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Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

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(自分メモ)ビフォーアフターのアフター

 


ようやくこの映画を見てきました。上映館数が少ないためか、非常に混雑して満席でした。この映画のクライマックスは大量殺人のやくざが自分のやったことの恐怖に飲み込まれていく部分なんでしょう。

虐殺、実行者が実演 インドネシア題材 映画「アクト・オブ・キリング」
2014年4月10日 朝刊
彼らのアイデアをもとに監督が撮り、それを彼らに見せることを繰り返している。その結果、殺害実行者が自分のしたことを客観視していく場面もある。アンワル氏は冒頭で、流血を少なくしようと開発した殺人道具をうれしそうに披露していたが、終盤に至って「おれに拷問された人の気持ちがわかった」と告白。それに対して監督が「これは映画だ。拷問された気持ちはそんなものではない」と全否定するのが印象的だ。

 「彼らが罪悪感を感じ、贖罪(しょくざい)に至るような結末はセンチメンタルすぎるので望んでいなかった。法の裁きは逃れたかもしれないが、自身の行為で自分自身が滅ぼされていく。『殺人という行為(アクト・オブ・キリング)』が、人間に及ぼす影響を描き切れたと思う」



一番不気味に感じたこと、恐ろしく感じたことは、一緒に映画作成に参加していた新聞記者の男性でした。新聞社と同じビルで殺人が連日行われていたのに、そんな恐ろしいことがされていたなんて知らなかったと語るのです。アンワル氏たちは、しらばっくれるな、公然の秘密だったじゃないかとこの記者を責めますが、彼は最後まで知らなかった、気付かなかったを通していました。

このやり取りは10分もなかったんですが、印象深いやり取りでした。つまり、当時このような事が容認・黙認されていた/せざるを得ない空気があったということなんでしょう。アンワル氏はいってみれば体制の鉄砲玉なんですから、彼の行為だけを責めても仕方がない気もしてしまいます。もちろん彼の罪を免責していいということではありません。なぜ、そのようなことを容認できてしまったのかを解明する方が大事ではないかということです。


インドネシア9.30クーデターの謎を解く: スカルノ、スハルト、CIA、毛沢東の影インドネシア9.30クーデターの謎を解く: スカルノ、スハルト、CIA、毛沢東の影
(2013/09/28)
千野 境子

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大きな歴史的な流れは上記の千野さんの本が詳しかったです。ただ、千野さんの本は政治指導者のハイレベルな動きしか描いていないので、今回の映画で取り上げたような実際の現場での話はまったく書かれていません。

そこで紹介されていた1968年のCIAの報告書です。ソビエトの粛正やナチスのホロコーストに並ぶone of the worst mass murders of the
20th centuryと報告していますが、サマンサパワーさんの本では抜け落ちています。

CIA報告書をサイトで調べれば、そのオリジナルを閲覧できる。インターネットは本当に凄いです。300ページ以上の分厚い報告書です。

RESEARCH STUDY - INDONESIA 1965, THE COUP THAT BACKFIRED, DECEMBER 1968

Since it wasn't safe to travel around in Indonesia in those
days, many areas were never visited by anyone interested in
determining the number of people killed. Thus, there never
was - and never will be- a reliable figure of the numbers
dead as a result of the Indonesian coup. Undoubtedly, vast
numbers were killed. The killings in Java alone put the
Mau Mau massacres and the killings in the Congo in the
shadow, although the latter got much more publicity. In
terms of the numbers killed, the anti-PKI massacres in
Indonesia rank as one of the worst mass murders of the
20th century, along with the Soviet purges of the 1930's,
the Nazi mass murders during the Second World War, and the
Maoist bloodbath of the early 1950's. In this regard, the
Indonesian coup is certainly one of the most significant
events of the 20th century, far more significant than many
other events that have received much greater publicity.

この辺りのことを考えることも大事なんでしょう。



40 Years Later: The Mass Killings in Indonesia
By John Roosa and Joseph Nevins
Global Research, November 05, 2005


Suharto: Covering Up Western Complicity
Posted: March 8, 2013 |
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