fc2ブログ

Uncharted Territory

自分が読んで興味深く感じた英文記事を中心に取り上げる予定です

RSS     Archives
 

自分なりに理解していく

 
「資格試験の勉強だけでなく、本格的な勉強を大事にしろ」と得意気に語る英語教師に不信感をついつい持ってしまうのは、しょうもない英語力で的外れな訳を振りまいていることがあるからです。『全力特急』の訳を絶賛する理由をよりよく分かっていただくために以下の二つを見比べていただきたいと思います。

(英辞郎)
Visitors to the event are encouraged to use public transportation.
そのイベントの来場者は公共交通機関を使うよう勧められている。

(『全力特急』の訳)
Visitors to … are required to have a parking pertmit…
~にいらっしゃる方は、駐車許可証が必要となります。


TOEIC対策になじまれた方は、どちらもイベント案内などの通知で使われる文であることが想像できるのではないかと思います。そしてどちらも注意事項を伝えているんですよね。『全力特急』の訳と比べると、英辞郎の方は日本語からでは注意事項を伝える文章であることがイマイチ分からないのではないでしょうか。告知文ぽく訳すなら以下のような感じになるでしょうか。

Visitors to the event are encouraged to use public transportation.
イベントに来場される方は、公共交通機関をご利用ください。

日本語訳の質とかではなく、英辞郎の訳だとare encouraged to doやare required to doが相手に注意事項を伝えるときに使う文であることが伝わらない事が問題なんです。この一文を見ただけでもそのようなことが推測できるようになれば、パート5の解答スピードも速くなるでしょうし、パート7の文章理解だってスムーズにいくに違いありません。

前田先生がパート5とパート7がつながっていることを指摘されていましたし、『全力特急』も付録でパート5の問題が入っていますよね。ですから、パート5の文章を見て、これはどんな文書(電子メール、広告、記事など)で使われるか考えてみると、文脈の推測力が鍛えられるだけでなく、広告や通知の文体というのも分かってきます。

もちろん、Visitors toを「~にいらっしゃる方」というこなれた日本語に訳した日本語力もすごいですね。ここまで深く理解されていれば、自分で英文を書くときにもPeople who visit the eventとなど回りくどくかかずにVisitorsとできるようになっていくことでしょう。こう言う文でVisitorsから始める英文を書ける人って国連英検特A級とるようなレベルでも難しいんですよ。こなれた英文を書ければ、それだけ相手に伝わりやすくなります。

TOEIC素材はさまざまなシチュエーションや文体を学べるとてもいい学習素材です。「そのイベントの来場者は公共交通機関を使うよう勧められている。」と訳してよしている英語学習業界は、グローバル化のコミュニケーションに対応していません。使えない英語教師や英語編集者は無視して自分たちで学んでいく流れを作っていきましょう。
スポンサーサイト



Comment


    
プロフィール

Yuta

Author:Yuta
FC2ブログへようこそ!




最新トラックバック

月別アーカイブ


FC2カウンター

検索フォーム



ブロとも申請フォーム

QRコード
QR