Posted at 2013.12.31 Category : 未分類
どうしてもTOEICを英語力測定試験という点から批判されることが多いですが、仕事で英語を使う立場の者としては、「社会生活に欠かせない相手に配慮した基本的な表現を学べる」ことが何よりも大きいです。これはTIMEを読めるようになったからTOEICは不要といった話ではないのです。前のブログでは再三強調させていただいたことですが、今年の終わりの記事として取り上げたいと思います。会社が社員に英語研修するとしたら、くだけた日常会話ではなく、相手に失礼のない英語をまず教えるのは理にかなっているでしょう。
今更ですが、12月初旬のグーグルやマイクロソフトなど米国大手IT企業が政府に提出した公開書簡を見ていきたいと思います。大上段な話をしましたが、TOEICはこの書簡を取り上げるためのきっかけかもしれません。。。
公開書簡の全文が以下です。本文が157語でオックスフォードの基本語3000が90%と語数や語彙レベルはTOEICと同等と言えると思います。
An open letter to Washington
Dear Mr. President and Members of Congress,
We understand that governments have a duty to protect their citizens. But this summer’s revelations highlighted the urgent need to reform government surveillance practices worldwide. The balance in many countries has tipped too far in favor of the state and away from the rights of the individual — rights that are enshrined in our Constitution. This undermines the freedoms we all cherish. It’s time for a change.
For our part, we are focused on keeping users’ data secure — deploying the latest encryption technology to prevent unauthorized surveillance on our networks and by pushing back on government requests to ensure that they are legal and reasonable in scope.
We urge the US to take the lead and make reforms that ensure that government surveillance efforts are clearly restricted by law, proportionate to the risks, transparent and subject to independent oversight. To see the full set of principles we support, visit ReformGovernmentSurveillance.com
Sincerely,
AOL, Apple, Facebook, Google, LinkedIn, Microsoft, Twitter, Yahoo
こういう文章が書けるようになることを目標としてもいいでしょう。
Words checked = [157]
Words in Oxford 3000™ = [90%]
漏れなどがあるかもしれませんが、公開書簡にあって、公式問題集には登場していない語は以下の通りです。
revelation
surveillance
tip (TOEICで登場するのは「ヒント、こつ」という意味)
enshrine
undermine
constitution
cherish
deploy
encryption
unauthorized (authorizedはあり。unauthorized access(不正アクセス)のように「不正〜」と捉えてしまった方がこのような文脈ではスッキリします)
proportionate
oversight (overseeはあり。Oversightは「見落とす」意味で過去に公開テストで登場したようですね)
principle
一つ一つの表現を確認するのではなく、相手への配慮をこのレターから読み取ってみたいと思います。Yutaの独りよがりの可能性もありますが。。。
We understand that governments have a duty to protect their citizens. But …
まず、書き出しで政府の立場に理解を示しています。いきなり、this summer’s revelations highlighted …で始めてしまうと糾弾するだけの文章になってしまいます。相手の立場を尊重することは、手紙やメールのような文字情報だけの連絡手段の場合は特に念頭に置きたいですね。他にもgovernment requests to ensure that they are legal and reasonable in scopeと、政府の行動を全否定するのではなく、法に則った、妥当なものであることを伝えています。
For our part, we are focused on keeping users’ data secure
第三パラグラフでWe urge the US to take the leadと強く要望する動詞urgeを使って要求事項を述べていますが、その前の第二パラグラフでまず、for our partと自分たちの取り組みを伝えています。これも、相手に要求する前に、自分でやるべきことはやりますと伝えることで、押し付けがましさは弱まると思います。
TOEICの文章は「相手に配慮している」ことを読み取れます。TOEICは本格的な英語素材ではないとか、ヘンテコな世界だとちゃかしてしまうと、われわれがTOEICから学ぶべき「心遣い」を学べなくなってしまうのではないかと心配になってしまいます。
長くなるので個々の表現は立ち入りませんが、一点だけ。keeping users’ data secureにあるネットが安全であるという意味でのsecureはTOEICでも登場しています。keep (名詞句)(形容詞)というのもパート5で出題して理解度をはかってみたいものですね。keep (名詞句)(形容詞)を使った以下のような表現はメールで使うと便利そうですね。
(英辞郎)
I'll keep you informed of my progress.
