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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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映画『リンカーン』を何度でも楽しむための本

 
映画リンカーンのTony Kushnerが6年かけてスピルバーグに見せながら何度も書き直したエピソードを語ってくれています。



こちらのアドバイスも素晴らしいものです。知っているものを書くのではなく、書くことによって自分の内側にありながらも、気づけなかったものを発見していくことこそが素晴らしい点だと語っています。こちらの動画は機会があれば改めてご紹介したいと思います。



何年もかけて練り込んでいった脚本だけあってか、映画リンカーンはいろいろなものが盛り込まれています。当時のインターネットだった電報、マクベス夫人ともいわれた悪妻としてのリンカーン夫人、リンカーンのユーモア、夢にうなされるリンカーンなどなど、さまざまなエピソードをアメリカ史や当時の状況などを交錯させながら紹介してくれている本が以下の本です。


リンカーンの世紀 アメリカ大統領たちの文学思想史 増補新版リンカーンの世紀 アメリカ大統領たちの文学思想史 増補新版
(2013/04/24)
巽孝之

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映画で取り上げるリンカーンの時期は短かったですが、この本は大統領になるまでの逸話LoghouseからWhitehouseまでの立身出世話から、暗殺後から21世紀になるまでのアメリカを取り上げてくれています。英語学習者的には、貧しさゆえに本を借りるしかなかったからか、暗唱が得意になったことというエピソードが興味を引きました。少し内容は難しいかもしれませんが、このような本を読んでから映画リンカーンを見ればまた違った角度から楽しめるようになるでしょう。

この本は2002年に出た本にオバマ大統領を扱った最終章を付け足した物です。最終章は南北戦争150周年にあたって書かれた以下の書評が紹介されていました。南北戦争に祝福すべきことがあるのかという批判的なアメリカ史の振り返りの論考です。個人的にこの書評で興味を引いたのは、最後の2012年大統領選挙でも、南北戦争の陰を感じ取ることができることです。僕たち日本人にとっては過去にあったということさえ実感がわかない出来事かもしれませんが、アメリカにとってはやっとかさぶたになった傷口なのかもしれません。

From Civil War to Civil Rights
Ari Kelman
Published: 22 February 2012
Meanwhile, it’s election season, and Rick Perry, until recently a leading presidential candidate, has in the past extolled the virtues of secession. Given the chance, he may commemorate the Civil War by recapitulating it. Newt Gingrich, for the moment still a leading presidential candidate and a trained historian to boot, has just released the final novel in his jointly authored trilogy on the conflict. An exploration of the notorious Battle of the Crater, where Confederate troops massacred African American soldiers fighting for the Union, Gingrich’s book nevertheless portrays Southerners in a favourable light. With his co-author, Gingrich focuses on characters opposed to the slaughter and invents an order issued by General Lee, whom they depict demanding that his subordinates treat the enemy, regardless of race, equally: “I want the full honor of war observed”, Lee says. Gingrich has found the Lost Cause and recycled it as political outreach to Southern partisans. The serving President, for his part, appears to have adopted a Kennedyesque attitude to the sesquicentennial. Although he never misses an opportunity to express deep admiration for Abraham Lincoln, President Obama now seems loath to engage with the ongoing clash over Civil War memory. It may be that, with the nation bitterly divided and a tough campaign on the horizon, it’s more expedient for him to forget than to remember.

文学研究者の方なので、アメリカ文学の巨匠も数多く紹介されています。ホイットマンのリンカーン追悼詩も大きく取り上げてくれていました。



以下は、ウォルト・ホイットマン詩集というサイトから引用させていただきます。

おお船長! わが船長!
船長! 船長! つらい旅も終わりました、
船は嵐にも耐え抜き、欲しかったものも手に入れました、
もうすぐ港です、あれは鐘の音ですよ、みんなの祝福が聞こえます、
みんながこの頑丈な竜骨と、大胆不屈の船体を目で追っています。
 なのに心は! 心は! 心は!
  赤い滴りが流れる甲板の、
   その上には船長が横たわり、
    冷たくなって倒れてるなんて。
船長! 船長! 起きてあの鐘を聞いてください。
起きてください――あなたに向かって旗が振られ――ラッパが鳴らされています、
あなたに向けた花束と豪華な花輪も――海岸には人だかりです、
あなたに向かって呼んでいます、揺れる群衆が、期待に満ちて振り返っています。
 ねえ船長! お願いです!
  この腕で頭を支えましょう!
   なにかの夢です甲板の上で、
    冷たくなって倒れているなんて。
船長は答えない、唇は青ざめて閉じたまま、
ぼくの腕にも触れず、脈も意識もない、
船は無事に錨を降ろし、航海は終わりを迎え、
望みを手に入れ堂々とつらい旅から戻ってきた。
 喜べ海岸のみんな、鳴り響け鐘の音!
  でもぼくは死を悼む足取りで、
   船長が横たわり、冷たくなって
    倒れている甲板を歩いている。

O Captain! My Captain!
O Captain! my Captain! our fearful trip is done, 
The ship has weather'd every rack, the prize we sought is won, 
The port is near, the bells I hear, the people all exulting, 
While follow eyes the steady keel, the vessel grim and daring; 
But O heart! heart! heart! 
O the bleeding drops of red, 
Where on the deck my Captain lies, 
Fallen cold and dead.
O Captain! my Captain! rise up and hear the bells; 
Rise up --for you the flag is flung --for you the bugle trills, 
For you bouquets and ribbon'd wreaths --for you the shores a-crowding, 
For you they call, the swaying mass, their eager faces turning; 
Here Captain! dear father! 
This arm beneath your head! 
It is some dream that on the deck, 
You've fallen cold and dead.
My Captain does not answer, his lips are pale and still, 
My father does not feel my arm, he has no pulse nor will, 
The ship is anchor'd safe and sound, its voyage closed and done, 
From fearful trip the victor ship comes in with object won; 
Exult O shores, and ring O bells! 
But I with mournful tread, 
Walk the deck my Captain lies, 
Fallen cold and dead.

映画『いまを生きる』のCarpe Diem(Seize the Day)のシーンでもO Captain! My Captain!が使われていたのですね。ラストシーンが有名ですが、このシーンではホイットマンがリンカーンを読んだことに触れていますね。





相変わらず英語業界は、受験英語は「役立つ」、TOEFLやTOEICは「役立つ」という話ばかりを嬉しそうにしていますが、詩の素晴らしさを伝えることのできる英語教師にも活躍してもらいたいものです。
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