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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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たちの悪い、良き億万長者たち

 



Yutaが感じていたバフェット氏への違和感を見事に表していたOpEdが先月にありました。この論考の肝は、いくら合法に金儲けして慈善活動に使ったとしても、社会の仕組み自体に問題を抱えており、その社会を変えなくてはいけないという流れを「良い億万長者たち」は断ち切ってしまうので「悪い億万長者たち」よりも問題であるというところです。



論考を書いたAnand Giridharadasは金持ち優遇の社会を批判するWinners Take Allという本を出していた人なので読む前から内容は大体想像できてしまいそうです。

June 13, 2021

But as America slouches toward plutocracy, our problem isn’t the virtue level of billionaires. It’s a set of social arrangements that make it possible for anyone to gain and guard and keep so much wealth, even as millions of others lack for food, work, housing, health, connectivity, education, dignity and the occasion to pursue their happiness.
しかしアメリカが金権政治に向かっている中、我々の問題は億万長者の徳のレベルではないのだ。一連の社会的な仕組みによって誰かがあまりにも多くの富を獲得、保護、維持できているのだ。一方で、何百万人もの人々が食糧や仕事、家、健康、ネット接続、教育、尊厳、幸福を追求する権利がないのだ。

There is no way to be a billionaire in America without taking advantage of a system predicated on cruelty, a system whose tax code and labor laws and regulatory apparatus prioritize your needs above most people’s. Even noted Good Billionaire Mr. Buffett has profited from Coca-Cola’s sugary drinks, Amazon’s union busting, Chevron’s oil drilling, Clayton Homes’s predatory loans and, as the country learned recently, the failure to tax billionaires on their wealth.
アメリカの億万長者になるには残酷さに基づいたシステムを利用しなければならない。このシステムでは税制、労働法、規制機構は多くの人のニーズよりも自分のニーズを優先するものだ。有名な良い億万長者のバフェット氏もコカコーラの糖分の多い飲み物、アマゾンの組合潰し、シェブロンの油田掘削、クレイトン・ホームズの高利貸しから利益を得ている。これに加え、最近国中に知られるようになったのは、億万長者に対して彼らの資産に税を課すことに失敗したことも挙げられる。

このブログでも触れた部分をこの論考でも取り上げています。やはり公的空間の軽視を見てとっています。

In a long statement last week, Mr. Buffett defended himself by pointing to his long advocacy for a fairer taxation system, and then he immediately told on himself by undermining the very idea of taxes in the same letter. “I believe the money will be of more use to society if disbursed philanthropically than if it is used to slightly reduce an ever-increasing U.S. debt.”
先週の長い声明の中で、バフェット氏は自己弁護のために、より公正な税制を長らく提唱してきたことをあげた。その後ですぐに同じ手紙の中で語るに落ちて、まさにその税の考えを台無しにした。「私が信じる、社会にとってのお金の有効な使われ方は慈善目的だ。アメリカの増え続ける債務をわずかばかり減らすよりは良い」

In other words: I believe in higher income taxes on people like me, but I’m highly organized to avoid having income to report, and I don’t really believe in taxes because I think I should decide how these surplus resources are spent.
言い換えれば、私が信じているのは私のような人物に高い所得税を課すことだが、私は段取りがいいので申告すべき収入を逃れることができる。実は税金は信じていない。私が余った資金をどう使うかを決めたいから、ということだ。

しかも、「良き億万長者たち」が公的空間にも影響を及ぼすようになっていることを警戒しています。「悪い億万長者」の例として挙げているのは社会問題になった薬物オピオイドで儲けまくったサックラー家です。今でも大きなニュースになっていますね。



Yet because of this, it is often the Good Billionaires who end up with the most illegitimate influence over public life. No one is asking members of the Sackler family for public health advice. But Mr. Gates has become a major policy voice on vaccines despite holding no elected position. Mr. Buffett, for his part, has shied away from that kind of lane hopping and richsplaining, but in donating his fortune to Mr. Gates’s foundation he has pumped up that undemocratic influence.
しかしこれが理由で、良い億万長者は時に最も不当な影響力を公的生活に及ぼすようになる。誰もサックラー家の一員に公衆衛生の助言を求めないだろう。しかしゲイツ氏はワクチン政策について大きな発言権を持つに至っている。公職についているわけではないのに。バフェット氏は、彼の側では、権限を超えたり、金に物を言わせるようなことを控えているが、彼の資産をゲイツ氏の財団に寄付して、民主的でない影響力を増やしている。

ゲイツやバフェットを批判する人たちの立場は、不公正を生み出すシステム自身を見直す必要性を訴えている点が共通していると思います。そんなことは金持ちや金持ちに群がるコンサルやロビイストが許さないんでしょうね。


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