Posted at 2014.10.31 Category : 未分類
下記の日本語記事で知ったのですが、どうしてオールドメディアの人たちはBusinessWeekのオリジナル記事にリンクを貼らないんでしょうか。旧態依然の記事の書き方ですよね。
米アップルCEO、同性愛を告白 ティム・クック氏
2014年10月30日 22時57分 共同通信
Opening Remarksということは今週土曜日発売のBusiness Weekの巻頭記事に載るのでしょう。選挙直前のタイミングで、仲のよいメディアに発表という流れと感じます。
Opening Remarks
Tim Cook Speaks Up
By Tim Cook October 30, 2014
一読すればとても丁寧に書かれた文章であることがわかりますが、オーソドックスなルールに則っていることも伺えます。下記は主張を述べたパラグラフの後、具体例を述べるパラグラフを続けています。
While I have never denied my sexuality, I haven’t publicly acknowledged it either, until now. So let me be clear: I’m proud to be gay, and I consider being gay among the greatest gifts God has given me.
(これまで私の性的指向を否定してことは一度もありませんでしたが、公に認めてくることもしてきませんでした。それも終わりにして、はっきりさせます。私はゲイであることを誇りにしています。ゲイであることは神様が私に授けてくださった最も偉大なものだと考えています。)
Being gay has given me a deeper understanding of what it means to be in the minority and provided a window into the challenges that people in other minority groups deal with every day. It’s made me more empathetic, which has led to a richer life. It’s been tough and uncomfortable at times, but it has given me the confidence to be myself, to follow my own path, and to rise above adversity and bigotry. It’s also given me the skin of a rhinoceros, which comes in handy when you’re the CEO of Apple.
(ゲイであることでマイノリティーであることがどういうことかより深く理解することができましたし、他のマイノリティーである人々が毎日直面している課題がどんなものか想像することができます。思いやりのある人間になれ、心豊かな生活を送れるようになりました。厳しく、不安な時期もありましたが、私に自信を与えてくれたので、自分自身であること、自分の道を進むこと、逆境や偏見に立ち向かうことができました。また、サイのような厚い皮膚も与えてくれたので、AppleのCEOでは役立っています。)
ただ、来週の中間選挙直前というタイミングでもありますし、これは個人的なカミングアウトではなく、マイノリティー支持を訴える、いわば政治的な表明にもなります。このあたりは冒頭でキング牧師の言葉を引いていることからも自覚的に行ったことがわかります。
At the same time, I believe deeply in the words of Dr. Martin Luther King, who said: “Life’s most persistent and urgent question is, ‘What are you doing for others?’ ”
(同時に、私はキング牧師の次の言葉に深く感銘を受けています。「人生で問い続けるべき、喫緊の問いは、「他の人に何をしてあげられるか」だ」)
最後の方で以下のように具体的に語っています。
The company I am so fortunate to lead has long advocated for human rights and equality for all. We’ve taken a strong stand in support of a workplace equality bill before Congress, just as we stood for marriage equality in our home state of California. And we spoke up in Arizona when that state’s legislature passed a discriminatory bill targeting the gay community. We’ll continue to fight for our values, and I believe that any CEO of this incredible company, regardless of race, gender, or sexual orientation, would do the same. And I will personally continue to advocate for equality for all people until my toes point up.
(私が幸運にも率いている会社は長らく人権とあらゆる平等を支持してきました。職場での平等を進める法案を積極的に支持してきました。拠点があるカリフォルニア州での同性婚を認める立場も支持してきました。アリゾナ州に対しては異議を唱えました。ゲイ社会を差別する法案を議会が通したからです。これからも私たちの価値観のために戦っていきます。同社のような素晴らしい会社のCEOなら誰でも人種や性別、性的指向に関わらず同じことをするでしょう。私個人としてもあらゆる人々の平等を息絶えるまで支持していきます)
ダイバーシティを会社方針として打ち出したのですから、このような表明をしても当然だ、遅すぎるくらいだと外野は簡単に批判できるかもしれません。ただ、まだ社会的な拒否感の強いトピックであります。彼の逡巡しているような文章を読んでもそのあたりは感じます。そんな中、自分の立場をきちんと表明した勇気を讃えたいと思います。
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