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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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あのタイトルはリンカーンからだった

 


英検1級の最後の長文はスティーブンピンカーのthe better angels of our natureが出ていました。2011年10月に出た本で話題になった本ですね。資格試験だけに随分とタイムラグがありますね。

A Safer World?
2013年第1回英検1級


Words checked = [801]
Words in Oxford 3000™ = [88%]

問題本文では以下のようにこの本について触れています。

When Pinker first put forward his theory in a 2006 magazine article, it sparked an astonishing reaction. Researchers in many different fields contacted him, offering additional findings to support his theory. Pinker was convinced that the subject de- served more extensive investigation, and in 2011 he published The Better Angels of Our Nature, a book that expanded upon his ideas.

厚い本で自分自身もまだ読んでいませんが、2011年発刊当時にピンカー自らがNatureに解説記事を投稿していました。このNatureの記事も次に紹介するNew York Timesの記事も2500語程度で、3倍くらいの量があります。ちょっと長めの記事ですが、Timeのカバーストーリーよりは少ない量です。これくらいの量に免疫ができるレベルを目指したいものです。

Taming the devil within us
We are getting smarter, and as a result the world is becoming a more peaceful place, says Steven Pinker.
October 20, 2011

Words checked = [2433]
Words in Oxford 3000™ = [84%]

また、ニューヨークタイムズでは哲学者・倫理学者として著名なピータシンガーが書評をしています。

Is Violence History?
By PETER SINGER
Published: October 6, 2011

Words checked = [2641]
Words in Oxford 3000™ = [91%]

Natureの記事で本のタイトルにも触れている、彼のメッセージの核心ともいえる部分が以下です。リンカーンの言葉と言っていますね。記事冒頭の動画10分あたりでもそのことに触れています。

So what has caused the drop in violence? Little if any of the decline can be explained by natural selection. Biological evolution has a speed limit measured in generations, and many of the declines have unfolded over decades or years.

The most promising explanation, I believe, is that the components of the human mind that inhibit violence — what Abraham Lincoln called “the better angels of our nature” — have become increasingly engaged.
Today, the most famous of the better angels is empathy. It is being studied in children, chimpanzees, undergraduates and even single neurons, and has been lauded in bestselling books as the solution to humanity’s problems. Indeed, an expansion of empathy — fostered by literacy, travel and cosmopolitanism — helps to explain why people today abjure cruel punishments and care more about the human costs of war.

先ほど引用した英検の問題でPinker first put forward his theory in a 2006 magazine articleとありましたが、自分はピンカーが2007年にNew Republicに発表した記事しか見つけられませんでした。まあ、そこでもthe better angels of our natureが使われているので、その時点から着想はあったようです。2007年のTEDの映像もついでに紹介しておきます。

WE'RE GETTING NICER EVERY DAY.
A History of Violence
by Steven Pinker
Post date: 03.20.07 Issue date: 03.19.07

What has changed, of course, is people's willingness to act on these fantasies. The sociologist Norbert Elias suggested that European modernity accelerated a "civilizing process" marked by increases in self-control, long-term planning, and sensitivity to the thoughts and feelings of others. These are precisely the functions that today's cognitive neuroscientists attribute to the prefrontal cortex. But this only raises the question of why humans have increasingly exercised that part of their brains. No one knows why our behavior has come under the control of the better angels of our nature, but there are four plausible suggestions.



映画『リンカーン』を見た自分としては、このbetter angels of our natureという言葉がどこで使われたのか気になります。とても有名な言葉のようですぐに見つかりました。1861年第1期大統領就任演説の締めの言葉の中に出てきていました。英語と日本語で対訳形式で確認できる素晴らしいサイトから引用させていただきます。

アブラハム・リンカーン
第1期大統領就任演説
1861年3月4日

In YOUR hands, my dissatisfied fellow-countrymen, and not in MINE, is the momentous issue of civil war. The government will not assail YOU. You can have no conflict without being yourselves the aggressors. YOU have no oath registered in heaven to destroy the government, while I shall have the most solemn one to "preserve, protect, and defend it."

