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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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メタン=牛だけじゃない

 



杉田敏の現代ビジネス英語になってよかったことは、一度に聞けるエピソードが増えたことですね。Next-Generation Foodsも聞いていたので、ビルゲイツの主張にもピンときました。動画のニュースもドンピシャです。


それと今週のもう一つのEconomistの社説もすんなり入ってきました。ただ、メタン=牛とだけならないところがEconomistの勉強になるところです。

Governments should set targets to reduce methane emissions
It would rapidly make a difference to climate change
Leaders Apr 3rd 2021 edition

Human activity emits far less methane than carbon dioxide, but methane packs a heavier punch. Over the course of 20 years, a tonne of the gas will warm the atmosphere about 86 times more than a tonne of CO2. As a result methane, sometimes called carbon dioxide on steroids, is responsible for 23% of the rise in temperatures since pre-industrial times. Carbon dioxide gets most of the attention, but unless methane emissions are limited there is little hope of stabilising the climate.
人類の活動はメタンの排出は二酸化炭素ほど多くないが、メタンの効果はより大きい。20年に渡り、このガス1トンは大気の温度上昇させる力は二酸化炭素1トンより86倍もある。結果として、メタンは、ステロイド増強剤の二酸化炭素と呼ばれることがあるのだが、温度上昇の23%を産業革命以来の時期から占めている。二酸化炭素にばかり注目がいくが、メタンの排出を制限しない限り、気候を安定化する期待は薄い。

Unfortunately methane emissions have been anything but stable. After briefly stalling in the early 2000s, atmospheric concentrations of the gas started rising again in 2007. A global inventory, concluded last year, found that humans were largely to blame. Chief among the reasons for the rise are the gassy output of livestock farming (cows belch it), rice cultivation (soggy environments harbour micro-organisms that make it) and the fossil-fuel industry (pipelines and rigs leak it). Agriculture and energy each account for roughly one-third of annual methane emissions. China, America, Russia and other big energy producers and consumers are heavy polluters. Countries with lots of livestock produce a disproportionate share of farming-related emissions, too.
残念なことに、メタン排出は安定には程遠い。2000年前半に少しの間伸びは少なくなったが、メタンの大気中濃度は2007年から再び上昇した。世界の分布について昨年出た結果では、人類に責任があることが分かった。上昇理由の中で主要なものは、畜産業からのガスの排出、稲作(水田がメタンを生み出す微生物のすみかとなっている)、化石燃料産業(パイプラインや採掘装置から漏れ出している)。農業やエネルギー産業それぞれが3分の1ほどの年間メタン排出量を占めている。中国、アメリカ、ロシアなど大国のエネルギー産出国及び消費国が大きな汚染源だ。家畜の多い国も畜産関連の排出が他に比べて多くなっている。

現実的なEconomistですから、解決方法もまずはできそうなところから提案します。

That is entirely plausible. A big step would be to stop millions of tonnes of methane from leaking out of fossil-fuel infrastructure each year, through pipes with holes, leaky valves and carelessness. Natural-gas operators will be able to sell more gas in exchange for a moderate investment in monitoring and repairing leaks. The International Energy Agency, a global forecaster, estimates that 40% of methane emissions from fossil fuels, equivalent to 9% of all human methane emissions, can be eliminated at no net cost for firms. The harder task is to reduce emissions from agriculture, but even here farmers can draw on new ideas, including developing new forms of feed for livestock, and altering how rice is irrigated.
これは全くもっともなことだ。大きな一歩としては何百トンものメタンが化石燃料のインフラから毎年漏れ出すのを止めることだ。パイプに穴が空いていたり、バルブから漏れ出したり、不注意から起きている。天然ガス操業者はより多くのガスを売れるようになる。それほど多くない投資をモニタリングと漏れ補修に当てればいいだけだ。国際エネルギー機関は、国際的な予測を立てているところだが、化石燃料からの40%メタン排出、人によるメタン排出の9%に当たる、これを会社が実質的に費用負担することなく減らすことができると予測している。より大変なのは農業からの排出を削減することだが、この分野でも農家は新しいアイデアを採用することができる。家畜向けの新しいタイプの飼料を開発したり、稲作の灌漑方法を変更したりすることだ。

さすがEconomistだなと思っていたら、東京新聞の記事を見つけました。Economistの元ネタはここで紹介されている日本の研究ではないでしょうか。メタン=牛という考えしかなかったので、水田からもメタンが出ているとは思ってもみなかったのですが、対策を考えているんですね。

2021年2月20日 06時00分
 地球温暖化の原因となる温室効果ガスのうち、二酸化炭素(CO2)に次いで多いメタンの濃度が上昇しているのは、中国での石炭採掘増加や南、東南アジア地域の畜産業の発展が強く影響していることが、国立環境研究所などの研究グループの分析で分かった。(福岡範行)

課題の農業での排出抑制について、農林水産省は水田の水を抜く「中干し」期間を長くして空気が土中に入りやすくし、メタン発生を減らす取り組みを進める。

 「中干しが長くなると稲の生育が悪くなる」と心配する農家も多く、政府は21年度からモデル地域での実証研究を始める。

 牛のげっぷは、えさに不飽和脂肪酸カルシウムを混ぜると減らせるため、政府は同年度から酪農家の支援に乗り出す。

社説ではない記事はより詳しく説明してくれていて大変勉強になります。

Global warming
It’s the other greenhouse gas
Science & technology Apr 3rd 2021 edition

現実的で冷笑的なEconomistはビルゲイツのような野暮なお願いはしません。fashionable at the moment in rich countriesと冷めた評価ですね(苦笑)

Asking people to eat less meat and drink less milk, while fashionable at the moment in rich countries, probably goes against the Bismarckian principle of realism in the wider, middle-income world where discretionary spending is rising and diets are improving. But another option is to attack the methanogens themselves. This is now being investigated experimentally, to see if changing what the animals eat can damp down methanogenic activity.
人々に肉を食べる量や牛乳を飲む量を減らすようお願いするのは、先進国では今のところ流行しているものの、ビスマルクのリアリズムの原則に反するだろう。広く中所得国では自由に使える支出が増えており、食生活が改善しているからだ。別の方法はメタン細菌そのものに対処することだ。実験的に研究が進められているのは、飼料を変えて、メタン生成活動そのものを抑えようとすることが可能かの検証である。

よう考えるなという面白い研究を紹介しているのですが、Wiredの過去記事でそれに該当するものがありましたのでそちらを紹介します。

牛のおならとげっぷが、地球温暖化を加速させる──。突拍子もなく聞こえる説だが事実だ。牛1頭がげっぷやおならとして放出するメタンガスの量は、1日160〜320リットルにも上る。農場経営者にメタンガス排出の削減を義務づける法案も登場するなか、研究者たちは牛たちの「減ガス化」を目指して、海藻飼料から遺伝学まであらゆる可能性を探り続けている。
2019.01.09 WED 18:30

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