fc2ブログ

Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

RSS     Archives
 

ビヨンドTOEICにオススメの本

 
全ての英語学習者がタイムやニューヨークタイムズを読めるようになるべきだとは思いませんが、もしそのようなレベルを目指している方がいれば最近出た『ビジネスマンの英語勉強法 (ちくま新書)』という本はオススメです。大手商社の調査部門にいた著者が具体的な学習方法を提示してくれています。

(アマゾン紹介文)
内容紹介
総合商社のアメリカ現地法人や大学で活躍してきた著者が、ビジネスに必要な英語力が身につく効果的な勉強法や、「英語のクセ」を丁寧に解説する。

内容(「BOOK」データベースより)
ビジネスに必要な英語力とは何か?それは、まず何よりも「読解力」である。メールや契約書確認といった日常業務に必須なのはもちろん、英語力の基礎となるからだ。本書は、読解力、文法力、語彙力など英語力の土台となる力を身につける方法を示し、また効率的に学習するために「英語のクセ」を解説する。総合商社のアメリカ現地法人やアメリカの大学で活躍してきた著者だからこそ書けた一冊。

「欧米の主要紙や雑誌を満足に読むことができない理由」として以下の5つをあげています。

①政治や経済、国際問題等に関する知識・教養不足
②文法力不足
③語彙力不足
④英文のクセ(特徴)に関する理解不足
⑤欧米社会の歴史文化に関する知識・教養不足

一読して感じたのは、特に目新しい学習法に言及しているのではなく、readingを軸にコツコツとやるという真っ当な方法の重要性でした。

Yutaとしては「欧米社会の歴史文化に関する知識・教養不足」に興味があるので、ここの部分を充実させた本を読みたいくらいです。一例としてthe other side of the tracksという表現を説明してくださっている部分を抜粋します。映画Lady Birdでまさにその表現が使われていたのでピンと来ました。予告編にもあった表現ですが、ボーイフレンドの家にお呼ばれされた女主人公のLady Birdの家にお迎えに来た時のシーンもありました。





45秒あたりから
It's funny, on my way here, I went over the train tracks...
You took H street?
Right, and so Lady Bird always says that she lives on the wrong side of the tracks,
but I always thought that it was, like, a metaphor. But there are actual train tracks.

貧富を分ける鉄道路線

(中略)

ただ、表現の由来は別にしても、現在でもアメリカにおいては、一本の線路を隔てただけで、その両側の土地の住環境がまったく違っているということはよく見られます。実際、次の用例からも、アメリカでは現在においても、線路によって白人居住地区と黒人居住地区が明確にわかれていることがご理解いただけると思います。

Like many metaphors, "the other side of the tracks" was originally a literal epithet. Blacks were often historically restricted to neighborhoods separated from whites by railroads, turning the tracks into iron barriers of race and class.

In many cities, these dividing lines persist to this day — a reflection of decades of discriminatory policies and racism, but also of the power of infrastructure itself to segregate.

(多くの比喩表現と同じように、「線路の向こう側」という表現も、もともとは文字通りのことを意味していた。すなわち、歴史的に、黒人はしばしば鉄道によって白人とは切り離された地域に閉じ込められるなど、鉄道の線路は人種や階級に関する鉄の障害になってきたのだ。
実際、多くの都市で、こうした人種や階級を隔てる線が今でも残っているが、それはこれまで何十年にもわたって続けられてきた差別的政策や人種差別の結果を反映しているだけでなく、鉄道路線という物理的なインフラが人種差別を行う点でいかに大きな力を持つかということの反映でもあるのだ)

なお、この"the other side of the tracks"とほぼ同義の表現として、"the wrong side of the tracks"という表現もよく見かけます。こちらには"wrong"(間違った、悪い)という単語が入っていることからも分かりますように、「線路の向こう側」の人々に対する、より強い否定的な視線が感じられます。

引用の元記事はこちらです。図でその格差を直感的に感じることができます。

By Emily Badger and Darla Cameron
July 16, 2015

別にこの説明がなくても、ボーイフレンドの何気無いthe wrong side of the tracksでお母さんが傷ついているのは分かったのですが、三輪さんの説明とこの記事によって、想像していたよりもずっと大きな格差を示した表現であることを学ぶことができました。しかもこれから二人で行くこのボーイフレンドのおばあちゃんの家は彼女が住みたいと憧れていた家でもあったんです。Yutaはおじさんなので苦労して子育てしている両親の姿にジーンときてしまいます。

具体的にどんな雑誌をどんな風に読めばいいのか、そんな学習法を知りたい方は2005年の本ですが、同じ著者の次の本がオススメです。


大きなお世話なんですが、ビジネスマンであるTommyさんてまだTOEIC留まりですよね。そんなレベルでその会社は大丈夫なのかいらない心配をしてしまいます。

スポンサーサイト



Comment


    
プロフィール

Yuta

Author:Yuta
FC2ブログへようこそ!




最新トラックバック

月別アーカイブ


FC2カウンター

検索フォーム



ブロとも申請フォーム

QRコード
QR