進展があればお知らせします。
Please keep me updated on the status of your project.
《レ》プロジェクトの進捗を私に報告してください。
まあ、先ほどのfor our partの部分ですが、相手への配慮というのではなく、以下の記事のように我々顧客へのアピールと読み込むことも可能でしょう。
ソーシャル・メディアは今、どこに向かっているのか?
【後編】ネット監視に関する米政府との攻防: 日本にとっての意味は?
2013年12月25日(水) 小林 雅一
公開書簡で何が言いたいのか?
米国の主要IT企業は、世界中のユーザーから収集した個人情報を自らのデータセンターに蓄積している。彼らにとって、「電子メール」や「検索キーワード」、さらには「クレジットカード番号」など大量の個人情報、いわゆるビッグデータは今後ビジネスの柱となる貴重な資産だ。
しかし、これら大量の個人情報が米政府に筒抜けとなれば、米IT企業の信用は失墜し、いずれはユーザー離れを招いてしまう。特にフェイスブックやツィッターなどソーシャル・メディアは今後、従来のBtoC(個人向けビジネス)からBtoB(企業向けビジネス)へと主力事業を拡張する中、情報セキュリティの確保は一層重要な課題となりつつある。
そうした中、今月9日に送付された公開書簡は米国政府に対する抗議であると同時に、世界中のユーザーや潜在顧客に対するPRとしての意味合いが強い。要するに「自分たちはお客様の個人情報を守るために、最大限の努力をしているので、これからも安心して我々のサービスを使ってください」と訴えているのだ。
もちろんTOEICさえ学べば万全というわけではありません。9月に出した公開書簡の方は400語を超えていてTOEICよりも難易度は高くなっています。
米IT企業と擁護団体の連合体、米政府の透明性向上を目指す法案の支持を表明
2013/10/01
鈴木 英子=ニューズフロント (筆者執筆記事一覧)
米Google、米Microsoft、米Apple、米Facebookなど米国IT企業と、米プライバシー擁護団体Center for Democracy and Technology(CDT)をはじめとする市民権擁護団体による連合は現地時間2013年9月30日、米政府の透明性向上を目的とした法案を支持する公開書簡(PDF文書)を米連邦議会の議員に送った。
公開書簡
Words checked = [461]
Words in Oxford 3000™ = [88%]
一方、本物の素材を扱うメリットは、話題を深めていけることでしょうか。この件については、特設サイトも立ち上がっていますし、ストレート記事、論評記事、社説などたくさん取り上げられています。
アップル、グーグル、MSなどIT大手、米政府監視活動への制限を要請
Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部 2013/12/10 08:06
IT企業らは改革の具体的な原則として、次の5項目を提案している。
ユーザーのデータを収集する政府権限の制限
監督と説明責任
政府の要求に関する透明性
情報の自由な流通の尊重
政府間の競合の回避
The Principles
1 Limiting Governments’ Authority to Collect Users’ Information
2 Oversight and Accountability
3 Transparency About Government Demands
4 Respecting the Free Flow of Information
5 Avoiding Conflicts Among Governments
ニューズアワーでも取り上げていました。
ANALYSIS AIR DATE: Dec. 9, 2013
Tech giants call for tighter limits on government surveillance
SUMMARY
Eight prominent American tech companies, including Apple, Facebook, Google and Twitter, sent an open letter to President Obama and Congress expressing concern about the way the U.S. government collects personal data online. Judy Woodruff talks to Brad Smith of Microsoft about their call to limit the scope of government spying.
