Posted at 2022.03.28 Category : 未分類
オルブライト元国務長官をアメリカのイラク戦争とNATOのコソボ介入の象徴と見る見方を取り上げましたが、今回のウクライナ侵攻の件と安易に比較することの危険性を細谷先生がTwitter上で指摘されていたので、メモ代わりに引用させていただきます。
アメリカ外交の偽善や違法な武力行使を論じて、ロシアの行動を相対化、正当化したがる方が多いので、ご紹介。外交史家であればそれはある程度自明で、建国以来の人種的偏見や暴力、偽善に触れたのが本書。▪️Ideology and U.S. Foreign Policy Michael H. Hunt https://t.co/eYJXPxGPEr @amazonJPより
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) March 27, 2022
コソボ戦争やイラク戦争に触れる程度でなく、アメリカ外交を批判的に論じたいのであればせめてこちらを通読して、建国以来のアメリカ外交の諸問題を丁寧にフォローしてはいかがだろうか。だが、アメリカ外交に問題が多いということでロシアが軍事侵攻することの合法性にはならないのは当然。
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) March 27, 2022
コソボ戦争とイラク戦争の合法性(legality)と正当性(legitimacy)については、拙著『倫理的な戦争』で詳しく論じております。アメリカ国内、イギリス国内で、国際法学者を二分して大きな論争が起きました。合法性も正当性もないという主張と、正当だが、合法ではないという主張。合法性擁護も。
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) March 27, 2022
コソボ戦争については、国際人道法上の緊急性の必要から、ある程度正当性がありながら、合法性に疑義がある。イラク戦争については、正当性と合法性ともに疑義がある。今回のロシアのウクライナ侵略は、おそらく戦後でも最も赤裸々で弁護しようのない侵略であり、非人道的行為である。これが私の見解。
— Yuichi Hosoya 細谷雄一 (@Yuichi_Hosoya) March 27, 2022
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