers, and that these two memorials will long remain on this spot as a prayer for eternal peace between the two nations, and as a reminder of the valor and dedication of the brave men on both sides. 

 よって、本大臣は、合衆国に対し、合衆国海兵隊員のための記念碑が摺鉢山に存置され、合衆国の関係者がこれに立ち入ることができるようにすることが日本国政府の意図であることを閣下にお伝えします。 
Therefore I wish to inform you that it is the intention of my Government to assure the United States that the memorial dedicated to the United States Marines will be preserved on Suribachi-yama and that United States personnel may have access thereto. 

今回このような基礎資料を丹念に集めてくれているウエブサイトを見つけました。先の文書もこのサイトから引用させてもらいました。記録を書き換える風潮がある中、このような地道な努力は本当にありがたいです。

政策研究大学院大学(GRIPS)
田中明彦研究室

この協定でサンフランシスコ講和条約に触れています。

(スーパー大辞林)
たいにちこうわじょうやく ―かうわでうやく 【対日講和条約】
第二次大戦を終結させるため,1951年(昭和26)9月サンフランシスコで日本とアメリカなど四八の連合国との間で結ばれた平和条約。1952年発効。この条約で日本は主権の回復を認められた。同時に日米安全保障条約も締結されたため,ソ連などは締結を拒否した。サンフランシスコ講和条約。対日平和条約。

先ほどのデータベースからの抜粋になります。


第1条 
1 アメリカ合衆国は、2に定義する南方諸島及びその他の諸島に関し、1951年9月8日にサン・フランシスコ市で署名された日本国との平和条約第3条の規定に基づくすべての権利及び利益を、この協定の効力発生の日から日本国のために放棄する。日本国は、前記の日に、これらの諸島の領域及び住民に対する行政、立法及び司法上のすべての権力を行使するための完全な権能及び責任を引き受ける。 
Article I 
1. With respect to Nanpo Shoto and other islands, as defined in paragraph 2 below, the United States of America relinquishes in favor of Japan all rights and interests under Article 3 of the Treaty of Peace with Japan signed at the city of San Francisco on September 8, 1951, effective as of the date of entry into force of this Agreement. Japan, as of such date, assumes full responsibility and authority for the exercise of all and any powers of administration, legislation and jurisdiction over the territory and inhabitants of the said islands. 

2 この協定の適用上、「南方諸島及びその他の諸島」とは、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島をいい、これらの諸島の領水を含む。

2. For the purpose of this Agreement, the term "Nanpo Shoto and other islands" means Nanpo Shoto south of Sofu Gan (including the Bonin islands, Rasairo Island, and the Volcano Islands) and Parece Vela and Marcus Island, including their territorial waters. 

このサンフランシスコ条約を確認したところ、日本が放棄した地域が書いてありますが、日本が敗戦国であることがわかります。



  第二章 領域 
CHAPTER II  TERRITORY 

   第二条 
(a) 日本国は、朝鮮の独立を承認して、済州島、巨文島及び欝陵島を含む朝鮮に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。 
Article 2 
(a) Japan, recognizing the independence of Korea, renounces all right, title, and claim to Korea, including the islands of Quelpart, Port Hamilton and Dagelet. 

 (b) 日本国は、台湾及び澎湖諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。 
(b) Japan renounces all right, title and claim to Formosa and the Pescadores. 

 (c) 日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。 
(c) Japan renounces all right, title and claim to the Kurile Islands, and to that portion of Sakhalin and the islands adjacent to it over which Japan acquired sovereignty as a consequence of the Treat of Portsmouth of September, 5,1905. 

 (d) 日本国は、国際連盟の委任統治制度に関連するすべての権利、権原及び請求権を放棄し、且つ、以前に日本国の委任統治の下にあつた太平洋の諸島に信託統治制度を及ぼす千九百四十七年四月二日の国際連合安全保障理事会の行動を受諾する。 
(d) Japan renounces all right, title and claim in connection with the League of Nations Mandate System, and accepts the action of the United Nations Security Council of April 2, 1947, extending the trusteeship system to the Pacific Islands formerly under mandate to Japan. 

 (e) 日本国は、日本国民の活動に由来するか又は他に由来するかを問わず、南極地域のいずれの部分に対する権利若しくは権原又はいずれの部分に関する利益についても、すべての請求権を放棄する。 
 (e) Japan renounces all claim to any right or title to or interest in connection with any part of the Antarctic area, whether deriving from the activities of Japanese nationals or otherwise. 


(f) 日本国は、新南群島及び西沙群島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。 
 (f) Japan renounces all right, title and claim to the Spratly Islands and to the Paracel Islands. 


第三条 
 日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。

Article 3 
Japan will concur in any proposal of the United States to the United Nations to place under its trusteeship system, with the United States as the sole administering authority, Nansei Shoto south of 29° north latitude (including the Ryukyu Islands and the Daito Islands), Nanpo Shoto south of Sofu Gan (including the Bonin Islands, Rosario Island and the Volcano Islands) and Parece Vela and Marcus Island. Pending the making of such a proposal and affirmative action thereon, the United States will have the right to exercise all and any powers of administration, legislation and jurisdiction over the territory and inhabitants of these islands, including their territorial waters. 
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