相手に配慮した礼を失しない表現を学べるTOEIC。TOEICを通じて学ぶ必要はないかもしれませんが、この良さを理解していただけたらなと願っています。
新しいブログは自分メモ的な意味合いが強くなってしまいましたが、
お付き合いいただいた方にはお礼を申し上げます。ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
今更ですが、12月初旬のグーグルやマイクロソフトなど米国大手IT企業が政府に提出した公開書簡を見ていきたいと思います。大上段な話をしましたが、TOEICはこの書簡を取り上げるためのきっかけかもしれません。。。
公開書簡の全文が以下です。本文が157語でオックスフォードの基本語3000が90%と語数や語彙レベルはTOEICと同等と言えると思います。
An open letter to Washington
Dear Mr. President and Members of Congress,
We understand that governments have a duty to protect their citizens. But this summer’s revelations highlighted the urgent need to reform government surveillance practices worldwide. The balance in many countries has tipped too far in favor of the state and away from the rights of the individual — rights that are enshrined in our Constitution. This undermines the freedoms we all cherish. It’s time for a change.
For our part, we are focused on keeping users’ data secure — deploying the latest encryption technology to prevent unauthorized surveillance on our networks and by pushing back on government requests to ensure that they are legal and reasonable in scope.
We urge the US to take the lead and make reforms that ensure that government surveillance efforts are clearly restricted by law, proportionate to the risks, transparent and subject to independent oversight. To see the full set of principles we support, visit ReformGovernmentSurveillance.com
Sincerely,
AOL, Apple, Facebook, Google, LinkedIn, Microsoft, Twitter, Yahoo
こういう文章が書けるようになることを目標としてもいいでしょう。
Words checked = [157]
Words in Oxford 3000™ = [90%]
漏れなどがあるかもしれませんが、公開書簡にあって、公式問題集には登場していない語は以下の通りです。
revelation
surveillance
tip (TOEICで登場するのは「ヒント、こつ」という意味)
enshrine
undermine
constitution
cherish
deploy
encryption
unauthorized (authorizedはあり。unauthorized access(不正アクセス)のように「不正〜」と捉えてしまった方がこのような文脈ではスッキリします)
proportionate
oversight (overseeはあり。Oversightは「見落とす」意味で過去に公開テストで登場したようですね)
principle
一つ一つの表現を確認するのではなく、相手への配慮をこのレターから読み取ってみたいと思います。Yutaの独りよがりの可能性もありますが。。。
We understand that governments have a duty to protect their citizens. But …
まず、書き出しで政府の立場に理解を示しています。いきなり、this summer’s revelations highlighted …で始めてしまうと糾弾するだけの文章になってしまいます。相手の立場を尊重することは、手紙やメールのような文字情報だけの連絡手段の場合は特に念頭に置きたいですね。他にもgovernment requests to ensure that they are legal and reasonable in scopeと、政府の行動を全否定するのではなく、法に則った、妥当なものであることを伝えています。
For our part, we are focused on keeping users’ data secure
第三パラグラフでWe urge the US to take the leadと強く要望する動詞urgeを使って要求事項を述べていますが、その前の第二パラグラフでまず、for our partと自分たちの取り組みを伝えています。これも、相手に要求する前に、自分でやるべきことはやりますと伝えることで、押し付けがましさは弱まると思います。
TOEICの文章は「相手に配慮している」ことを読み取れます。TOEICは本格的な英語素材ではないとか、ヘンテコな世界だとちゃかしてしまうと、われわれがTOEICから学ぶべき「心遣い」を学べなくなってしまうのではないかと心配になってしまいます。
長くなるので個々の表現は立ち入りませんが、一点だけ。keeping users’ data secureにあるネットが安全であるという意味でのsecureはTOEICでも登場しています。keep (名詞句)(形容詞)というのもパート5で出題して理解度をはかってみたいものですね。keep (名詞句)(形容詞)を使った以下のような表現はメールで使うと便利そうですね。
(英辞郎)
I'll keep you informed of my progress.