不満をいだくわが同朋よ、私の手ではなく、あなた方の手に、内戦の重大な問題はかかっています。政府は、あなたがたを攻撃することはないでしょう。あなた方が攻撃しない限り、紛争はおこらないでしょう。あなたがたは、政府を解体することを天に誓った訳ではありません、その一方私は「政府を保護し、守りそして擁護する」ことを固く誓います。

I am loathe to close. We are not enemies, but friends. We must not be enemies. Though passion may have strained, it must not break our bonds of affection. The mystic chords of memory, stretching from every battlefield and patriot grave to every living heart and hearthstone all over this broad land, will yet swell the chorus of the Union when again touched, as surely they will be, by the better angels of our nature.
    
 私は演説を終えるのが残念です。われわれは敵同士ではなく、味方なのです。われわれは敵同士になるべきではありません。感情が高ぶっても、われわれの親愛のきずなを切るべきではないのです。思い出の神秘的な弦が、全ての戦場や愛国者の墓から、この広大な国の全ての生けるものの心と家庭へとのびていて、再び奏でられるとき、統一の音を高らかにならすことだろう。その音は確かに、われわれの本来の姿であるよい天使によって鳴り響くことだろう。

南北戦争が始まったのは1961年4月12日だそうなので、その直前の時期での就任演説だったのですね。対訳式でもあるので、就任演説すべてに目を通してみます。

(ウィキペディア「リンカーン」から引用)
リンカーンは列車で就任式に向かう途中、北部中の群衆や議員に演説した。ボルティモアでは暗殺の危険性があるとのことだったので、立ち寄りを避け、夜陰に乗じてボルティモアを過ぎた。これはリンカーンの護衛を指揮していたアラン・ピンカートンが探り出したことだった。1861年2月23日、ワシントンD.C.には変装して入った。そこはかなりの数の軍隊による厳戒下に置かれていた。1861年3月4日の就任式では、ターナーがリンカーンの護衛を行った。リンカーンは下記のような南部の市民に向けた就任演説を行い、再度南部州における奴隷制を廃止する意志も意向もないと強調した。

南部諸州の人々の間には、共和党が政権を掌握したために、彼らの財産と平和と個人の保障が脅かされようとしているという危惧があるように思われます。このような危惧にはなんらもっともな理由はありませんでした。いな、危惧とは反対に、安心してしかるべき十分な証拠が終始存したのでして、彼らにして調べたいと思えばいつでも調べられたのです。そのことは私の、ほとんどすべての公の演説の中にもみられます。その中のだた一つだけを引用すれば、私は「奴隷制度が布かれている州におけるこの制度に、直接にも間接にも干渉する意図はない。私はそうする法律上の権限がないと思うし、またそうしたいという意思はない。」と宣べています。
― リンカーンの第一次大統領就任演説、1861年3月4日

南部州が連邦からは脱退できないと述べた後、「この国もその制度も、この国に居住する人民のものであります。国民が現在の政府に飽きてきた場合には、いつでも憲法上の権利を行使して、政府を改めることもできますし、あるいは革命権を行使して、政府を解体し打倒することができるわけであります。」と語った。

さらに南部の人々に対する次のようなアピールで演説を締めくくった。

われわれは敵同士ではなく、友であります。われわれは敵であってはなりません。...神秘なる思い出の絃(いと)が、わが国のあらゆる戦場と愛国者の墓とを、この広大な国土に住むすべての人の心と家庭とに結びつけているのでありまして、(この絃が)必ずや時いたってわれわれの本性に潜む、よりよい天使の手により、再び触れ(奏で)られる時、その時には連邦の合唱が重ねて今後においても高鳴ることでありましょう。
― リンカーンの第一次大統領就任演説、1861年3月4日

1861年和平協議も失敗し、立法による妥協は難しくなったことを示していた。1861年3月までに、如何なる条件でも反乱(脱退州)の指導者達は連邦に戻ろうと提案することが無くなった。一方リンカーンと共和党指導者のほとんど全ては、連邦を解体することを許容できないという見解で一致していた。
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Comment

侮るなかれ JT ST で合格を目指します!

