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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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Les Miserablesから世界の悲惨へ

 
自宅待機になって分厚い本を読むいい機会ではないかと思います。1993年に出版されたLa Misere du Mondeの翻訳が出ました。30年前の本ではないかというなかれ、一読すれば現在と重なり合う状況を読み取れます。先程の映画Les Miserablesの監督も20年間状況は何も変わっていないと不満を述べています。

August 19, 2019 3:45am PT
By Pat Saperstein

Starting with shorts and documentaries including “Montfermeil Les Bosquets,” his films show an insider’s view of the working-class suburb where he grew up. When two youths were electrocuted during the riots, Ly redoubled his efforts to tell the neighborhood’s stories.

“Since the election of Macron, there’s more social problems. We’ve been protesting these conditions in our cities for 20 years, but nothing is happening. Before, people didn’t care because it was the suburbs, but now it touches everyone in France.”

正直、最初見た時は今頃なんでという感想だったのですが、後書きを読むと分厚い本なので翻訳に時間がかかったというのが実情のようで今の世界状況への問題提起のような意識は特に訳者側にあるようには思えませんでした。


それは本当にさまざまな境遇の人たちです。いわゆる極貧層に属する人たちがいます。たとえば失業者や労働者、ホームレス、浮浪者といった人々です。それとは逆に「小さな悲惨」に苦しむ人たちもいます。つまり、家もあるし、安定した 仕事もあって、幸せであるための条件はすべて揃っているように見えながら、実際には職場の労使関係や人間関係で大きな悩みを抱えている人々もいます。
ですから、この聞きとり調査は、フランスで「排除されている人々」、「第四世界」と呼ばれる人々だけを対象としているのではありません。日常的に私たちが出会うような人々、たとえば教師とか学生といったごく普通の人たちも含まれて いるのです。私は極端に不幸な人の例をわざわざ選んだりはしていません。むしろあまりにドラマチックな例は外しました。というのも、『世界の悲惨』の基本的なコンセプトは、社会は表立って表現されることのない苦しみであふれている、その声にならない苦しみに耳を傾けようというものだからです。
(本書より) 

Yutaも読み始めたばかりですが、いやあすごい。30年のときの隔たりを忘れさせてくれるほどのリアリティを感じ、この30年何が進歩したのだろうかと考えさせられます。
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