進展があればお知らせします。
Please keep me updated on the status of your project.
《レ》プロジェクトの進捗を私に報告してください。
まあ、先ほどのfor our partの部分ですが、相手への配慮というのではなく、以下の記事のように我々顧客へのアピールと読み込むことも可能でしょう。
ソーシャル・メディアは今、どこに向かっているのか?
【後編】ネット監視に関する米政府との攻防: 日本にとっての意味は?
2013年12月25日(水) 小林 雅一
公開書簡で何が言いたいのか?
米国の主要IT企業は、世界中のユーザーから収集した個人情報を自らのデータセンターに蓄積している。彼らにとって、「電子メール」や「検索キーワード」、さらには「クレジットカード番号」など大量の個人情報、いわゆるビッグデータは今後ビジネスの柱となる貴重な資産だ。
しかし、これら大量の個人情報が米政府に筒抜けとなれば、米IT企業の信用は失墜し、いずれはユーザー離れを招いてしまう。特にフェイスブックやツィッターなどソーシャル・メディアは今後、従来のBtoC(個人向けビジネス)からBtoB(企業向けビジネス)へと主力事業を拡張する中、情報セキュリティの確保は一層重要な課題となりつつある。
そうした中、今月9日に送付された公開書簡は米国政府に対する抗議であると同時に、世界中のユーザーや潜在顧客に対するPRとしての意味合いが強い。要するに「自分たちはお客様の個人情報を守るために、最大限の努力をしているので、これからも安心して我々のサービスを使ってください」と訴えているのだ。
もちろんTOEICさえ学べば万全というわけではありません。9月に出した公開書簡の方は400語を超えていてTOEICよりも難易度は高くなっています。
米IT企業と擁護団体の連合体、米政府の透明性向上を目指す法案の支持を表明
2013/10/01
鈴木 英子=ニューズフロント (筆者執筆記事一覧)
米Google、米Microsoft、米Apple、米Facebookなど米国IT企業と、米プライバシー擁護団体Center for Democracy and Technology(CDT)をはじめとする市民権擁護団体による連合は現地時間2013年9月30日、米政府の透明性向上を目的とした法案を支持する公開書簡(PDF文書)を米連邦議会の議員に送った。
公開書簡
Words checked = [461]
Words in Oxford 3000™ = [88%]
一方、本物の素材を扱うメリットは、話題を深めていけることでしょうか。この件については、特設サイトも立ち上がっていますし、ストレート記事、論評記事、社説などたくさん取り上げられています。
アップル、グーグル、MSなどIT大手、米政府監視活動への制限を要請
Steven Musil (CNET News) 翻訳校正: 編集部 2013/12/10 08:06
IT企業らは改革の具体的な原則として、次の5項目を提案している。
ユーザーのデータを収集する政府権限の制限
監督と説明責任
政府の要求に関する透明性
情報の自由な流通の尊重
政府間の競合の回避
The Principles
1 Limiting Governments’ Authority to Collect Users’ Information
2 Oversight and Accountability
3 Transparency About Government Demands
4 Respecting the Free Flow of Information
5 Avoiding Conflicts Among Governments
ニューズアワーでも取り上げていました。
ANALYSIS AIR DATE: Dec. 9, 2013
Tech giants call for tighter limits on government surveillance
SUMMARY
Eight prominent American tech companies, including Apple, Facebook, Google and Twitter, sent an open letter to President Obama and Congress expressing concern about the way the U.S. government collects personal data online. Judy Woodruff talks to Brad Smith of Microsoft about their call to limit the scope of government spying.
相手に配慮した礼を失しない表現を学べるTOEIC。TOEICを通じて学ぶ必要はないかもしれませんが、この良さを理解していただけたらなと願っています。
新しいブログは自分メモ的な意味合いが強くなってしまいましたが、
お付き合いいただいた方にはお礼を申し上げます。ありがとうございました。
どうぞ良いお年をお迎えください。
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