Posted at 2014.02.15 Category : 読書報告
![]() | The Changing Image of Beethoven: A Study in Mythmaking (2008/05/30) Alessandra Comini 商品詳細を見る |
Google bookの埋め込みを試してみました。下記の本で上記の本を知りました。普通の男性の肖像にすぎなかったベートーベンが徐々にあの我々がイメージする苦悩する芸術家「ベートーベン」になっていく移り変わりがわかるページです。図書館からChanging image ...の洋書を借りられたので、今週末読んでみようと思います。
![]() | 聴衆の誕生 - ポスト・モダン時代の音楽文化 (中公文庫) (2012/02/23) 渡辺 裕 商品詳細を見る |
この本についてはアマゾンのレビューがうまくまとめてくれています。
1989年に出版された「サントリー学芸賞」受賞作。有名な本(らしい)。
簡単に言うと、クラッシク音楽に典型的な、外部から隔絶された暗いコンサート・ホールに息をひそめて音を立てることなく座り、偉大なる芸術家(モーツアルト、ベートーベン等々)が作り上げた「精神的作品」を集中して「聴取」し、これを統一した作品として「解釈」し、「理解」するという聴衆の態度は、19世紀に作られたものに過ぎない。このような態度の背景にあるのは、19世紀に確立したロマン主義的な「精神性」の重視と「偉大なる芸術家」像であって、それ以前、例えば、モーツアルトやベートーベンの時代にはこんな音楽の聴かれ方はされず、途中で拍手が入ったり、雑談したり、食事までしたり、音楽会のプログラムもそのような聴衆を校了した雑多なものだった。この19世紀に確立した音楽の聴き方は、「高級音楽」と「通俗音楽」の区別を含め、現代(つまりこの本でいう80年代)には大きく変化しつつあるという。一種の音楽における「近代化」批判、(副題にもあるような)ポストモダン論、近代音楽のデコンストラクションである。
天才芸術家・音楽家というイメージが出来たのは、19世紀からで市民社会の形成と無縁ではなさそうです。今回のベートーベンは歴史的にみれば、メールアドレスに送られるスパム程度のものかもしれませんが、本物の芸術家「ベートーベン」というイメージを今でも参照しているわれわれがいるのも事実のようです。
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