復習の機会を与えて下さり、ありがとうございます。マヤでは1問、ピンカーさんでは2問間違えました。さすが、間違える問題を良く分かってらっしゃるw
また、リンカーンと絡んでいることを知れただけでも、なんか嬉しいです。
いつも思うのですが、ハーバードの先生達は一見リスニングしやすいですね。意味が入って来るかは別問題なのですが(爆)。といっても、TEDで、we shouldn't bombing Japan の後は聞き取れませんでした(爆死)。

2013.06.16 | DIOさんのファン[URL] | Edit

No Title

恥ずかしいのですが修正希望!
we should not bomb the Japanese......

2013.06.16 | DIOさんのファン[URL] | Edit

届きました!

こんにちは、Yutaさん、DIOさんのファンさん。
DIOさんのファンさんへ。私のほうは、行き当たりばったりで、どんどん難しいことが考えられなくなっていい加減を極めていますが、英検は合格するまで挑戦してみるつもりですので、どうぞよろしくお願いいたします♪
Yutaさんへ。先程「アメリカ英語背景辞典」が届きました。英検の試験勉強は8月くらいから始めるので、それまでに一度読み通してみます。一度読んでみて、裏表紙に何と書くのか考えてみます! ご紹介の「level marker」、これからはこれでチェックをかけて記事を読むことにします。 長くなりますが、私が英検を頑張ってみようと思ったのは、何より出題される文章がおもしろいと思えたからです。もちろん、ダイアモンドの話も、スコット隊長の話も。悲しいかな、おもしろいと思えることに自分の英語がついていっていないので、その差を埋めることにおもしろさを見出しながら^^;、英語学習を続けていくつもりです。お言葉に甘えて質問を浴びせるかもしれませんが。。。

2013.06.16 | joyjoy[URL] | Edit

Re: 侮るなかれ JT ST で合格を目指します!

DIOさんのファンさん、コメントありがとうございます。

>間違える問題を良く分かってらっしゃるw
いえいえ、載せた順番はたまたまです。しっかりとした復習をしておけば次につながりますよね。

ニューズウィーク日本語版の方が情報量としては多いですが、Japan Times STはコラムなども充実していますから、英語学習の観点からはこちらの方が優れているでしょう。CNN English Expressもありますが、後は好みになりますね。

> また、リンカーンと絡んでいることを知れただけでも、なんか嬉しいです。
南北戦争直前に南部に対して戦争をしないように呼びかけた演説の中で登場していましたね。The Better Angels of Our Natureという言葉は戦争は回避できるというメッセージもこめられているのではないかと解釈できるかもしれません。ハーバードの先生達はさりげなく教養を盛り込んできますね(苦笑)

TEDは日本語訳もあるから助かりますよね。日本語字幕で見てしまって、興味を覚えた箇所だけを英語で学んでみるという形で十分ではないでしょうか。TEDがすらすら分かれば英検1級のリスニングは満点でしょうから。。。。
http://www.ted.com/talks/steven_pinker_on_the_myth_of_violence.html

2013.06.17 | Yuta[URL] | Edit

Re: 届きました!

joyjoyさん、コメントありがとうございます。
「アメリカ英語背景辞典」は日本語解説だけを読んだり、分かる部分だけを読んだりしても十分に勉強になります。また、Level MarkerはアルクのSVL12000語バージョンがあるといいんですけどね。語彙学習の目安として使ってみるのはいいのかもしれません。

おもしろいと思える素材が一番です。精読だけを追求すると運用力がつかなくなるので、学習のバランスは大切なんですが、丁寧に学んだことは血肉となっておいおい役立ってきます。分からない点があればいつでもお手伝いさせていただきます。

2013.06.17 | Yuta[URL] | Edit

    
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