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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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英単語を知っているとは、どういうことか?

 

英語学習的なタイトルにした方が興味を持ってもらえるかと思いこのようなタイトルにしました。具体的には気候変動におけるmitigationとadaptationという単語はどういった意味を持つのか、確認するものです。mitigationを「緩和」、adaptationを「適応」と答えられる方は多いでしょうが、温室効果ガスの排出削減は「緩和策」なのか、「適応策」なのか、即答できるでしょうか?至る所で丁寧に書かれているのでご存知の方が多いかもしれませんが、Yutaは今ようやく整理できました。


地球温暖化の対策には、その原因物質である温室効果ガスの排出量を削減する(または植林などによって吸収量を増加させる)「緩和策(mitigation)」と、気候変化に対して自然生態系や社会・経済システムを調整することにより温暖化の悪影響を軽減する(または温暖化の好影響を増長させる)「適応策(adaptation)」とに大別できる。

緩和策は、大気中の温室効果ガス濃度の制御等を通じ、自然・人間システム全般への影響を制御するのに対して、適応策は直接的に特定のシステムへの温暖化影響を制御するという特徴をもつ。したがって多くの場合、緩和策の波及効果は広域的・部門横断的であり、適応策は地域限定的・個別的である。

緩和策の例としては、京都議定書のような排出量そのものを抑制するための国際的ルールや省エネルギー、二酸化炭素固定技術などをあげることができる。適応策の例としては、沿岸地域で温暖化の影響による海面上昇に対応するための高い堤防の設置や、暑さに対応するためのクールビズ、作物の作付時期の変更などの対症療法的対策が相当する。

新聞記事でも以下のように両語の違いがわかるように書いてくれているものもあります。意識していないと簡単に読み飛ばしてしまうものですが。。。


UNEPの報告書はすでに起こっていたり、まもなく起こりそうだったりする温暖化の影響への対応を示す「適応」に焦点をあてた内容だ。具体的には局地的な豪雨や洪水に備えた堤防建設などのインフラ策や、気温上昇に対応した農作物の新種開発などがある。気候変動対策は温暖化ガスの排出を削減する「緩和」と適応を並行して進める必要がある。

こういうのは新しい分野ですし、ネイティブにとっても馴染みのない人は混同しやすいかもしれません。そのためか、両語の違いをそれぞれの具体策も含めて丁寧に説明してくれている記事が結構あります。例えば以下のようなもの。

NOVEMBER 07, 2019 | 9:43 AM
Chances are you’ve heard the terms “mitigation” and “adaptation” used in a climate context before. So, what’s the difference between these two approaches, and why does knowing matter so much?

結論から述べるとadaptationの方は気候変動の結果に、mitigationは原因に取り組むことのようです。

ADAPTATION 適応
Imagine you’re on a ship that’s sinking because of a leak. If you want to stay afloat, you’ve got to act.
乗船している船が水漏れで沈んでいると想像してください。沈没を避けるには行動しないといけません。
The first thing you could do is grab a bucket and pour water out as it gushes through the hull. This response is adaptation — addressing the effect (the water in the boat), but not the cause of the problem (the hole).
最初にやれることはバケツを持って水をかき出すことです。水は船内に勢いよく入ってきています。この対応策が「適応」です。結果(船内の水)に対処することで、問題の原因(穴)に対処することではありません。

In the climate world, the IPCC defines adaptation as “the process of adjustment to actual or expected climate and its effects.” It’s doing what we can to live with and minimize the destruction and suffering that comes from climate change.
気候関連では、IPCCの定義では適応とは「現在、あるいは将来予想される気候変動とその影響に対する調整の過程」である。実施可能なことを行い、気候変動による破壊や災難を最小化して暮らしていくことだ。

具体的にどういうことをするのか次のところで例をいくつか挙げてくれています。

Potential climate adaptations span a variety of sectors, from agricultural, to coastal, to urban, and many more. Some strategies include:

Building sea walls, elevating infrastructure, or retreating from low-lying coastal areas altogether. 

Reducing and recycling water use due to drought.

Using prescribed fires to prevent uncontrollable wildfires.

Favoring drought-tolerant crops like rice, cowpea, and maize,

次は緩和です。同じ沈む船の例を使って違いを説明してくれています。

MITIGATION緩和
Let’s climb back aboard our sinking ship. If adaptation is pouring water out to stay afloat in the moment, sealing the leak to halt more water coming in is mitigation. In other words, it’s addressing the root cause of the problem rather than dealing with its effects.
沈みつつある船にもう一度乗船してみよう。適応が水をかき出してしばらくの間沈まないようにすることだとしたら、漏れ部分を封じてこれ以上水が入ってこないようにするのが緩和である。つまり、問題の根本原因に対処することで、その結果として生じることに対応するのではない。

In a climate context, as the IPCC describes, mitigation is “human intervention to reduce the sources or enhance the sinks of greenhouse gases”.
気候関連では、IPCCの定義では緩和とは「温室効果ガス(GHG)の排出を削減し、吸収源を拡大するための人為的介入」である。 

こちらも具体例をいくつか挙げてくれています。

In practice, mitigation can take a variety of forms, including:
Replacing greenhouse gas-emitting fossil fuels like coal, oil, and natural gas with clean, renewable energies like solar, wind, and geothermal. 

Replacing traditional internal-combustion vehicles with electric options (ideally charged with renewable energy). 

Retrofitting old buildings to make them more energy efficient

Planting trees and preserving forests so they can absorb and store more carbon dioxide from the atmosphere. 

いやあ、これらの違いを全く理解していませんでした。「英単語を知っているとは、どういうことか?」に戻れば、次のような違いが出てくるでしょう。

レベル1 mitigationを「緩和」、adaptationを「適応」という意味がわかる
レベル2 気候関連での定義やmitigationとadaptationとの違いを理解している
レベル3 具体的にどのような措置がmitigationとadaptationに当たるのか、例示できる
レベル4 現場や歴史、例えば「気候変動への「適応」資金、大きく不足 UNEP報告書(日経11/5)」のような知識がある。

IPCCには作業部会が3つあり、適応と緩和は違う部会で扱われているんですね。これまで全く意識してきませんでした。
第1作業部会(WG1):科学的根拠
第2作業部会(WG2):影響・適応・脆弱性
第3作業部会(WG3):緩和策

英語を使って働く場合や通翻訳に従事する場合、レベル4までの理解力が求められるようになるでしょう。資格試験ではせいぜいレベル3の知識までしか問われないでしょうから、早く資格試験を脱するように言われる教師の方は、このようなことを念頭にあるからではと思います。

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